さあ,いよいよ一番のウデの見せ所とも言えるナット加工です。自分のベースなら気に入らなければいくらでもやり直しがきくのでテキトーにヤスリでゴリゴリ削って「いっちょあがり〜」ってなトコですが,今回は人さまの大切な預かり物。専用工具を使い,恥ずかしくない作品にしたつもりです。
まずはナットの外形を加工します。市販の加工済ナット材はたとえテレキャスター用と謳ってあっても微妙に寸法や形状が異なるため,そのまま取り付けられないことが多いものです。まずは全体の形状をヤスリで整え,ネックのナット溝にピッタリはまるように加工していきます。 |
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形状がほぼ整ったら今回のメイン作業である弦溝切りです。もともと弦溝まで切られたナットも市販されていますが,なかなかうまく弦幅や弦高がフィットしないことが多いので私はたいていの場合溝切りまで手作業でやっています。まずはナットを実際にネックに取り付け,弦溝の位置を正確にマーキングします。写真は各種ギター&ベースの弦溝幅が記された専用のスケールです。 |
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続いて弦溝の深さを決めます。一般的に弦溝の深さはフレットの高さを基準に決めます。フレットの高さは1フレットと2フレットの間にスケールを渡し,指板との間にフィーラーゲージを差し込んで測定します。フィーラーゲージは,様々な厚さの金属板がセットになったもので,複数枚を重ねることで様々な厚さを精密に測定できます。車いじりが好きな方は同様の工具を点火プラグの間隙測定に使用してますよね。 |