白山神社 石川県羽咋市土橋町 旧・村社
現在の祭神 菊理媛神
本地 聖天(または聖観音)

「羽咋市史 中世・社寺編」

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白山神社 土橋村
鎮座地 土橋の部落から西北方100メートル余を離れた地に鎮座し、東面する。 境内は247.05坪(神社明細帳)。
祭神 明治十三年の神社明細帳では祭神が菊理姫命(白山神社)だけとなっているが、現在の明細帳は菊理媛命外五祭神とする。 これは本社に白山妙理権現のほか聖天(歓喜天)・聖観音・愛染明王等六神を祀るからだという。
社名 近世は聖天宮・聖天社とよばれたが、明治になってから一時進雄社とも称したが後に白山社とし、大正十五年六月に白山神社と改称した。
社格 明治初年に村社に列せられ、同四十一年八月に神饌幣帛料供進神社に指定された。
由緒 創祀の由来については明らかでないが、明治十三年の神社明細帳に、弘長元年(1261)土橋村開拓のみぎり「土中ヨリ白山社本地仏聖天尊ヲ掘出候由申伝候」とある。 白山社の本地仏が聖天というのは例に乏しい。 あるいは聖観音の誤りではあるまいか。 聖天は仏教守護の神で、その形像は象頭人身で、双身像は一は男天で魔王、一は女天で十一面観音の化身で抱き合っている。 祈れば富貴を与え病を除き、夫婦和合し、子宝を授け与えるという。 本社の聖天は双身像だという。 その女神が十一面観音の化身だとすれば白山の神の本地仏との結びつきも考えられるが、断定はできない。 いずれにしても能登地方における聖天信仰として注目されるのである。 聖天・白山二神のほかについてはどうして祀られるに至ったのかわからない。