神社名 八雲神社
現在の祭神 須佐之男命・稲田姫命・八王子命・佐竹氏の御霊
所在地 神奈川県鎌倉市大町1-11-22
風土記稿の記事

巻之八十七(村里部 鎌倉郡巻之十九)

大町村

○祇園天王社  松殿町にあり、 永保年中新羅三郎義光の勧請にて神体は秘像と云伝ふ、 氏也管領の頃は毎年六月七日公方屋鋪に神楽を奏し奉幣の式あり、 又十四日の祇園会も是と同じ、 築地の上桟敷を構へ舞練物等見物あり、 又応永年中佐竹四郎義秀の霊を祀し社其屋鋪蹟にありしが、後年大破に及しより玆に合祀すと云ふ(其年代詳ならず)、 故に土俗佐竹天王と称す、 按ずるに、義秀は頼朝に属せし人にて時代違へり、 応永の末に其末葉佐竹上総介義顕管領持氏の不審を蒙り討手を引請、 終に比企谷の法華堂(今の妙本寺也)にて自害す、 其霊祟あえいとて一社に祀りし事あり、 是今相殿の旧社にて義秀と云ふは義顕の誤なるべし、 例祭旧に因て六月七日より十四日迄行はる、 本日当村乱橋村の二所に仮屋を設、 前の二村小町村又雪ノ下村の内大蔵町の四所に四座の神輿巡行あるを例とす。 天正十四年六月小田原北條氏より祭礼の時の制札を出せり、 慶長九年三月社領五貫文及山林竹米、守護不入の御朱印を賜ふ、
△神主小坂播磨 吉田家の門人