熊野神社 東京都八王子市東中野  
現在の祭神 速玉男命
本地
熊野本宮権現阿弥陀如来
熊野那智権現観世音菩薩
熊野新宮権現薬師如来

「新編武蔵風土記稿」巻之九十七
(多磨郡之九)

中野村

熊野社

無年貢地凡十三間四方、 字天野にあり、 村の鎮守なり、 紀州熊野本宮を勧請せり、 本地弥陀木の立像にて、長八寸ばかり、 社は宮造にて二間に二間半の覆屋あり、 棟札に明暦二年とあり、されど勧請の年代は、猶ふるきことならんといへり、 鳥居たてり、両柱の間一丈ほど、 前に石階十七級あり、 例祭八月九日下の二社と同日に祭れり、
別当金住院 社の傍にあり、境内は除地なり、熊野山と号す、新義真言宗にて高幡金剛寺の末寺なり

那智社

無年貢地、凡三間四方、 同所の東にあり、 前の本宮のちなみによりて、下の新宮とあはせて、三社を祀りしなるべし、 小社なり、 棟札に寛永十八年とあり、この時の勧請なるか、 本地は観音なり、 百姓平左衛門の持、

新宮社

無年貢地、凡五間四方、 これも同辺にあり、 本地は薬師なり、 小社にて棟札に万治三年とあり、 百姓七郎右衛門持