HOME:入口に戻ります 文楽の解説 演目の紹介 このサイトについて
HOME >> 文楽の解説 >> 演者:文楽の三味線
 
三味線(三味線弾き)
 

     鶴沢燕二郎  
幕があく。「東西東〜西」の口上のあと、まず三味線が前奏を弾く。
この先一時間を越える長丁場であっても譜面は無い。しかも、たったの一音でこころを伝えよ
という世界。きびしい修行だけで成り立つ技ではない。
 
三味線はコンダクターも兼ね
舞台の進行役。
大夫と人形にはきっかけを与え、大夫と持ちつ持たれつで表現する。

「地合と節 (じあいとふし)
(情景描写うた)の部分では、大夫の語りと絡み合いながら進行する。

「詞 (ことば)
(会話)の部分では、一撥(ばち)の合の手で情景や心情を表せることを心がける。


息を詰めたり間を計ったりと、
忙しくて額に汗しているはず‥‥。
はて?、それでも尚涼しく舞台を務める三味線、
熱演する大夫の隣にあって、その姿は対照的である。
西宮市酒蔵文楽にて 野沢喜左衛門
 
三味線(三味線弾き)はいろんな楽器を遣います。
太棹 (太棹三味線)大型の三味線、これがメインの楽器
高音 (細棹三味線)立ち回りなど人形主体の場面に数挺で
余情ある調べでBGM。人形が琴を奏でるシーンに
胡弓 (こきゅう)哀調を帯びた音色、切ないシーンに登場
八雲 (やくも)二弦琴、古風な雅びやかさが欲しいときに
  琴 鶴沢清太郎       胡弓 竹沢団市

舞台裏を行く三味線弾き。

後ろ姿は、竹沢宗助さんだろうか?
楽器が弾けない私には、三味線の人達が舞台上のニヒルさと相まって、どんな時でも小粋に見える。
 地方巡業公演にて 戻る
       
HOME >> 文楽の解説 >> 演者:文楽の三味線 ▲ページTOP