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伊豆半島の印象


あちこちに露出する岩肌(天辺のあたりに草木が芽生え始めている)

とにかく巨大な岩山といった印象。

その岩山が長年月を経て徐々に風化して山頂のあたりに土ができ、 草木を育む土壌が形成される。 そして、更に長年月を経て森林が誕生する。 海に面した断崖絶壁には日夜、太平洋からの荒波が打ち寄せ、浸食されたところが波穏やかな入り江海岸となる。

ある日、難破船の乗組員が、人を寄せつけなかった巨大な岩山の入り江付近に たまたま漂着する。 外部との交通手段はないが豊富な水産資源は魅力的だったに違いない。 開墾すれば農業もできないことはないと判断したかも知れない。 風光明媚で晴れた日に西岸から富士山が見える。 「よし、ここに家族を呼び寄せよう。」と思ったのではあるまいか。 修理を終えた船で、彼等は、荒波をついて家族を迎えに行く。 半島での自給自足の生活が始る。

そのうちに生活道路ができ、トンネルさえもができた。 明治以降の土木技術、トンネル掘削技術の発達はめざましいものがあった。 内陸交通手段の確立は大勢の人の半島移住を可能にした。

しかし、いまでも、いぜんとして自給自足の生活をしている人が少なくない。 学校も中学までで、高校以上に進みたければ 下宿して行く以外にないところも多いと言う。 伊豆半島はまだ発展途上にある。

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