ソウルムービーの作品世界
「霊魂機兵ラゼンカ」
Soul
Frame LAZENCA
- Revival of a Myth -
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(C)Tooniverse
●「騎兵」を「機兵」に変更。(2001.09.17)
●立ち上げ(2001.05.26)
韓国のMBCで1997年に放送されたソウルムービー初のTVシリーズ。
(製作には韓国のケーブルテレビ局「Tooniverse」も関わっている)
本ページはソウルムービーのHPに掲載のデータを基本に構成している。
●作品概要(ソウルムービーHPより)
「ラゼンカ(LAZENCA)」−人類の先祖である「カロアン文明」時代に皇室騎士の霊魂が宿った機械戦士を総称した言葉である。ラー=霊魂、ゼンカ=機械戦士を意味して、霊魂機兵は英雄的な霊魂を持った機械戦士を省略した言葉である。「人間と自然に対する愛」ラゼンカはこのような主題から生命を持つ機械として誕生した。
韓国TVシリーズでは初めて試みのSFファンタジーと言う新鮮なジャンルでアニメファンたちの視線を捕らえた。神話的で、神秘的な要素と科学的な論理が結合して「霊魂のこもったロボット」と言う魅力的なキャラクターが作り出された。霊魂機兵ラゼンカはSFファンタジーというジャンルに対する挑戦の始まりであった。ラゼンカは国内ファンたちにはじめて記憶されるまた一つのアニメである。 |
●ラゼンカの世界設定
ラゼンカの話は22世紀初頭、核戦争と環境汚染により徹底的に廃虚化した地球を舞台とする。少数の残存人類が汚染のより少ない地域で都市国家セトスを建設して人類文明の復元作業に乗り出す。しかし地球の90%にも達する極度の汚染地域は、数千万年間の潜在生命体状態より復活した変態種族「アートマン」によって掌握されていて、人類は彼らの攻撃にさらされている。アートマンを退ける唯一の方法は1000万年前に彼らを駆逐し地球に定住した外界文明カロアンが残した環境変換システム「ジオデカ」を再稼働させることである。人類と生存条件が相反したアートマンは、人類を根絶やしにしてジオデカを破壊するために攻撃をくり広げる。
21世紀初頭、一人の考古学者がカロアン文明の遺跡を発見し、ジオデカを稼働させる鍵である笛「プルルオ」を発掘する。この時、1万7千年前のカロアン大戦で使用された戦闘機械ガイランも共に発掘される。これらは彼の孫であるザラストロに受け継がれ、22世紀初頭にセトスの科学者になった彼は笛とガイランについて、そしてカロアン文明とアートマンについて多くの事実を知ることになる。 笛と交感することが可能な精神エネルギーを持つセトスの姫「リア」、カロアン騎士と同一の遺伝因子型を持ってガイランを操縦する能力を持つ少年「アティン」は、ザラストロから彼らだけがアートマンを退けて人類を救うことができるという事実を知らされる… |
●アートマンとは?
