石室神社 | 静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎 | 式内社(伊豆国賀茂郡 伊波例命神社) 旧・無格社 |
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現在の祭神 | 伊波例命 |
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本地 | 十一面観音 |
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伊豆半島最南端の石廊崎の目もくらむような断崖上に鎮座し、帆船や漁船で海上に生業をいとなむ人人にとりわけ篤く信仰されている。 一帯は石廊崎の灯台、日和山、長津呂などを有する景勝の地であるが、海上生活者にとっては難所であり、当社は神聖にして非常に「あらたか」な神社として篤く信仰されている。
[中略]
また『増訂豆州志稿』は「石廊ノ記ニ曰」として次のように述べている。文武帝ノ時阿摩陁ト云者アリ 何ノ許ノ人ナルヲ知ラズ 役小角大島ニ謫セラレシ時 阿摩陁小角ヲシテ観音大士ヲ長津呂ノ南岸ニ祀ラシメ綺(イラウ)権現ト号ス 天平年中行基此ニ到リ仏像ヲ陶鋳シ第六天神ヲ配祀ス
本社は伊豆の最南なる石室崎(石廊崎)の岬端に位し、石壁峭立波浪洶涌する上に、長檣を海岸の岩窟に投架し、殿宇を其上に構造して居る。 元来其の集塊岩の岩窟を神として祭つたのであるが、後には十一面観音に習合して石廊権現と呼び、往来の海客に尊崇された。