○志一稲荷社 僧志一の勧請なり、 此僧は筑紫の人にて訴訟の事ありて鎌倉に来り、 既に訟も達しけるに文状を本国に忘置り、 時に平生僧に仕へし狐、一夜のうちに本国に往来して彼状を取来て志一に授け、其儘死せり、 依て稲荷に祀りしと【鎌倉志】に見えたり、 志一鎌倉に来り、左道を以て人を蠱惑し且康安元年上洛せし事【太平記】に記せり、 鶴岡供僧浄国院持