2009年10月4日(日) GPSログ
小海駅〜ぶどう峠〜塩之沢峠〜下仁田駅
68km 快晴

    

 毎年正月に実家の押入れから少しずつ、ニューサイクリング誌を持ち帰っています。最近はたくさんの自転車雑誌 が出版されていますが、当時は他にサイクルスポーツ誌があるぐらいでした。特にツーリングに関する記事は充実し ていたので、ほぼ毎月購入していました。 85年5月号は特集がザ・峠です。 たくさんの峠が載っているので、どこに 出かけるか決めるのに重宝しています。ちなみに読者投票による、『私の好きな峠ベスト10』では、1位が三国峠(埼 玉・長野)、2位 大弛峠(山梨・長野)、3位 倉掛峠(岐阜・長野)となっています。 とうことで、今回行くことにしたのは、 番外にでていた、ぶどう峠です。

 前日の天気予報で上田方面の天気が快晴の予報になっているのを確かめ、上野駅6時30分発の長野新幹線あさ ま501号に乗り込みました。佐久平で小海線小海駅行きに乗り換え。 乗り換え時間は5分で、輪行袋を持って小海 線のホームに行くと、1、2分ほどで2両編成の列車がやってきます。 しばらく田園風景を眺めて8:31分に小海駅到 着。
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 小海駅前を出発して、県道2号線に。 あちこちで稲を掛け干しにしていました。 最近はほとんどが機械乾燥です が、長野に来るとこういった風景をよく目にします。 小規模な水田で自家米として収穫しているように思います。手作 業になるので重労働になると思いますが、その分おいしさも格別なんだろうなぁ。 道の先には、御座山(おぐらさん)が 見えてきました。




    
 県道2号から124号上野小海線に入ったところにある、上野北相木村(きたあいきむら)の諏訪神社境内。 推定樹 齢500年のイチイの樹は、たくさんの実が真赤に熟していました。 境内で野球で遊んでいた小学生から中学生まで の5,6人の少年たちが、気持ちよく挨拶してくれました。



    

湧き水で水を飲んだり、ウシガエル君に挨拶しながら徐々に高度を上げてゆきます。



    

広めの道幅の県道124号ををゆっくりと登り、標高1070m付近で箱瀬橋に。



    

 橋から谷を覗き込むと、相木川の箱瀬の滝を見ることができました。 落差は10mほどで小さめの滝ですが、とても 綺麗な放物線を描いています。
 橋の横には、通行止めの看板。 どうやら橋ができるまでの旧道のようです。 入り口付近には、コンクリートで法面 処理はしてあるものの、道の上に崖がハングオーバーしている箇所があり、スリル満点です。 路面は落ち葉で埋ま っているものの、舗装されています。 GPSの地図ではそのまま抜けられそうなので進んでみることにしましたが、念の ため熊鈴をバッグパックから取り出しました。 
 約1kmほどで再び県道に合流しましたが、橋ができるまではこんな道を車が走っていたかと想像すると大きな驚き を感じます。 それだけ最近の道路状況が恵まれているということですね。



    

 その他にも脇道があり、ドングリがたくさん落ちていました。 ドングリを踏むとプチプチと心地よい音がして、とても楽 しくなります。 もしかすると、小動物の餌になっているかもしれないので、申し訳ない気持ちもあるのですが、緩衝材 で使うエアークッションを潰すよりも100倍以上楽しいので、止められなくなってしまいます。



    

加和志湖、長者の森を通過すると、道が1.5車線となり本格的な登りになりました。



    

 全般的に杉が植林されていますが、高度が上がるにつれて広葉樹も増えてきます。 10%超の激坂もあり登りに苦 労しましたが、ちょっぴり始まった紅葉が目を楽しませてくれました。



    

 高度1470m付近。峠まであと30mほどですが、最後まで激坂が続いているので写真を撮りながら一息入れないと 脚が続きませんでした。 最近体重が増加傾向にあり、不摂生を反省しながら峠を目指します。



    

12時30分にようやく、ぶどう峠(1510m)に到着。 群馬県側から長野県側を見た峠の様子。 峠の向こう側に青空 が広がり、すばらしい眺めでした。



    

 群馬県側の下り。 残念ながら峠を挟んで雲が広がっていましたが、圧倒されるような原生林の中を一気に駆け下り ました。 とても木々の密度が高いところですが、マムシ岳を挟んで北側にある北沢地区には、国指定天然記念物の シオジ原生林があるそうです。



   

 標高800mほどまで下ってきた中ノ沢地区付近。 所々に巨木があります。 峠からここまで完全な独り旅でしたが、 この付近で久しぶりに乗用車1台とすれ違いました。



   

楢原で国道299号に合流し十石峠方向に左折、1km弱走ると県道45号 下仁田上野線との分岐になります。



    

 GPSの地図にはまだ表記されていませんでしたが、県道にバイパスが作られて下仁田側には、峠を通らずに行ける ようになっていました。 カーブのすぐ先にある湯の沢トンネルは2004年に完成、バイパスは今年2009年3月末に 開通したばかりだそうです。  道路表示には、新しい道が県道45号とありますが、塩之沢峠方面にはナンバーが付 いていませんでした。



    

バイパスとの分岐からは、急勾配が続きましたが、広葉樹が広がってくるとともに緩やかになってきました。



    

 車は全てバイパスを抜けてゆくので、自転車専用道路状態でした。 この道自体が不要となって朽ち果ててしまうこ とが心配されます。 しかし、杉が植林されていること、峠で御荷鉾(みかぼ)スーパー林道と繋がっていているので、 今後も林道としての役割は残るので、最低限の維持はされてゆくのではないでしょうか。



    

 時刻はもうすぐ15時。 峠まで残り4km、200mほど登りが残っています。 日没が17時15分なので、それほどの んびりしている訳にはゆきません。



    

 峠の少し手前に御荷鉾(みかぼ)スーパー林道との分岐がありました。 神流町側は走ったことがありますが、こちら 側もとてもよい雰囲気があります。 機会があれば下仁田側も走ってみたい感じです。 その反対側に、上野村観光 名所案内の大きな看板が立っています。 だいぶ色あせてしまいましたが、これだけ人が通らなくなると修復されること はなさそうです。



    

 塩之沢峠(1020m)に到着。 楢原からは、400mほどの登ったことになります。 短いトンネルを抜けると、長い下 りが始まりました。



    

 誰もいない道とはいえ、石が転がっていたり砂が浮いたりしているところもあるので、スピードは抑え気味に走りまし たが、右に左にカーブがあって気持ちのよいダウンヒルが楽しめました。



    

 400mほど下った根草付近で、ようやく集落がありました。 そのまま下りが続き、拡張された様子の県道45号に 合流。 湯ノ沢トンネルを抜けて上野村まで行けるようになったバイパスのようです。



    

 家族へのお土産に、下仁田町内のまるへいというお店で、玉こんにゃく、こんにゃく餅、こんにゃく羊羹を買い込み、 16時に上信電鉄下仁田駅に到着。 自転車を輪行袋に入れ、次の高崎行きの発車までの30分ほどの間に駅前のレ ストランでオムライスと生ビールで一息つきました。 ホームの先には満月がぽっかりと浮かんでいました。 

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