2010年1月

  絶対領域の気持ち
  失笑感
  撃沈!当たり屋シップ
  堅い決意


■2010.0129(金)
●オレメモ
 ワークドライブを新調した。日立のこれ。きょうまで一年半ほど使っていたのがWDのこっち。機能や容量に問題があったわけではない。停電事故がらみで疵がちょっと入ってしまっちゃって、まあ普通に使えはするんだが、なんか気分が良くないので換えちゃったのでした。
 ほぼ同等品なのだが、違いが一点だけ。500GBプラッタって部品が使われてるということだ。中身のすべてが一枚の円盤に収まってるという仕組みで、密度が濃いぶん読み書きが速いらしい。古いほうは二枚だったか三枚だったか。手に持ち比べてみると明らかに新しいほうが軽く、薄い。
 最近爆安の日立2TBはちと発熱が厳しいので、この新日立もちょっと不安だった。しかし円盤の枚数の違いが決定的に影響しているらしく、機材の温度がまるで違う。同じ時間同じエアフローで回しても、熱つぎみの2TBはおろか前のWDに比べてすら7〜10℃ばかりも低い。うんこれで暑い夏も戦える。いい買い物しました。

●バーナンキFRB議長が再任
 というニュースを見てこんな話を思い付いた。バーナンキFRB議長が突如発狂し、ヘリコプターで札ビラをばら撒きはじめるのだ。そして叫ぶ。

「どれだけ巨額であろうとも、国債はすべてこのベン・バーナンキが買うぞ! ハイリハイリフレハイリホー!」

 絵の迫力で魅せたい話なのでオレの商売みたいなゲームにはならない。小説でもない。ここはどうあってもコテコテの劇画でなければならない。舞い散る劇画調札束に周囲は驚き、劇画調にこう叫ぶ。

「狂ったか、ベン?!」

 その叫びがそのまま作品タイトルだ。『狂ったか、ベン』。作画・ダーティ松本。


■2010.0122(金)
●手遊び的整頓
 忙しく仕事中。ドラゴンスピーチを使って起稿作業していると、作業机のまわりがどんどんきれいに整頓されていく。手遊び的に無意識のまま片づけてしまうからだ。
 これは実に素敵な現象だ。これをもっとこう何か、世界平和のために役立てられないものかしら。たとえば内戦下にある国の方々のご無事を祈って千羽鶴を折るとか。んー、迷惑かな、千羽鶴とかもらっても。内戦下にある方々が。

●千羽鶴
 千羽鶴といえば。ついこないだ知ったんだが、あれってのはお金で買えるらしい。残りの10羽を自分で折り足す990羽セットとか、初手から1000羽のコンプリートセットとか。なんだかナァって思わないではないけれど、でも気は心です、そんな出来合いのでも真心さえ込めれば、ええと、まあそれなりに。
 古くなった千羽鶴ほど始末に困るものはない、と何かで読んだ憶えがある。あんな形だから場所も塞ぐし、ほこりをたっぷり呑んでしまうし。捨てたり燃やしたりしたらバチが当たりそうだし。お寺や神社に持ってってお焚き上げ的な処分をせざるをえない無言の迫力が、千羽鶴というものにはある。

 あっそうだ、いいこと思い付いたぞ。前述の出来合いセットは「邪魔にならず始末にも困りません」を売りにすればいいのだ。ご不要の際はそこらにお捨てください、生物由来の素材を使っていますので土に還り自然を汚しません、的な。いっそ「真心や気持ちのたぐいはいっさい含まれておりませんので安心してご処分いただけます」ぐらいまで明記しておく。
 もっといいこと思い付いたぞ。そういう消極的な長所じゃなくて、そのものを有用なマテリアルで作ればいいのだ。たとえばイモガラ由来の食べられる紙なんかで折って飢饉の土地に送る。たとえば高カロリー紙で折って災害被災地で送り、順次むしって燃やし暖を取ってもらう。
 んーんん、それぐらいだったら普通に食糧と燃料を送るか。無意識の手遊びを平和利用することの難しさを改めて思い知らされます。


■2010.0120(水)
●絶対♡領域の気♡持♡ち♥
 こなだからケツに痛みが走っていた。それも決まってトイレでしゃがんで落ち着いた直後にだ。立ち上がろうとするとケツの、ええと、こないだ覚えた専門用語でいうと「絶対領域」のあたりにチクリと痛痒が走る。しかも両尻にだ。ときとして痒とはいえない程度に痛。
 筋肉の病気とか老化なのかもしれない。文章屋にありがちなライフスタイルで、運動なんかほとんどしてないものな。だがこの痛痒感、筋肉が震源というにはどうも違和感がある。皮膚の表面からチクリとくるのだ。便座にササクレでも立ってるのかしらんと思って座面をしげしげ眺めてみたが、別に何ら変わったところ無し。ということは皮膚病系か? でも手で触るかぎり、ごく健常な尻〜腿なんだよな、オレの絶対領域は。発生するのが便座に座ったときだけってのも不可思議だ。

