「合邦庵室の段」
合邦夫妻は娘の玉手が継子に不義をしかけたので、夫の成敗に逢っただろうと考えて娘を弔っています。死んだものと思っているのです。
父親の「合邦道心」はもと侍なので、娘を許すことができないのですが心の中ではやはり娘のことを思ってます。共に念仏をとなえていた人々も帰り夜も更けた頃、「俊徳丸」を追って「玉手御前」が里に帰ってきます。
喜ぶ母、娘を入れるなと言う父。さすがに娘かわいさ幽霊だと思うことにして玉手を中に入れてやります。
玉手は俊徳丸への恋心は本物で、行方を探して夫婦にして下さいと両親に頼みます。
合邦は怒りに震えて自分の手で娘を成敗しようと刀に手をかけます。母親は尼になってくれと言いますが、玉手はとても聞き入れるような状態ではありませんでした。
騒ぎを聞いた俊徳丸と「浅香姫」は「奴入平」に導かれ逃げようとしますが、玉手に見つかってしまいます。俊徳丸が難病のため醜くなった姿を見せても何故か玉手は動じません。事もあろうに難病は自分が盛った毒をのせいだと打明けます。
尚も俊徳丸の手を取って連れて行こうとする玉手、止めようとする浅香姫、嫉妬に狂って目付きも変わる玉手、合邦は堪えきれなくなって娘を刺します。
手負いになった玉手は語り始めます。俊徳丸に毒入りの酒を飲ませたのは次郎丸の陰謀から彼を守るためであったと・・・恋ではなかったのだと・・・
嘘か真か、誠か嘘か玉手の語り。この続きは劇場でとくとご覧下さいませ。(^^)
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