6500万〜1000万年前まで地球環境悪化期に唯一適応し、地球を支配していた種族。二酸化炭素で呼吸し汚染物質で新陳代謝を行い、高い知能と破壊本能を持つ。生存に適合しない環境に遭遇するとシリコン(Si)化合物に変態。カロアンの地球定着と環境転換システムにより変異した地球環境に適応出来ずに生命活動を停止。1万7千年前カロアン大戦(天上界大戦)後、再び登場。物質及び生命体(人間を含む)に浸透してその形態で存在活動することができる能力を獲得(細胞族の登場)。
21世紀の核戦争による激しい環境汚染で再び登場。放射能で物質制御エネルギーを強化され、人類の生存を脅かす。 アートマン(Dtman)
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●環境転換装置「ジオデカ」
カロアンが脱出する際に持ってきた装置。惑星の環境を変換する機能を持つ。カロアンが地球到着した当時、地球は生存に適さない状態だったため、ジオデカにより環境を変換して居住可能とした。ジオデカを稼働させるためには笛「プルルオ」が必要で、笛と交感できる精神エネルギーを持つ者がジオデカを稼働させることができる。 |
●都市国家セトス
21世紀の核戦争以後、地層の激変と氷河の融解により地球は陸地の半分以上が海に沈んだ。極度の環境汚染と浸水を免れるために中央アジア高原地域に集まってきた生存人類が22世紀に建設する。彼らは21世紀の文明遺産のうち破損を免れたものを発掘して使用している。メセティウムを中心として都心が形成されている。
外郭には砂漠地域があり、流浪族が部族村を形成して住んでいる。(アティンはこの村の出身) 規模
種族構成
科学水準
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●ラゼンカ世界年表
6500万年前 | 大規模の隕石群が地球と衝突、地殻変動と気候変化により爬虫類滅亡。生態系再編成。
大気中の二酸化炭素含量が多く、汚染された新しい環境に適応したアートマンが繁栄 |
1000万年前 | 土星−木星間にあった惑星「タラ」の崩壊。タラの高度文明人カロアンが地球に移住、環境変換システム「ジオデカ」稼動。
転換された環境に適応できずアートマン生命活動停止。大部分は死んで一部はシリコン化合物形態で冬眠開始 カロアンが転換させた新しい環境に適応した哺乳類繁栄。人間(ラマピテクス)の進化 |
3万年前 | ジオデカ悪用を防ぐため、プルルオとジオデカを守護する為のラゼンカ(霊魂機兵)を製作、ジオデカ周囲に永久保存。
ホモサピエンス現人類出現。 一部カロアンが月に移住。第2の生活基盤建設。 カロアンが人間の労働力使用開始。 |
1万7千年前 | 地球と月のカロアン分裂、全面戦争(カロアン大戦)。
月文明滅亡、死の衛星で地球側も甚だしい打撃を受ける(戦争遂行のための騎士ロボット「ラゼンカ」活躍) 大戦に起因する深刻な環境汚染の結果、残存アートマン生命活動再開。かろうじて生存した月側カロアンがアートマンの力を利用しようとし、アートマンに物質制御能力付与。 汚染された環境の中、地球がアートマンの支配下に陥りかけた瞬間、地球の残存カロアンの手によってジオデカ2次稼動。アートマン再びシリコン化合物形態で潜伏。 月側カロアンを完全に掃討した少数の地球側カロアンが、知能を持ち始めた人類と共に連合文明建設。 |
1万年前 | 全地球的な大洪水で連合文明破壊され、地球文明再改編
カロアンと人類の連合文明は、以後生きながらえた人類が建設した多数の文明圏成立基盤となる。人類文明発達。 |
21世紀 | 全面核戦争。激しい環境汚染の中、アートマン再登場。放射能によって以前より強力な力を獲得。人類の生存を脅かし始める。 |
22世紀初頭 | 残存人類が相対的に汚染の少ない場所に都市国家(セトスなど)建設。
人類に対するアートマンの全面攻撃。 |
AD2116年、都市国家セトスにアートマン機械兵器達の大規模攻撃が始まる。セトス全域には非常警戒がかかり、全ての兵力はセトス外郭で行なわれているアートマンとの戦闘に投入される。モノスターはこの機に乗じて反乱を起こしてセトスの中心基地である「メセティウム」を占領、女王イジスを監禁する。リア姫はザラストロの助けを受けてメセティウム脱出を試みる。この時、ザラストロが保管していたカロアン皇室の笛「プルルオ」がリアに渡される。リアはメセティウムを脱出する途中、謎の少年アティンと出会う。ピタの追撃から免れた二人はアティンの村にたどり着くが村は壊滅状態、さらにアートマンの攻撃を受けるが笛プルルオの助けで退ける。二人はロビーナ一行と遭遇し、彼女のアジトで再会したアティンの育て親ペレスからアティンの父がアートマンと戦った戦士であったことを聞く。
その後アティンは自分の生体エネルギーによってのみ動くラゼンカ−ガイランを操縦することになり、ガイランを研究するザラストロがアートマンの正体を教えてくれる。一方、モノスターの反乱は失敗し、逃走途中アートマンに憑依されてしまう。アートマンと合体して強大なパワーを得、月側カロアン戦士ルドラを復活させるモノスター。ルドラは復活の際にリアが落としたプルルオを手に入れ、その影響でルタとミルシンはガイランを攻撃する。負傷を負ったアティンは変異種族に助けられ、ジオデカに向かう。 ガイランはゼンタとジオデカ上空で大激戦を繰り広げる。ルタ・ミルシンの助けでゼンタを倒すガイラン。破壊された破片の中から表れるプルルオ。ルドラが破れるとモノスターは逃走、ジオデカを破壊するためミサイルを発射するもピタに倒される。ミサイルは変異種族が持ってきた攻撃衛星のコントローラのおかげで撃墜される。 アティンとリアは手を取り合ってジオデカの中へ、リアは精神エネルギーでプルルオと結合し、ジオデカを稼働させる。地球環境は浄化されて大部分のアートマンは再び潜在生命体状態になり消滅する。 |
メカデザインはレストルでもおなじみの周永三氏が担当。
アートマンの機械兵士のデザインは、氏が尊敬する小林誠氏の影響も伺える。
ガイラン(GAIRUN)−ラゼンカ1
※発音は「ガイラン」と「カイルン」の中間くらい。
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カロアン文明の分裂と戦争の中で作り出された戦闘用ソウルフレーム(Soul
