Shrek
2001年/アメリカ/1時間31分
監督
アンドリュー・アダムソン/ヴィッキー・ジェンソン
脚本
テッド・エリオット/テリー・ロッシオほか
声の出演
マイク・マイヤーズ/エディ・マーフィー/キャメロン・ディアス/
ジョン・リスゴー/ヴァンサン・カッセル
ディズニーとしのぎを削っていたドリームワークスが
全米でこの夏堂々の勝利をおさめたフルCGアニメ。
醜い人食い怪物シュレックを白馬の王子様に見立て、
おとぎ話のパロディ満載で一気に見せる。
★★★☆☆
浜ちゃんと紀香と山さんによる吹き替え版は未見。
見事なCGに対するコメントはこの際省略しよう。
どんなにリアルな画面を作り込もうと、内容が伴わなければ
「最先端技術のお披露目」にしかなり得ないことは
『ファイナルファンタジー』で証明済みだから。
『美女と野獣』を主軸に大人のためのメルヘンを志しながら、
おとぎ話やテーマパークやTV業界etc.を徹底的に皮肉ったディティールで笑いをとって、
何度目の正直か、ディズニーへの挑戦状が晴れて大成功。
これを痛快と取るか不快に感じるかで本作の評価は分かれるような気がする。
白馬ならぬおしゃべりドンキーを引き連れ、
城に閉じ込められたお姫様をしぶしぶ救いに行く醜い怪物。
待ち構える獰猛なドラゴンは実は純情な女の子。
意外な素顔を持つお姫様は、心身ともに小物の王様と結婚するのか?
この手のブラックユーモアを「HAHAHAHAHA!」とか笑いながら歓迎するのは
やはりアメリカ人なんじゃないだろうか。
ヒーローを取り上げてわかりやすく『ハリポタ』と比較するならば、
根は優しいけどグロテスクなシュレックより
一見冴えない丸メガネ君だけど底知れぬ魔力を秘めたハリー・ポッターの方が
日本人的感性としては支持しやすいんではないだろうか。
全米では昨年5月、『Toy Story 2』に次ぐアニメ史上2位に輝いた本作だが、
日本では世界的大ベストセラーとバッティングしたタイミングの悪さもさることながら、
日米の嗜好の差が大きく影響しての興行結果だったのではないか。
つまり昨年の夏休み映画として公開されたとしても
本国ほどのヒットはしなかったんではなかろうかと邪推するものである。