香取神社 埼玉県春日部市藤塚 旧・村社
現在の祭神 経津主命
[合祀] 宇迦之御魂神
本地 十一面観音

「新編武蔵風土記稿」巻之三十四
(葛飾郡之十五)

藤塚村

香取社

村の鎮守なり、 東国寺の持、 本地十一面観音を安ず、恵心の作

「埼玉の神社 北足立・児玉・南埼玉」

香取神社

  春日部市藤塚429(藤塚字根郷)

歴史

 当社の創建は、社伝によると天正四年(1576)、当地に浄土宗善照山東国寺を開山した光誉上人が、同六年(1578)に下総国一宮香取大神を勧請したとある。 更に、氏子の伝えによると、当初は東国寺の境内に勧請され、後に当地へ遷したという。

信仰

 『風土記稿』藤塚村の項にも「香取社 村の鎮守なり、東国寺の持、本地十一面観音を安ず、恵心の作」と記されているように、江戸時代には東国寺が別当であった。 東国寺は、当社の創建に関与し、その後も明治初年の神仏分離まで当社の祭祀を務めていた。 なお、本地仏の十一面観音像は、内陣に見当たらないことから、神仏分離の際に当社から東国寺へ遷されたと思われる。