「羽咋市史 中世・社寺編」
白山社 福水町
鎮座地 飯山川の南岸のタカデにあり、北面する。
また奥宮(奥の院ともよばれる)が後方約1キロばかり山奥の山頂にあり、西面している。
境内226.3坪(神社明細帳)。
祭神 神社明細帳では伊邪那美命とする。
社名 近世には観音宮ともよばれた。
社格 明治初年に村社に列した。
由緒 明治十三年の神社明細帳によると万寿年度(1024~1028)に加賀国白山比咩神社より勧請したと記されているが、詳細については明らかでない。
古来、福水の産産土神として仰がれてきた。
奥宮には十一面観音(台座に正徳二年〔1712〕の墨銘がある)を奉安するほか、大きな古仏を安置する。
十一面観音は白山社の本地仏であったろうが、今の奥宮に初めから奉安されていたかどうかはわからない。
タカデの白山社に祀られていたのを、明治の神仏分離の時に移したもののようにも思われる。
白山社後方の山地には丹治山福水寺とよばれた真言の古寺があって天正の兵火に炎上したと伝え、寺跡伝承地がある。
奥宮の古仏類は、この福水寺に関係のものであろうか。
白山社近傍の藤森には石仏や石塔類が寄せ集められ、今も七月九日には神職によって祭祀が営まれている。