 そんな不安にさいなまれることふた月ほど。本日ついにその理由が判明しました。なんと、便座の座面にひびが入っているじゃないですか。腰を下ろすと尻の重みでたわんで裂口を開け、腰を上げるとたわみが戻って割れ目が閉じる。その際にケツの肉を咬みにきていたと。隙間がぴったり閉じるから、腰を上げた状態で検分してもなかなか発見できないと。なるほどなるほど。わかってみればなんということはない、単純にして巧妙な罠であります。不思議な気持ちにとらわれましたぞ。ある種の感慨、手塚治虫『ブラックジャック』を読んでるような感銘に。

 さて感銘は感銘として。対処はどうしよう。樹脂製の便座を丸ごと取り換えればいいんだが、便器の陶器部分にガッチリ埋設されていて、そう簡単に換装できそうにない。
 今のところ不具合は素尻を咬まれることだけだから、便座カバーを掛ければ気にならなくなるだろう。でもオレは、あれに生理的な抵抗感を持っているのだ。ウンコ水が跳ね上がる場所に布のカバーを掛けるのかよっ!みたいな。
 まあいい。原因がわかった以上、特段に忌避するほどの現象ではない。とりあえず当座は便座に尻の肉を咬まっぱなしにしておくものとする。それとアレだ、タイトル倒れな内容でどーもスイマセン。

■2010.0117(日)
●けうかいをけひかい
 すぐ近所に教会がオープンした。きょう落慶らしい。ほんとに目と鼻の先の立地で、以前は土建屋、何年か前にはいきなりキャバクラになってすぐツブれた建物だ。って、教会の開店を「落慶」っていっちゃまずいのかな? しかも居抜だものな。
 もしや幼女レイプなんかをやるカルト教会では?と不安を感じて調べてみたが、そんな心配はなさそうだ。少なくともウェブ上の情報で判断するかぎりは。って、宗教施設をこんなに疑わねばならないのは、オレの心に邪念が宿っているからだけじゃないぞ。
 調べててちょっと不思議に思ったんだが、教会の運営経費ってどこから捻出されるのだろう。信者さんたちが持ち寄るのかな。本日オープンのこの教会は、宣教師氏の住居も兼ねてるらしく、四階+屋上ペントハウスのけっこうな建物を丸ごと占めている。購入にせよ賃貸にせよ少なからぬコストがかかるはずだ。信者の持ち寄りでそれが賄いきれるのだろうか? それとも世界本部から送金を受けているのだろうか?

「日本はキリスト教宣教師がどうにも手を出しあぐねている唯一の国」という話をどこかで読んだ。にこにこ受け入れてくれるし、誘ったら日曜礼拝にも出てくるし、説教もふんふんって聴いてくれるけど、でも信者にはならないのだと。
 こんな話も読んだことがある。こっちは江戸期に関する資料でだ。
「江戸の町人は自分の信仰の対象が何であるかを詳しくは知らない。最寄の寺にお参りし、手近な神社に参拝し、近所の祠にお供えはするが」
「江戸も時代が下がるにつれ、信仰の中身各論などはもうどうでもよくなって、ただ信仰を通じて己れの心を磨く『心学』とでもいうべき修養に変貌していった」

 このあたり、宗教心堅固な外人さんの目からだとたぶん、日本=堕落した悪魔の国、日本人=民族の信仰を持たぬ劣等人種に見えたでしょう。現に今日でも、そういう教是のままに来日なさるおカルトさんたちがいらっしゃるのだ。日本はイブの国だからアダムの俺らが種付けしちゃえーみたいな。重ねて言うが、宗教施設の新オープンに過敏になっちゃうのはオレの心に邪念が宿っているからだけじゃないぞ。

■2010.0114(木)
●魚塚
 そんなウォッカばっかり飲んでると糖尿病になるよ。糖尿だよ、ウォッカさん――
 これはオレの得意とする地口で、2chでウォッカスレを見つけるたびに書き込むようにしている。

 今やってる仕事にもそれを使おうとしてふと思ったんだが、この酒の表記って「ウォッカ」でいいんだっけ? ウォッカだと舌足らずだったんじゃなかったっけ? 詳しく調べてみると、といってもウィキペディアを見ただけなんだが、「ヴォトカ」「ウォトカ」「ウォツカ」あたりが正調らしい。なるほどなるほど。オレはヴの字はなるべく使わないようにしてるので、今後は「ウォツカ」に標記統一しよう。糖尿だよの地口はもう使えないよ、おっ母さん。

