4.ケーススタディ

stick 左の写真はツタンカーメンの黄金の杖です。その中央部に2つのカルトゥーシュ(楕円形の枠)が見られます。
左側のカルトゥーシュnkrは先に見たようにツタンカーメンの即位名でネブ・ケペル・ラーと読み、幸せの象徴ケペル(別名スカラベkheper)が意匠として示されています。
では、右側のカルトゥーシュtutankhimnはどのように読めば良いのでしょうか?。ここではケーススタディとして、このカルトゥーシュの読みについて考察してみたいと思います。

■ヒエログリフの「向き」

基本的にヒエログリフは上から下に読みます。では、英語の様に左から右へ読むのかあるいは逆にアラビア語の様に右から左へ読むのでしょうか?。結論から言うと、象形文字であるヒエログリフは、その中の動植物、あるいは人間が向いている方向から読みます。したがって、上記のカルトゥーシュは右から左へ読み、tutankhimnは左から右へ読むこととなります。

■ツタンカーメン読解

上記のカルトゥーシュは上下3段に分かれています。上段のimnはそれぞれ「i」「m」「n」にあたる発音をします。iはクレオパトラ(KLIOPADRA)の「i」であることは既に見たとおりです。
中段のtutankhは、tが「t」、uが「u」に相当します。また、ankhは古代エジプトで永遠の生命を示す意匠で、この一文字で「ankh」と発音します。
この2段を王名を読むときの慣習にしたがって並べると、tutankhimnとなり、「t・u・t・ankh・i・m・n」つまり「ツタンカーメン」と読めるわけです。
なお、下段の3文字は「ヘリオポリスの支配者」の意を表わし、ツタンカーメンの偉大さを称える内容となっています。

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写真:ツタンカーメンの黄金の腕輪(2種類のカルトゥーシュが見える)

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