オールマイティなピックアップセレクタ(後編)
Gibson・Ripperベース。2ピックアップのシンプルなレイアウトながらロータリースイッチにより4種類のピックアップ配線が選べるという画期的なベースです。しかしなぜ4種類だけなのか?そこで今回はオーナー様のご要望にお応えしてすべてのピックアップワイアリングをセレクトできるよう改造に踏み切りました。
Last Update:
08.Oct.2001
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ピックガードに6ポジションの新ロータリースイッチを取付け,配線をしていきます。さすがにロータリースイッチ回りはかなり入り込んだ配線になりますが,ムリな力がかかって断線したりすることがないよう配線の長さにも充分注意して結線していきます。もちろんハンダ付けは美しく確実に!
せっかくキャビティには導電塗料を塗ってあるのでこちらへのアース配線も木ネジで確実に接続。あとはピックガードを元に戻し,弦を張って最終調整すれば完成です。
ところが,試奏の段階になってトラブルが発生!フロントピックアップの音が時々途切れるのです。オーナーからも言われていた直しても直しても再発するセレクタスイッチの故障はもしかするとスイッチの故障ではない可能性が出てきました。
とことん調査した結果,ついに原因を究明!なんと,フロントピックアップのホット側のコイル配線が断線していたのです。
しかし,この修理は一番苦労させられました。なにしろご覧のとおり,接続する相手は髪の毛より細いエナメル線。ハンダで過熱しすぎると簡単に炭化してもろけてしまうんですねぇ(^_^;;。しかも相手は比較的太いリード線ですから,せっかくつながってもちょっと変な力が加わるとまた断線する始末。
そこで,瞬間接着剤でエナメル線とリード線の双方をコイルに固定し,先端どうしだけを接触させて瞬時にハンダ付け。ぜひお見せしたい作業だったのですが 写真撮影も忘れてしまうほどの精神集中(苦笑)。
いくらコストダウンとはいえこの接続方法はあんまりじゃありませんか,ギブソンさん!

そうそう忘れてましたけど,最終的にピックアップセレクタの各ポジションは下記のようになりました。

ポジション1=Fのみ
ポジション2=Rのみ
ポジション3=F+Rパラレル接続
ポジション4=F+Rフェーズリバースパラレル接続
ポジション5=F+R直列接続
ポジション6= F+Rフェーズリバース直列接続

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