 ウィキペディアのウォツカのページに、「ウォツカを割って飲むやつはロシア人的にチキン」との記事があった。あんなキツめの酒が割らずに喉を通るのかしら。ええと、たしかキリキリに冷やすんだよな、イワンおじさんたちは。氷に埋めとくーみたいな話を読んだ気がする。
 ちょいと買ってきて試してみると、へー本当だ、美味しい。氷点下ウォツカ。水のように喉を通ります。金属のマグに注ぐとたちまち結露結氷し、キッチンシンクの地肌にへばり付くのがいとおかし。確かにこの氷点下状態ならいくらでも飲めそうだ。ジョッキの一気のみだっていけそう。エタノールが無味無臭だという事実を再確認させられた由。

■2010.0113(水)
●強風で被害相次ぐ
 きょうはとても風が強かった。そんな日に洗濯物を、しかもバスタオルをたくさん干しといたのがまずかったんでしょうねえ、物干しハンガーがへし折れてしまったのですよ。ええ、真っ二つに。風の力を甘く見てたのですよ。つうか洗濯物が千々に飛ばされていかなかっただけでも不幸中の幸いと申せましょうよ。
 どうも洗濯物ハンガー運に恵まれていない。サイズが合わなかったり、洗濯バサミの力が弱かったり、今回のように修理不能な状態に破損してしまったり。どこかに理想的ハンガーは売られていないものか。金属製で絶対に壊れないようなやつが。

 洗濯物といえば。ちょっと釈然としない話がある。ずっと昔、オレは「洗濯物を干すかご」というのをどっかで見た憶えがあるのだ。ちょうど鳥かご的な大きさとサイズの、金属製のかご。ここにぶちこんで軒先に吊るしとけば、どんな暴風下でも飛ばされることなく洗濯物が乾くであろう、という品物。
 わりと前、そいつが欲しくてあちこち店を探してみたのだが、どこにも売ってない。つうかネット通販ですら探し当たらないのは不思議です。当節は何でもかんでもネット通販あるものな。
 となると、オレが知っているアレはいったい何なのだろう? どこで見聞きしたんだっけ? その記憶の出処と由来がとんと思い出せないのだ。なんかこう、アブダクションみたいな。宇宙人に拉致され偽りの記憶をインプラントされたのでは、みたいな。

●欧米では洗濯物の外干しは禁止
 洗濯物といえば・その2。物知らずなオレがこないだ初めて知ったことシリーズ。
 欧米って、洗濯物の外干しが罰金レベルで禁止されていたのか。へええー、知らんかった。そういえば見ないもんな、あちらの映画とかで。家の前に物干台がありバスタオルが風にたなびいているさまなどは。イメージとして思い当るのは、高いビルの狭い路地に差し渡した紐に干してある、貧乏くさくも風情ある情景だけだ。イタリア映画的です。この図が貧民窟を連想させるから外干しは法律で禁止なんですって。ふーん、それで石油ぼんぼん燃やして乾燥機ごんごん回してりゃ世話ねえヤ、みたいな。


■2010.0111(月)
●消音服
 音声認識用に使ってるヘッドセット。これの音がいつの間にかひとりでに消えてしまう。おかしいなー壊れたのかなー、けっこういいヘッドセットなんだけどなー。
 などと思っていたところ、別のところに原因があったことが判明しました。冬服のゴジゴジした表面に音量調節ダイヤルがこすれて、自然と音量が下がってしまうのです。なるほどこういうことだったのか、ワナハマリ署捜査一係だ。←パワーおやじギャグ。

●イヤラシイ話
 ついでにヘッドホンの話をしておこう。

 この歳になるまでオレは、オレがこんなイヤラシイことを書く人間になるだなんて思ってもいなかった。だが人生というのはわからないものだ。オレは今から、ついこないだまで想像もしていなかったようなイヤラシイ話をここに書く。

 1500円のヘッドホン。オーディオへのこだわりとかいっこもないので、一番安いのでいいやって思って買ったヤツ。
 これの音質にど〜〜しても我慢がいかなくなって、新しいのを買ってしまったのです。新しいのはなんと大枚3500両(←スタンダードおやじギャグ)もしてしまうヘッドホンで、しかもそれはネット通販店の特売価格ゆえ、手近な店で買ったらもう千円二千円は高くありましょうか。
 いやいやいやいや、実感しましたネ。モノの値段にはそれなりの理由があるのだと。3500円のヘッドホンは1500円のヤツの確かに二倍ちょっとは音が良いのです。低音の重厚感も高音のヌケも申し分なく、不完全燃焼感もイッパツで吹き飛びました。1500円ので満足してた過去の自分がバカに思えてなりませぬわい。うはは。

