Lesson 8:警官との会話で学ぶ関西弁
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- さて、今回は警官との会話で学ぶ関西弁です。
  - テレビでおなじみなのが、「飲酒検問」でのやりとり。
  - 愉快ですね。おちゃけを飲んだ関西人が、その実力(?)をフルに発揮してくれています。
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  - では、実際にあった会話をから見てみましょう。
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  - 例題1)関西弁
  - 警察官 A:「こんにちは。スピード、よう出てましたよ。急ぐ用事でもありました?」(のんびりとした口調)
  - にっしゃん:「すんません、(横に乗っている女性を指差し)この子が生理始まったもんやから、急いでたんですわ」
  - 警察官 A:「(女の子を見ながら)あー、大変やね。でも、スピード出し過ぎはあきませんよ。免許証見してもらえますか?」
  - にっしゃん:「あっ!……不携帯や。どないしょ?」
  - 警察官 A:「あらららららららぁ。ん〜、ほな名前と住所と電話番号を教えてもらえる?本部に問合せしますんで」
  - ここで車から運転者であるにっしゃんだけ降ろされ、本部に問合せをされる。確認がとれると例のキップに色々と書き込み、手渡される。
  - 警察官 A:「ほな、ここに名前と住所と書いてくれる?」
  - にっしゃん:「○○市××区△△通□−◎−▼、にっしゃん…っと」
  - 一生懸命書いているにっしゃんのところに別の警官がニコニコしながらやって来て
  - 警察官 B:「自分ら、昨日の晩知り合ったんかいな?」
  - にっしゃん:「はあ〜?」
  - 警察官 B:「いやな、助手席の女の子に、あいつ『にっしゃん』言うてるけど、ほんまか?って聞いたら、『昨日知り合ったんで知りません』言うてたで」
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  - まあ、関西以外では、ニコニコしながら警官Bがやって来て、不要な会話はしないでしょうね。
  - ポイントとしては、
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  - ・「よう出てましたよ」
  -  直訳すると「沢山出ていました」になります。
  -  「沢山」の関西形は「ようさん」、「ぎょうさん」、「ようけ」と言います。
  -  ここで気を付けて頂きたいのは、「よく会う」の関西形である「よー会う」の「よー」とはちょっと違います。
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  - ・「ほな」
  -  これは「では」の関西形です。
  -  非常に大事な言葉ですので、しっかり覚えておいて下さい。
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  - ・「自分ら」
  -  これは「君達」の関西形です。「あなた達」とは違います。「あなた達」の関西形は「おたくら」です。
  -  「自分ら」は年上の人が、年下のあまり親しくない複数の人に対して使う言葉です。礼を尽くしていない言葉です。
  -  ただ、これは「無礼」というわけではありません。あまり親しいわけではないが、親しみのある表現ですから…。
  -  逆に年下が年上の複数の人に対して無礼な表現として「あんたら」というのがあります。
  -  できるだけ、この言葉は使わない様にしましょう。「あんたら」と言った瞬間、「誰に口きいとんじゃ」という事になるかも知れません。
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  - 別に関西の警察を悪く言うつもりはありませんが、やはり「第一印象」というのは大事です。
  - 反抗的な態度をとるとやはり警官も人間ですから、厳しい態度になる事も多々あります。
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  - 例題2)関西弁
  - 警察官 A:「こんにちは。今、跨ってる単車、自分の?」
  - にっしゃん:「あ?ワシのに決まっとるやんけ。」
  - 警察官 A:「ちょっと身分証明書見せてくる?」
  - にっしゃん:「めんど臭いのぉ。……、ほい」(ほいの語尾は上げる)
  - 警察官 A:「恐い顔しとるな」(顔は笑っているが、目は笑っていない)
  - にっしゃん:「ほっとけや。関係ないやろ?」
  - 警察官 A:「怒ったらあかんよ。自分のバイクやったらキー持っとるやろ?エンジンかけてみて」
  - にっしゃん:「しつこいな。」
  - エンジンをかける時、イライラしているので、ついついアクセルを廻す手にも力が入り、爆音が…
  - 警察官 A:「うるさいなぁ。整備不良やな」
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  - 実際にあった話しです。
  - 逆のパターンですが、次の例題も実際にあった話しです。
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  - 例題3)関西弁
  - 警察官 A:(パトカーからスピーカーで)「前のバイク。左に寄って停車しない」
  - にっしゃん:(警官が出て来るのを待って)「なんですか?」
  - 警察官 A:「いや、別に大した事やないんやけどね。今交通安全週間やから…」
  - にっしゃん:「はあ…」
  - 警察官 A:(バイクを見ながら)「ええ単車やなぁ。どれくらい走んの?」
  - にっしゃん:「リッター8くらいです」
  - 警察官 A:「燃費やなしに、スピードやがな。最高どれくらいでんの?」
  - にっしゃん:「さあ…、法定速度守ってますから、わかりません」
  - 警察官 A:「自分、やるやるとは聞いてたけど噂以上やな」
  - にっしゃん:「どんな噂ですの?」
  - 警察官 A:「わははははは。冗談やん。まあ、気付けて走りや」
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  - まあ、調子に乗って「180くらいは出るで」と答えていてもキップを切られる事はないでしょうが、何の為に呼び止めたのか疑問の残る会話です。
  - 不思議なのは、スピーカーを通す時は「バイク」と言うのに、普通に話す時は「単車」と呼ぶ事です。
  - ちなみに、私はバイクとか単車と呼ぶのは50cc以上の自動二輪車で、50cc未満の原動機付き自転車は「原付」とか「原チャ」と呼びます。
  - ホントは「ラッタッター」と言いますが、これは若い人にはわからないので最近使っていません。
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  - もし、関西以外の方が関西で道路交通法違反で検挙されそうになった時にアドバイスをひとつ。
  - できるだけ東京弁では喋らない事です。
  - しかし、東京の方はそうもいかないでしょうが、無理に関西弁を話す必要もありません。
  - 自分の地域の言葉に誇りを持って、話して下さい。
  - ただ、「今度、こちらの方に引っ越してくる事になりそうなので…」と言えば、ひょっとしたら奇跡があるかも知れません。
  - 関西人は外様に対しては排他的な部分がありますが、地元意識は強いので…。
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  - さて、ちょっと話しはずれますが、警察の話題になったついでに下らない話しをひとつ。
  - 速度違反(通称ネズミとり)で検挙された時のリアクションって何かに似ていませんか?というお話です。
  - では、検挙された時のリアクションをまとめてみましょう。
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  - ・その事実を告げられた時
  -  「うそ?」と信じられない。いや、信じたくない。
  -  「ほんまに俺か?」と他のヤツではないかと疑う。
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  - ・解決方法
  -  「なんぼかかるん?」
  -  本当に自分ではないという自信があるのであれば、法廷で争えばよいのだが、大体の人は金銭で解決する。
  -  また、大体は身に憶えがあるので、絶対自分ではないという自信はない。
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  - ・再発防止
  -  本来であれば、一度そういった報いを受けたのであれば、その行為自体をやめればよいのだが、その行為をやめずに結果だけを防ごうとする。
  -  具体策としては、器具の購入等。
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  - ・原因
  -  その行為を行っている瞬間は気持ちがいいからである。
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  - さて、このリアクション、彼女から「できちゃった」と告げられた時の男のリアクションに似てませんか?
  - 勿論、潔く刑に服する人もいますけどね。
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