子供のころ、夏休みのたびに訪れていた祖父母の里山で一番の楽しみはカブトムシ獲りでした。 当時は数も多
く、昼間でも集落をひと回りすると、カブトムシ、クワガタは必ず獲ることができました。 夜になれば開け放した戸か
ら電灯目指して家の中にもよく飛び込んで来ていました。 多い年には、樹液に群がっているカブトムシ、クワガタが
獲り放題状態で何十匹も捕まえて、どのカブトムシを自宅に持って帰るか悩んだりすることもありました。 そんな子
供にとって天国みたいな里山も、雑木が減ってきたせいかカブトムシを見る機会が激減しています。
ちょうど息子が私が里山で遊んでいた年頃になってきたので、カブトムシを何とか採らせて同じ体験をさせてあげた
いなと思い、小学校1年の夏休みになって間もない7月末に近くのシイノキに出かけてみました。 23時頃に出かけ
るとメスのカブトムシが1匹止っていました。 狙いはオスのカブトムシ、メスはそのままにして再度零時に出直してみ
ると、期待通りオスのカブトムシ数匹が群れているのを見つけ、息子は大喜び。 個体数保護のためメスは残してオ
スのカブトムシ2匹を捕まえ、宝物のように自宅に持って帰りました。

夏休みが終わり、さっそく登校日に担任の先生や同級生に見せて、自分で捕まえたカブトムシに鼻高々だったよ
うです。 平日は仕事で週末は自転車と、親子関係が少し心配な父親ではありますが、これで面目躍如、父親株は
一気にストップ高となりました。
カブトムシが減ってきている原因は、雑木が減少して幼虫の餌となる堆肥と成虫の餌である樹液が減っていること
だと思います。 次の世代に里山の楽しさを伝えるために、クヌギやシイノキを植えられたらいいなと考えています。
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