光速=299792458(ms-1)≒秒速30万(Km)とはその名の通り光の進む速さである。
光は電磁波であるから光速とは、電界と磁界の相互作用による実体の無い空間の伸縮=疎密波の伝播速度である。
光速に関するマックスウェルの公式を以下に示す。
c =1/√(ε0・μ0) c:光速、ε0:真空中の誘電率= 8.85×10−12(Fm−1) 、μ0:真空中の誘磁率= 1.26×10−6(Hm−1) |
(1.5) |
ここで単位構成を示すと、
F:ファラド
H:ヘンリー(本報の柔性Hと同じなので注意)
J:ジュール
V:ボルト
A:アンペア
m:メートル
C:コンデンサの静電容量
L:コイルのインダクタンス
F = J /V2 Jをコンデンサに蓄えられる静電エネルギ = 1/2 C・V2 で置き換えると、 F = C/2
H = J /A2 Jをコイルに蓄えられる電磁エネルギ = 1 /2 L・A2で置き換えると、 H = L/2
次に、式(1.5)を特性値C、L、d:単位距離(m)、を用いて表すと、
c =2d /√(C・L) 分母の√(C・L)は時間(s)の単位を持つ。 |
(1.6) |
式(1.6)は、実体の無い電磁波の伝播速度を静電容量C 、及びインダクタンスLで表現したものである。
補足資料の力学と電磁気学の相似則で示したように、静電容量Cは物質の質量m、インダクタンスLは柔性Hと相似なので以下の式が得られる。
c =2d /√(m・H) 分母の√(m・H)は時間(s)の単位を持つ。 |
(1.7) |
式(1.7)は、実体のある空間=物質内の疎密波の伝播速度を質量m 、及び柔性Hで表現したものである。
ここでcase1の総質量=1.0(Kg)、全長d=1.0(m)、光速=299792458(ms-1)を代入して柔性Hを逆算すると、
H=4.451×10−17(mN-1)が得られる。
この値は先述のFig.5で柔性Hを振って近似線から推定した光速に相当する柔性値、
H_opt=3.977×10−17(mN-1)と凡そ近しいオーダーである。
電磁波を利用した電子レンジ゙の例が示すように実体の無い空間でもエネルギ、パワを伝播出来る事が判る。
一方、電線のように実体が有る導体中をパワ=電圧×電流が流れる速さも光速に近しいとされている。 *4
実体の有無と言う違いはあるが、いずれも光速という値を持ったエネルギ、パワの伝播現象と言える。
参考:
既研究ノート、”物質破壊(崩壊)のモデル化” で質量1(Kg)の9種類の金属元素について推定した柔性の値は
0.232~4.402×10−17(mN-1)の範囲にあった。
整理すると、
・光速とは実体の無い空間内を電磁波のパワが疎密波となって伝播する際の速度である。
・光速とは実体の有る空間(物質)に速度を印加した(叩いた)時のパワが疎密波となって伝播する際の速度である。
・導体に電圧を印加して電流が流れるのも同じ仕組みであり、導体の元素の自由電子が移動する訳では無い。[1]
・パワ伝搬速度とは加速器で電子単体を光速近傍まで加速する際の移動速度(ニュートン運動速度)とは異なる。
・パワ伝搬速度とは補足資料に示したフックの法則に於ける変形速度とも異なる。
・物質の運動と変形は切り分ける事が出来ず、一方があれば必ずもう一方も存在する。 *5
・物質の質量mと柔性Hは切り分ける事が出来ず、一方があれば必ずもう一方も存在する。
・これは電磁気学で電場と磁場を切り分ける事が出来ないのと同じである。
・ 299792458(ms-1)なる値は物質の質量mと柔性Hに由来するものと考えられる。
・確定している質量mと言えば各元素に固有の原子量である。
・原子量とは1モル、すなわちアボガドロ数 = 6.022×1023個の原子の総質量である。
・原子の柔性Hは既研究ノート、”物質破壊(崩壊)のモデル化”、及び本報で推定したように、原子量と反比例して対になった値を持つと考えられる。
・パワ伝搬速度の上限=光速が1つであるのは、原子の質量mと柔性Hの積が一定である事に由来する。
・後述するプランクの黒体輻射に於ける光のスペクトル分布の公式が物質の元素に依存せず、温度のみに依存するのも同じ理由と考えられる。
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*4:通称、純銅の導線でも銅以外の不純物=元素の含有量はゼロではないため。
*5:これをあえて切り分けたのがニュートンとフックであり、切り分けなかったのがド・ブロイと言える。すなわち物質は粒子(運動)
と波動(変形)の性質を併せ持つ。