 ――って、ああイヤラシイ。これでドンシャリ感満載とか音に遠近が乏しく平板とか言い出したらオレもお終いだ。このままだとどんどんオーディオマニアが昂じてって、スタックスじゃなきゃヘッドホンにあらず(笑)とかお前オーディオテクニカなんか使ってんのかよ(失笑)だとか、そんなイヤラシイ自慢話をここに書きだしたりするかもしれない。ああ、イヤダ。オレはそんな人間になりたくない。誰かタスケテー。

 もちょっと書きます。3500万両もの大枚をはたいたんだから、もちょっと余韻を味わいたくてねえ、へっへへへ。
 いえね、1500円のがダメに感じた理由はわかってるんです。その前にコードを千切ってダメにしてしまった古いやつは、確かやっぱり3500円くらいで買ったものだったんです。それを10年ばかり使って「エージング」ってのをたっぷり効かせたあとだから、それに馴れた耳には確かに、買ってきたばかりの1500円だと音が違って聴こえるのです。ま、1500円のには1500円のの良さがあるんですけどネ。って、あ゛〜〜我ながらイヤラシイ言いぐさですこと。「コイツ、たかだか3500円のヘッドホンでよう」という失笑感を感じていただければ幸いです。

●音声認識作業用
 ついでに音声認識用のヘッドセットも新調。冬服だと勝手に音が下がっちゃうのはこれです。オレが買ったときは1300円ほど。オーバーヘッドの半密閉型だ。密閉型のが欲しかったんだけど、ぐんと高くなっちゃって手が出ない。半密閉だと眼鏡のつるが耳朶に押し付けられて痛くなるからイヤなのです。でも着けてみると、これならまあいいやと思わせるソフトな装着感。うんこれならまあいいや。ちなみにマイク部分の性能は申し分なし。

 わりと短期間のうちにヘッドホンを三つ買うことになったわけだが、当たり前のように3500円>1500円>1300円の順で音質がよろしい。
 だいぶん以前「スタックス」という、とてつもなく高価なヘッドホンをかぶらせてもらったことがある。ぜんぜん違うでショって聞かれて、ええぜんぜん違いマスネって答えた。でも実を言うと、3500円のに馴れ切ったオレの耳には正直、どう音が違うのかぜんぜんわからなかったのだ。これが上位互換性というものなのだな。でもオレは下位でいいや。3500円で買ったこのヘッドホンはたぶん3500円の音しか出してないんだけど、それでぜんぜん悪くないと思う。って、こういう悟りのふりしたひがみが一番イヤラシイのだけれどな。我ながら失笑感満載ですわい。


■2010.0110(日)
●買出し
 お友達が、ちょっとした機材の受け渡しのため自動車でいらしたので、ついでに多少離れた店まで買出しの送迎をお願いする。直線距離にして約8キロ。買い物含みで往復1時間ちょっと。電車の手持ちで往復はしたくない量を買えました。ありがとうございますです。

●呼鈴の電池
 上述の来客時、呼鈴の音が聞こえないトラブルがあった。カチカチ連打してみるが、何度かに一度しかチャイムが鳴らない。いつの間にか電池が切れていたらしい。なるほど、こないだからその兆候はあったのだ。宅配便を受け取りそこねたりして。前回換装したのはいつだっけ。
 蓋を外してみた。単2のマンガン乾電池×4本。裏面に11-2006と刻印してある。これは製造年月日なのかしら。いや、2006年といったらついこないだで、そんな短期間で単2電池4本を消費してしまうほどオレんちのチャイムは仕事をしていないはずだ。これは賞味期限に違いない。2006年11月までに使い切らないと液漏れしても知りませんよという。
 新しい電池を買ってきた。今度はアルカリ乾電池。単2×4=300円。案の定「使用推奨期限」と書いてあって、こっちは12-2014だそうな。なるほど、5年保証ですか。仮にマンガン乾電池のほうも賞味期限が同じだとすると、前に換えたのは2002年あたり、78年ばかり使ったことになる。
 アルカリは使いでが5割増しになるとして、次に電池を換えるのは10年ばかり先だ。そのとき単2電池4本はおいくらですか? つうかまだここに住んでますか、10年ぐらい先のオレよ。


