木華佐久耶比咩神社 岡山県倉敷市福江 旧・郷社
現在の祭神 木華佐久耶比咩命
[配祀] 大山祇命・大国主命
本地 妙見菩薩(虚空蔵菩薩・愛染明王・摩利支天)

「長床縁由興廃伝」

第七「新熊野山末社興廃伝」

又福南山の神は本地妙見菩薩にて、此神に詣てゝ、諸人星祭をなす。 これ則本地妙見菩薩なり。 七仏所説神咒経云妙見菩薩は左の手に蓮を持し上に北斗七星の形を作し右の手を説法印に作れり。 天女の瓔珞耳璫環釧身を厳り五色の雲中に結跏趺坐せりと。 又天安二年此山頂にして義天大僧都虚空蔵求聞持の法を修す。 成就の日三の星檀上に現し第一星変じ虚空蔵菩薩と成る。 第二星変じ愛染明王と成る。 第三星変じ摩利支天と成る。 須臾にして妙体消玉いぬ。 檀上示現の星の形三台星の如し。 故義天僧都此の三尊を以て此神の本地身とし、星を以て垂迹とし妙見を神号とし福南山三台妙見と号し奉り本地の尊影を刻して神体とし長床の守護神と崇め奉りしより長床の衆徒加行抖擻次第干。 今此の義存す。 祭礼八月七日。 山は福岡の南に当る故に福南と名づく。