惣社神社 滋賀県草津市志那中町 式内論社(近江国栗太郡 意布伎神社)
旧・郷社
現在の祭神 志那津彦命・志那津姫命
本地 釈迦如来

「かみとほとけのかたち: 湖南地方を中心とした神像と本地仏の世界 企画展」

釈迦如来立像 一躯

  草津市 浄運寺
  木造 像高164.6
  平安時代(十二世紀)

 台座框裏に記された元禄十六年(1703)の修理銘により、本像は真光寺旧仏と知られる。 真光寺は志那中村の惣社神社の社僧の住した社坊であった。 別当寺の真光寺は明治五年に廃寺となったという。 惣社神の本地仏である等身の釈迦如来立像は、頭部は耳前を通る線にて前後に矧ぎ、内刳を施している、目には玉眼を入れるが後世の所為であろう。
[中略]
 なお、惣社神社と次に紹介する志那神社、隣接する吉田の三大神社はいずれも風の神を祀り、式内社の栗太八座のなかで論社となっている意布伎神社の比定をめぐって様々な議論がなされている。 この意布伎神を鎮守としていたのが志那にあった大般若寺である。 大般若寺跡は白鳳時代まで遡り、弘仁五年(814)願安によって中興されたという。 惣社神社には「大般若寺御経也」と墨書がある平安写経の大般若経など大般若寺旧蔵の遺品が伝わっている。