■2010.0108(金)
●カフェインブート中
 忙しさ佳境につき、カフェインブート中。何も考えず、錠剤のもたらす高揚のままひたすらドラゴンスピーチに向かってしゃべりまくる。結果どんなものが出来てくるかは神の味噌汁。←おやじギャグ。

●パワーおやじギャグ
 以前この日記で「パワー駄じゃれ」なるスタイルを提唱したことがある。って、スタイルを提唱なんつう上等なのじゃなく単に思い付きを垂れ流しただけなんですが。
 めっきりオッサンなので、最近は「パワーおやじギャグ」を追及している。「裏山がうらやましい(意味不明)」だとか「その罪棒々鶏に価する(なにそれ)」だとか、「塩素を借る気?「酸素なんかおきしじぇん「炭素をかぁぼん(三連続で言うのが要諦)」だとか、そういう意味が通らないフレーズをごりごりと力押しして聴衆の人心を不安にさせる芸風だ。

 この手の出処不明の発想は、思い付くたびこまめにメモするようにしている。実際に何かのネタになることが多いのだ。で、いざ使う段になって念のためネット検索してみると、こんなバカねた絶対誰も使ってないだろってネタが意外と既出だったりする。たとえばテニスプレイヤーに好評の定食「ウィンブル丼」。たとえば南洋出身の文豪「武者小路バヌアツ」。バヌアツのほうなんかけっこうメジャーなひとが使ってるじゃないですか。中でも死ぬほど悔しかった既出は『銀河帝国の弘法大師』。ちくしょうオレが考えていたまんまのネタだ。くやしい悔しい。
 おっさん的思考ルーチンを持つひとは存外に多いらしい。まあ考えてみれば世の男性はたいがいオッサンになるわけで。女性にだってオッサン女になるひとがいらっしゃるわけで。


■2010.0107(木)
●ワナビーの夢
 学生時代のことをときどき夢に見る。それも決まって同じ夢だ。きょうも見た。

 オレは大学生。何回生かは特定できない。そしてオレは、必ず履修しなければならない何コマもの授業に、年度が変わって以来まったく出席していない。というか年度前からその状態らしく、何の授業がどの教室でいつ行われるのかすらわからなくなってしまっている。調べるのも面倒くさいものだから、さらにわからなくなる悪循環が続いている……

 深層心理がどうしたこうした、夢判断がどうのこうのって言い出すまでもない、実に弱気な、実にふがいない、実に情けなく恥ずかしい夢見だと思う。オレの深層心理を板の間に正座させて説教してやりたい。
 理系学部卒の友達に聞いたら、実験結果が出ず単位が取得できない夢を何度も見ると言ってた。それも仕事が忙しいときに限ってだそうだ。この人はいま設計の仕事をしている。似たような夢でも実験設備に向き合っているだけ、オレなんかの潜在意識とはステージが違うと申せましょう。

 こういうふがいなさって、確か「ワナビー」とか言うんだよな、どっかのスラングで。本気になればオレはもっと大きなことができるー的な。あ゛ーもう、くそ情けねえ。自分の仕事しろよ、オレ。

 以上、公開羞恥プレイ。日記に書くことで、自分を激しく戒めるものなり。

■2010.0106(水)
●激動の一日
 きょうは激動の一日でした。特に午後からはニュースサイト回りっぱなしで仕事にならなかった。将軍さまに任意で呼び出しがかかったり、当たり屋シップが沈没したり、ガンスさんが代打に立ったりと。木城ゆきと『銃夢LO』的言い回しをするならば「カルマの大潮流が渦動をなして一点に収斂しつつある」といったところですか。

●嘘屋農園の冬
 当たり屋で思い出した。
 今シーズンはなぜだか「アタリヤの種」ブランドの葉だいこんが手に入らなかった。どこにも売ってないのです。偶然なのか、それとも原産国(イタリア)に何か問題でも生じたのか。
 あの薹立ちの美味を食い逃すのは惜しいので、もうちょっと力を入れて探してみる。三月ぐらいまでに播けばなんとかなるんじゃないかしら。
 とりあえず今、嘘屋農園はこんな感じ。

  柵蕪蕪蕪冬冬冬冬冬腐腐■■■■■
  蕪蕪蕪蕪冬冬冬冬冬掻掻掻掻掻掻■
  蕪蕪蕪蕪■葱葱冬冬掻掻掻掻掻掻■
  蕪蕪蕪蕪■葱葱冬冬掻掻掻掻掻■■

    ■=作付けしないところ
    掻=カキナ、つまりノラボウ
    蕪=小かぶ
    葱=小ネギ(11月に挿株)
    冬=冬菜(って何だ? よくわからないがなんか小松菜っぽいやつ)


