三嶋神社 埼玉県比企郡鳩山町大豆戸  
現在の祭神 事代主神・大山祇神
[合祀] 応神天皇・菅原道真・建御名方神
本地 薬師如来

「新編武蔵風土記稿」巻之百九十一
(比企郡之六)

熊井村

三島社

当村もとは伊豆三島の神領にてありし故、勧請せしものと見えたり、 慶安二年社領十二石の御朱印を賜ふ、 村内の鎮守にて、毎年九月流鏑馬を興行す、 本地薬師の画像を掛く、 真光寺持

「埼玉の神社 大里・北葛飾・比企」

三嶋神社

  鳩山町大豆戸788(大豆戸字宮山)

歴史

 当社は、左兵衛督源朝臣足利持氏が応永二十三年(1416)の上杉禅秀の乱の平定に当たり、この地に陣して天下安泰と戦勝を祈願し、伊豆の三嶋社の分霊を祀ったことに始まると伝える。 持氏は、乱を翌年正月に鎮圧できたことから、祈願成就によって十月十四日に伊豆の本社に「武蔵国比企郡大豆戸郷」を社領として寄進した。 この時の寄進状は三嶋大社に保存されている。 以後、当社は伊豆の三嶋社の神領の鎮守として崇敬されたものであろう。
 『風土記稿』大豆戸村の項に「三嶋社 当村もとは伊豆三嶋の神領にてありし故、勧請せしものと見えたり、慶安二年(1649)社領十二石の御朱印を賜ふ、村内の鎮守にて、毎年九月流鏑馬を興行す、本地薬師の画像を掛く、真光寺持」と記している。 これに見える別当真光寺は真言宗の寺院で、応永元年(1394)の草創と伝える。