2007年11月23日(金)  GPSログ
 臼田〜田口峠〜下仁田 61Km 晴れ    

     

  どこに出かけようかと『峠で訪ねる信州』(信濃毎日出版社)を眺めて決めたのが、長野県にある田口峠というところ。 県道にある峠で車の通行量が少なく、景色も楽しめそうです。 予報で天気が一番良さそうだった3連休の初日に、東 京発6時24分あさま501号に乗り込みました。 佐久平で小海線に乗り換え、臼田駅には8時15分に到着。
 


掘の水が凍っていました。     

 昔は田口街道と呼ばれていたそうですが、現在は下仁田臼田線 となっている県道93号線を走り始めました。 田 口峠までは13Kmほどです。 峠の標高は1175mですが、臼田駅がすでに710mあるので450mほど登るだけで す。

 10分弱走って龍岡城五稜郭に到着。 函館五稜郭とともに日本で作られた西洋式城郭だそうです。次に寄道した のが新海三社神社(しんがいさんしゃ)。 室町時代に建てられた三重の塔があり、国の重要文化財の指定を受けてい ます。



     

 入り口にあったケヤキの巨木。 どっしりとした姿に圧倒されました。 樹齢500年は越えていそうです。  



     

 この神社の境内には、なぜか18ホールのミニゴルフ場がありました。 コースは落葉で埋めつくされ、しばらくはクロ ーズのようです。 (^_^;)



     

 再び下仁田臼田線を走り始めると、軒先に緑が鮮やかな野沢菜が並べてありました。 少し干してから浸けると甘さ が増すようです。 野沢菜浸けで食べるごはん、おいしいですよね。



     

 ほとんどの木で落葉していましたが、山の斜面にわずかに紅葉が残っていました。 道に沿って流れている雨川も、 なかなか見応えがあります。 



     

 緩やかな登りが続いていました。 8%ほどのややキツイ登りの区間があり、そこを登り切ると雨川湖が現われまし た。湖面は、印象的な青色でした。その先に、“日本で海から一番遠い地点”まで2.3kmと表示された道標が。 オタ ク心に刺激を受けて、行ってみることにしました。



      

 林道を進むと途中で舗装が切れて、土砂崩れで半分ふさがれていました。 さらに進むと先程走ってきた道の対岸 地点で、湖を見下ろすところに辿りつきました。
 悪路のため押しも入れて2.5Km進んでもそれらしき表示が見当たらず。 下仁田臼田線から入り込んだ時に、反 対側にも林道があったので、道を間違えたようです。 引き返してみると・・・

 


     

 やはり反対側の林道でした。 最初に通った時に、案内図が背中を向けるように表示されていたので全く目に入りま せんでした。 通行止になっているゲートから林道を1.3km進み、そこから徒歩とのことのでパスしました。



     

 実に自転車乗り冥利につきる道です。 道の両脇には大量の落葉が積もっています。 時折、木枯らしに煽られた 枯葉が、カサコソと音を立てながら道を転げてゆき、とても愉快な気分になります。 すぐに通り過ぎてしまうのがもっ たいないので、のんびりと進みました。




     

  峠に近くなると、日陰部分に雪が残っていました。 やがて、トンネルが見え峠に到着です。



     

 トンネルを抜けると、青空を背景に妙義荒船山系のパノラマが広がっていました。



     

 峠からの風景を満喫したところで、下仁田方向に下り始めました。 すると、またしても大ケヤキが。 大きく張り出し た枝が見事でした。 



     

 まるで道が両端から押しつぶされたように、ヘアピンカーブが激しく続いています。 下仁田側ではスギが多くなり、 落葉樹が中心の臼田側とは景観がガラリと変わりました。 



      

 広川原の集落の中に最勝洞 (さいしょうどう) という洞穴群の案内があったので、ここでも寄り道を。 自転車を置い て禅昌寺の裏山を登り始めました。 案内表示はほとんど見当たらず、急な山の斜面に並んだたくさんの羅漢さんを 目印に登ってゆきました。



     

 少し登ると、ほとんど整備されていない道になりました。 斜面の左側は崖です。 お〜っとっとぉ〜〜と、よろけてし まえば10m以上の転落は免れません。 這うように進むと、鏡穴と表示された場所に到着。 崖の上のほうから水が ちょろちょろと流れていて、ところどころツララになっています。 洞窟の位置はよくわからなかったのですが、秘境感を 楽しんだところで引き返しました。 



     

 臼田下仁田線には、まだまだ見所がたくさん残っていました。 狭岩峡 (せばいわきょう) では、道の両側から崖が 迫る渓谷の中にぎっしりと紅葉が詰め込まれていました。
 群馬県側の南牧村 (なんもくむら)勧能にでたところで、県道108号線の始点と合流。 余裕があれば小海線側に登 り返し、余地峠を目指そうと考えていたのですが、時間は13時。 う〜む、微妙な時間。 明るいうちに峠を下りきれ るかどうか。 先月の山伏峠の失敗を教訓に、今日はこのまま下仁田駅に向かうことにしました。



          

 下仁田駅までは1時間もあれば到着する距離ので、今度は県道201号線に入り立岩(たついわ 1265m)を前方 に眺めながら、線ヶ滝に寄ってみました。 このあたりは今年9月の台風9号により大きな被害を受けたそうです。 TV のニュースでは南牧村からの大量の流木が、東京湾に流れ込んだと報道されていました。道から南牧川を見下ろす と流木がまだたくさん残っていました。

 道の横で畑仕事をしている人が、どこまで行くのかと声をかけられ滝まではあと1Kmほどだと教えてくれました。  GPSで位置は補足できていたのですが、地元の方の親切はありがたいものです。 名産品の下仁田ネギが収穫を迎 えていました。 

 

     

落差30mの線ヶ滝です。 細い水の流れが鋭く滝壷に突き刺さり、迫力があります。



     

 南牧村立尾沢小学校跡。校門の横に建つ記念碑には、昭和63年3月31日廃校と記されていました。時刻はまだ1 4時過ぎですが、すでに影がずいぶんと伸びています。



     
 
 15時に下仁田駅に到着。 駅の向かいにあるお店で熱燗がないか尋ねてみました。 お店の方が今日は寒かった でしょうと察してもらったものの、残念ながら室温のワンカップしかありませんでした。 代わりにビールとあんまん、肉 まんを買いこみ、上信鉄道高崎行きへと乗り込み帰途につきました。 

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