■2010.0105(火)
●疳の虫
 ちと資料をかき回していたところ、「疳の虫」という、なんとなく聞き覚えのある言葉に行き当たった。たしか塩を使って手を洗い、まじないの文言を書くとかお経を唱えるとかすると、指先から謎の白い糸状物質がにゅるにゅる出てくる――そんな話だったように思う。
 気の向くままに調べ進める。へえ、別に呪文やお経のたぐいは要らないらしい。石鹸と塩で念入りに手洗いし、拳を握りしめてると毛穴から自然に白糸が出てくるんですって。ストレスが溜まってるひとほどいっぱい出るのだという。

 ウソくせー。なんかウソくせー。どうして手ぇ洗っただけでそんなもんが出てくるのよ。つうかほんとに出てくるんだったら、どうしてこの科学時代に今まで正体が明らかにされていないのよ。

 特別な準備が要るわけじゃないんで、ネタ話までにちと試してみた。
 そそそ・そしたらアナタ! 出てくるじゃないですか、本当に! 白い糸みたいなのが。糸クズみたいな細いやつが、すべての指からプチプチ出てくる。ヒィィー気持ち悪りい! 何だこれは、いったい?

 調べてみる。少なくともウェブ上には役立つことは何も書かれていない。いわく寄生虫であるとか、いわく針状に結晶した塩であるだとか、いわく体内に蓄積された有害な重金属であるとか。みんな嘘こくでねえって感じだ。つうか何でもかんでも有害な重金属にこじつけるのはよしましょうよ。そんな塩で揉んだぐらいで搾り出されてこないよ、重金属。
 こんな簡単に出てくるんだから誰か化学分析とかしてねえのかよって思ってさらにウェブ上を探す。しかし「主成分はカドミウムだったらしい」とか重金属系なこと書いてるサイトばかり。しかも何かのテレビ番組で見たーとかあやふやなソースばかり。だから死ぬって。カドミウムがこの量溜まってると。名曲『かえせ!太陽を』を知らんのか。

 正体不明で気持ち悪いんで、もういっぺん試してみた。今度は念入りに段階を踏む。

▼石鹸で手を洗う
 5分ぐらいかけ念入りに洗った。試薬はごくごく普通の石鹸。もちろん事前に糸状物質が指先から出ていないことを重々確認する。

▼塩で手を洗う
 続いて自然塩をぜいたくに使い、手を洗う。やはり5分ほど。
 これは疳の虫とは直接関係ないんだが、塩で手を洗うってなんだか気持ちのいい行為ですね。なんていうのか、自慰行為にも似た官能というか、いつまでもこすっていたい感がある。くせになりそう。

▼ゆすぐ
 塩が残って針状に結晶しやがるとまずいので、ていねいにゆすぐ。

▼乾かす
 タオルで拭くと糸クズが付着しましょうから、手を広げてぶんぶん振り、水気を飛ばして自然乾燥させる。そしてこの時点で糸とか何も出てないことを確認する。

▼手を握る
 拳をぎゅっと握り、胸の前に構える。いわゆるファイティングポーズだ。身構えること3分。そして開いた手を光にかざし見ると、これがアナタ、確かに白い糸が出てるじゃないですか! さっきよりだいぶん少ない。でも数十本は確かに出ている。石鹸かすじゃない針状塩じゃない、タオルの糸クズでもない白い糸状物質が! 何だこれ?! 気持ち悪りい、ヒィィー!

 やりかたを調べたサイトによると、搾り出し切ると気分が晴ればれするらしい。この出てきたやつを食べちゃったりするとまた気分が悪くなるので、粘着テープなりで絡めとって始末しろとある。オレもイッパイ出たけど、別にどうということもない。いつも晴ればれした気分でいるからだろうか。それともまだ搾り出し切れていないのだろうか。

 それにしてもチクショウ、何なんだこれは。オレは「塩の粒が皮膚の繊維をほぐしてバラけさせた」との仮説を提唱しておく。それにしても気持ち悪りい。誰か一刻も早く科学的に解明してくれ。ヒィィー。

■2010.0104(月)
●帯に短し、たすきにも短し
 土瓶蒸し用の土瓶、という物を手に入れてみた。いきつけの雑な店で、売れ残りとおぼしき品が百円だったのです。

 実はこれ、似たようなのをすでに一つ持っている。だいぶん前、これも百円ショップで気まぐれに買ったのでした。しかしこいつが妙に小ぶりで、本気で土瓶蒸しにしか使えない。茶器にはならないし、平たくて場所塞ぎだから何かを冷やしておく用達にも使いにくい。銚釐ちろり代わりにもならない。帯に短したすきにも短し。形はなかなかかっこいいんだけどねえ。チャージマン研が乗る円盤みたいで。