Frame)。
特殊な遺伝子型を持ったカロアン帝国の皇室騎士だけが操縦可能。 ●仕様 全高(HEIGHT):19.20m
装備(ARMAMENTS)
エネルギー源
エンジン
出力:76,000KW
材質
操縱システム
文様
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ルタ(RUTA)−ラゼンカ2
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環境変換装置ジオデカを守るためにカロアンの文明が作った戦闘用ロボットで、自我を持つ。22世紀に復活したアートマンの攻撃で目覚める覚める。
カロアン第3帝国の象徴であった野獣形態に変形する。 ●仕様 全高(HEIGHT)
重量(WEIGHT):54.21t 装備(ARMAMENTS)
出力:106,00kW エネルギー源:超自然−測定不可 速度:マッハ 5
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ミルシン(MIRUSIN)−ラゼンカ3
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ジオデカを守るために作り出された戦闘用ロボット。
ルタと同様、完全な自我を持ち、自ら動いてカロアン第5帝国の象徴であった飛鳥形態に変身する。 ●仕様 全高(HEIGHT)
重量(WEIGHT):57.75t 装備(ARMAMENTS)
エネルギー源:超自然−測定不可 飛行速度:マッハ 3.5
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ゼンタ
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1万7千年前、月側カロアンを率いてアートマンになったルドラが操縦していたロボット。ルドラの復活と同時に再生する。ガイランの2倍に相当する強力なパワーを持つ。 |
アティン
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荒廃した地球環境で成長した反抗的で荒っぽい性格を持った少年。カロアン文明の皇室騎士と同一の遺伝子型を持っていてガイランを操縦することができる。
折り畳み式のブーメランを使う。 ラー(Re)
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リア
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セトス帝国女王イジスの娘(皇女)。
「プルルオ」と言う笛と交感して環境変換装置ジオデカを稼働させるのに必要な精神的エネルギーを提供する。 はつらつとした性格。
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イジス
NO PHOTO | 気品があり合理的な思考をするセトスの統治者。21世紀末、一部生存した人類を率いて文明の残痕を開発してセトスを建設したマコス大帝の娘で、アートマンたちの侵攻が本格的に始まる頃、女王に即位する。夫がアートマンとの戦闘中に戦死した後、アートマンの正体をザラストロから聞かされ、彼の「プルルオ」と「ラゼンカ」の研究を積極的に後援する。
イシス(Isis)
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ザラストロ
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女王直属の秘密研究所でガイランを研究する科学者。
カロアン文明の歴史とアートマンの正体、ジオデカの位置を知っている。 ザラストロ
ツアラトストラ(Zarathustra)
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ロビーナ
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予測不可能な性格の持ち主。多少利己的であるが情に弱い。キロというペットを飼っている。 |
ゲーノ
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ロビーナの手下。機械修理が得意。
パパゲーノ
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ペソ、アロン、ミル(左から)
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ロビーナに従う3人組。ギャグメーカーである。 |
マラ
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1万7千年前にカロアン大戦でガイランを操縦したカロアン帝国の皇室騎士。肉体を失った後、霊魂状態で変異種族が神としてあがめる像の中で自分の後をついでガイランの主人となる騎士を待っている。 |
モノスター
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セトス反乱軍の指導者。秘密基地まで作って反乱を試みるが失敗する。アートマンに感染された後、強大なパワーを得る。
モノスタトス
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ピタ
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モノスターの忠実な部下で、反乱に主導的に参与する。
モノスターがアートマンに感染するのを目撃して心境に変化を起こす。 |
ルドラ
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1万7千年前、カロアン大戦で月側カロアンを率いた戦士。22世紀にアートマンと共に復活して、人類を脅かす。 |
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大戦の始まり |