 きょう買った土瓶は、そのスカイロッド号よりはちょっと大きめだ。つうか大きめだから買ったのです。陶器の急須をこないだ捨てちゃって。アルミの急須だけだとやっぱり不便で。
 茶漉し金網を填めてみると、これが誂えたよにピッタリ。スカイロッド号は注ぎ口の性能に問題があって湯切れが悪かったのだが、こっちはまずまずの湯切り性能。これはいい買い物をしました。ジュラル円盤と名付けて末長く愛用するものとする。

●オレ用メモ
 WD15EADSOWL-EGP35は相性が悪いらしく、マウントしても認識しない。忘れまじ。


■2010.0103(日)
●メールの整理
 年明けにちょいと気分を新たにすべし、だなんて思って昔のメールを整理したところ、これが存外に大仕事になった。書庫の日付から判断して前回は2004年の暮だから、丸五年ぶりだったことになる。

 メーラーは、ずっと『電信八号』を使っている。やっぱり書庫の日付から判断して1998年の6月ごろから使いはじめたらしい。それまでは一、二年ほどOutlookを使ってたんだけど、メール環境を持ち運びにくかったので、WindowsのノートPCを買うのと同時に乗り換えたのだった。
 このメーラーは、そのあたりが実に便利だった。フォルダごと別ドライブに動かせばそのまま動作する。加えてメールひとつが1テキストファイルで保存できる。添付のバイナリを剥がしてプレーンテキストにするもよし、エンコードされたまま保存してもよし。仕分けたフォルダごと書庫化でき、リストアもただ展開するだけ。今は別にどうってことない長所だけれど、ノートPCのHDD容量が小さかった時分にはそれはそれは重宝したものです。

 きょうやったのは、そのメールの書庫化だ。もう何年もアクセスがない先様とのやりとりを、フォルダごと圧縮してしまう。おやこんなヒトもいたな、ああこの会社は今どうなっているのかしら、そんなつれづれごとを思いながら。
 何年も往き来がないとはいえ、別に絶縁したわけではない。この先もしまたご縁があったなら、書庫を展開すればただちに昔のままのやりとり環境だ。うん、やっぱりいいメーラーだよ、『電信八号』。ミーのスタイルにぴったりざんす。

●年明けうどん
 うどん県のひとたちが、「年明けうどん」というのを流行らせようとしているらしい。年越しそばは細く長くの縁起物だから、年明けうどんはさらに太く長くの欲張り縁起物ですヨとのこと。でもその理屈だと、マカロニ商い業者やなんかから物言いが付きやしないですか。「うちのは太いだけで短くて穴だらけなのかよう!」みたいな。他人事ながら心配です。
 うどんスキーなオレとしては、応援するにやぶさかではありません。でもこの正月で二年めだというから、関係者の言う「国民的行事として普及」という状態にはまだ前途多難でありましょう。「恵方巻き」みたいにどっかのチェーン店の商売に乗っかれば広がるかもしれないが、でもうどんってそういう商売にしにくそうだよな。カップ麺だと縁起物にはちとそぐわしくないし、かといって店頭で出来立てを振舞い客は立って食うってのもなにやら救貧炊き出しチックであります。官製派遣年越し村じゃあるまいし。ねえ?


■2010.0102(土)
●なまぐさな松の内
 世間はお正月で煮炊きの火が使えない期間だというのに、旧友連となまぐさにも焼肉など。さすがにチェーン店じゃないと営業してないので、手近な牛角にゴー。当たり前ですががら空きでした。
 このどこにでもある焼肉屋って、店舗数が増えるほどなんだか値打ちが下がってきてるような気がしてならない。その昔、西武池袋線に乗ってまで食べに行った憶えがあるもの。でも今は、仮に最寄の店がつぶれたとしても、じゃあ電車に乗ってどこかの別店舗に行こうかという気にはなりそうにない。ギューカクか、まあ今度でいいやになっちゃう。

 これが老化現象だ、おっさんだから肉食えなくなってきてんだよ、とは思いたくない。小説家・菊池寛は老境に入り胃腸が弱っても「牛肉だけは別だ」とむさぼり食ったというエピソードがある。オレも文章でメシ食ってる身のハシクレとして、そういうなまぐさ根性は失いたくないものだ。エロなもの書くヤツとしてはなおのことですわい。

●食べ放題
 牛角で思い出した。「最近あの店食べ放題始めたんですよ。そしたらこの女がもう入り浸りで」という話を、ええと、2年ほど前の収録現場の聞いたのだった。「この女の頭に入ってるのは肉をむさぼり喰らうことだけですからね」と。もちろんお茶飲み話で、語尾に(笑)が付く。ご本人(声優さん)も肯定してらしたです。
 以来オレも二度ほど行ってみた。一回めは絵かきのS山さんの奢りで新宿。二度めはついこないだ、ご同業の西崎さんの奢りでここの最寄店。奢られてばかりだなオレ。
 二回分の所感を現時点でまとめると、実に当たり前の結論なんだが「胃と舌が若いほどお値打ち」ということになる。S山さんと行ったときはあまり食べられなくて、これなら普通に皿取るのと大して変わらないですネってあとから語らったけど、こないだのときはみんな食べるわ食べるわ。オレも酒を飲むわ飲むわ。フルタイムで食べまくりで、食べ放題ってヤツを久しぶりに堪能したです。いやご両所、大いにごちそうさまでした(拝)。

 そんなオレがいま食べ放題にしてみたいもの。「イカソーメン」。そこらで買えるイカをオレごとき素人が細引きにして造るへたれたのじゃなくて、ぴきーんと立ってて箸で棒状につまめるようなやつ。それにショウガ醤油をぶっかけて食う。
 それとねえ、「馬刺」。食べたいねえ、馬刺。食い放題で。つうか「刺」になってなくていいや。かたまりで。随筆家・ムツゴロウの著作に、目方数ポンドの馬肉塊に塩を振り焼かずにバリバリと平らげたところ、店の支配人が驚嘆して「すごいものを拝見しました、お代は結構です」となった話がある。実にんまそうだ。オレもむさぼり食ってみたい。目方数ポンドの生馬肉のかたまりを。って、松の内から何書いてんだろうね、こいつというオレは。


■2010.0101(金)

謹賀新年


 あけましておめでとうございます。旧年中はお引き立てを賜り、まことにありがとうございました。

 嘘屋は本年も同じ在、同じ筆で嘘商いを営んでおります。ご用命ご要望の向きはお気軽にお声掛けください。

 お客様各位のご健勝とますますの弥栄を、この新春にお祈り申し上げます。



嘘屋 佐々木酒人

●2010年・堅い決意
 てなわけで。今年もパッシブ年賀状をもって頌春のごあいさつとさせていただきますです。

 新年のっけから辛気臭い話でアレなんだけど、2009年度の筆仕事におけるオレは、実に反省すべき点多き怠け者だった。百年に一度の不景気とやらのせいか開発元さん各位の意志決定にためらいがあり、なかなか仕事が決まらなかったのだ。で、その間に何か自分の仕事を片付けとけばいいものを、なんとなーくだらだらと過ごしちゃったのだった。せっかく天が与えてくれた時間を無駄遣いしてしまったことになる。年の初めに省みてやっと分かりる己が怠惰よ。こいつというオレのバカばか馬鹿。

 旧年の反省を活かすべく、今年はちょっと手を広げようと思う。2009年は短いのを三本書いたから、今年は四本書く。たった今の受注残が三本だから、春先ぐらいから営業してライン一本を増やす。もし間隙が生じたらすかさず積んであるものに着手し片付ける。うん決めた。その意味でときどきこの日記で進捗を公開羞恥プレイしてみる堅い決意。

●2010年・物欲の王国
 去年年初のこの日記を振り返り見てみると、2009年のうちに買うものは何だろうと予想を立ててゐる。これがまた怖いほどほぼ完璧に的中していて、SSDには手を出しあぐねてるわストレージはTB級HDDにべったり依存してるわ。おっさんになればなるほど自分の人生航路がより正確に予測できてしまうというこの真理。

 家電方面では、洗濯機にちとへたりが生じている。主電源スイッチがバカになってて戻らないのだ。まあコンセント抜きゃイイだけの話なんで別に不自由はしてないんだが、ワタシもうじき壊れますヨとの自己主張かもしれんので、年内の買い替えも視野に入れておこうと思う。洗濯機ってなんか捨てるのが大ごとらしいから、なんかこうドリャー!と気合いを入れて買い替えねばなりますまい。

 ほかは、んー、予想らしい予想は立てられないなあ。人生航路がより正確に予測できるようにはなったが、嫁も子もなく車も持たない貧乏居職の物欲なんてとりあえずこんなもんだ。ひもじくなくて寒くなければ充分ですわい。あ、強いて言えばPS3を買うかもしれませんな。この春発売予定の『ゴッドオブウォー3』を遊ぶ、ただそのためだけに。って、おっさんのくせして今年の欲しい物がゲームかよ。かっこ悪ぅい。


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