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復活する神話 |
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希望を探して |
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目覚める伝説 |
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反乱の最後 |
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失われた歴史 |
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モノスターの逆襲 |
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影騎士 |
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死の地で |
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ルドラの復活 |
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地下都市で |
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祈り機械 |
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ジオデカの大激戦 |
分類:TVアニメ
ジャンル:ファンタジーロボットアクション
構成:30分 全13話
放映:1997年 MBC
●発音について
今まで日本で紹介された際「ラジェンカ」と表記されること多かったようだが、「ラゼンカ」が正しい。ハングルの発音体系には「ザ行(英語なら"z")」が無く、当て字の発音を日本人が聞くと「ラジェンカ」と聞こえるようである。英語表記は"LAZENCA"。
−ラゼンカの語源− LA=ラー<Re>
ZEN=ゼン<禅>
CA=カー
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●製作の舞台裏
ラゼンカは、「魔笛」をモチーフとしたファンタジー物として企画されたが、製作する際にスポンサーより「玩具を販売する為にロボットを登場させて欲しい」という要求があり、ロボットが登場することになった。
また、短い話数に壮大な設定&物語を盛り込もうとしたために、不満の残る出来になったようだ。 魔笛(原題:Die Zauberflote)
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●ラゼンカに関する考察
本作は、TVシリーズ第1作という事もあり、シリーズや各話の構成に難が
ある。また、海外物の下請けを手がけているせいか、日本風キャラクターとア
メリカ風キャラクタが混在している。
日本風:アティン、リア等
アメリカ風:ザラストロ、ロビーナ等
また、ロボットアニメでありながら、ロボットの見せ場が不足している。
元々はロボットが出てこない予定の作品だったのであろうが、もっと考えてほ
しいところである。
5話:アティンがガイランと出会う
7、8話:モノスターが自らの身体に機械を集めて巨大ロボットとなる
7話〜:ルタ、ミルシン登場
11話〜:ゼンタ登場
●韓国アニメとマーチャンタイジング
日本と異なり、韓国アニメはマーチャンタイジングがかなり弱い。
さすがに日本のアニメや特撮作品のように、商品化スケジュールとがっぷり四
つに組んだ状況は辟易することもあるのだが、韓国作品の場合はあまりにも弱
すぎてもどかしくなってしまう。この点に関してはまだまだノウハウ不足とも
言えるのだろうが、韓国もTVシリーズを手がけて10年以上経過し、日本と
いう見本もあるので、そろそろマーチャンタイジングを効果的に利用した作品
が現れても良い頃ではないだろうか?
原因:玩具メーカーの設計ノウハウ不足
アニメ製作会社のシリーズ構成力不足
資金の問題
●玩具
韓国でタカラ系の玩具を発売しているソノコントイが製作。
ガイラン・ルタ・ミルシン共、全高40cmの巨大な玩具が発売。
ガイランのみ20cmサイズのものもあり。
原型が模型雑誌「HOBBIST」で紹介された。
●音楽
ロックグループ「NEXT」が主題歌を担当している。
CDアルバムが発売され、現在でも入手可能。
タイトル:Lazenca, A Space Rock Opera
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Mars, The Bringer Of War |
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Lazenca, save us |
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The Power |
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遠い後日いつか(エンディング) |
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年から少年に(オープニング)※ |
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A Poem of Stars |
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遠い後日いつか |
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The Hero |
●ゲーム
・PCゲーム 最近はメッセサンオーでも入手可能
・ボードゲーム
●ビデオ
レンタル向けに全7巻が発売。(現在は入手困難)
パッケージデザインは全て同じだが、全7巻を並べると背表紙が一つの絵になる。
●その他
メンコのようなもの