8月20日(土) 晴れのち曇り
「一年後の再会」昨日はビールを飲んで寝たのに、今日の朝は寝覚めが良い。
5時半を過ぎた頃に目が覚める。カーテン越しに朝日と絶えず聞こえるフェリーのエンジン音。
今日の夜には、早くも小樽に上陸しているのか・・・フェリーの上を散策してみよう。日の出の写真も撮りたいし。
周りの人はみんな寝ている中をカメラを持ってそ〜っと抜け出し、フェリーの後部のオープンデッキまで行くことにした。途中、プロムナードでは椅子に座ったまま寝ている人や、この人一晩中起きていたのか?と思えるようなオーラを発して寛いでいる人もいた。
オープンデッキから日の出を眺める。まだ水平線のすぐ上に出たばかり。晴れ渡ったむらさき色の空を、太陽が赤むらさき色に染めていた。
高速船になってから出る事が禁止された側甲板を出て歩いてみる。人のいない甲板の上で、綺麗に晴れた朝の景色を独り占めしている。少し寂しい気もするけど、とても気持ちがいい。
1時間くらい歩き回っただろうか。そろそろ部屋に戻って寝るか。
またもやコッソリと部屋に戻り、寝転がって天井を見つめる。カーテンの隙間から漏れる陽光が反射して、ユラユラと揺れるさまを見ながら、しだいに目を閉じていく。一時間以上寝たかな。朝食の時間が来ていた。
今年僕よりも早く北海道ツーリングに行った人の話では、高速船になって始まったバイキング形式は早くも終わり、カフェテリア形式に戻っているらしいが・・・行ってみると去年と変わらずバイキング形式だった。
う〜ん・・・どういう事だろう?
トレイにお皿をのせて、和食中心に思い思いの料理を取っていく。何だかイマイチパッとしないメニューだな。あ、そうか。料理に土地感が全然無いんだ!次第に病院食っぽい献立がトレイの上に構成されていく。そうだ、コーヒーも飲みたいな。コーヒーをカップにそそぐと、何故か何となく、パン食に急遽切り替えてしまった。どーだ!?何故かパンとジャム、そして納豆が共存しているヘンなメニューが出来上がったぞ!
その後フェリーをブラブラと歩くのも飽きてきたので、明日に備えて寝ることにした。
4時くらいまで寝ただろうか?ゴソゴソと起き出し、買ってあったUFOやヴィダー、カロリーメイトを食べる。丁度、小樽発舞鶴行きのフェリーとすれ違う時間らしい。
”すれ違うフェリー”には興味が沸かなかったが、”すれ違うフェリーを見る人々”は面白そうだ。
再びオープンデッキまで行ってみると、そこは朝とはすっかり変わって人だかりになっていた。それに、空も一面曇り空となっている。
おー、来た来た!フェリーが物凄いスピードで迫ってくる。みんな手すりに詰め寄り、カメラを構える。ほとんどデジカメなんだよなぁ・・・
一瞬のイベントが終わっても、しばらくは人ごみが消えないでいた。
ふと見ると、胸に同じバッジを付けている人が沢山いる。どうやら、ツアー観光らしい。
話を聞いてみると、小樽から美瑛、それに大雪山を登って帰る予定になってるらしい。それも4日間位の大強行スケジュール。お手軽なのかしんどいのか分からない内容だな・・・値段を聞いてみるとお手ごろだけど。
晴れるといいですね!(晴れても晴れなくても、コースは変わらないらしい)
時間も空いているので洗濯でもしつつ、船内を歩く。昨日バイクの並びで話していた人と再び出会い、少し話ししたり、またもやウトウトと寝たり、すっかり曇り空となってしまった外の景色を眺めていると、いつの間にかフェリーは小樽港に近づいていた。
2等部屋で一緒だった大学生のライダーグループは初めての北海道ツーリングらしい。(宿もとってないし、距離を稼ぐために)「これから2時間走ろう!」などと息巻いている。
「ん〜・・・やめといた方がいいんじゃない?」などと僕は話しておいたが、初めての北海道ツーリングともなると、それくらいの興奮はあっても当然じゃないかなと、今となっては思う。夜走るのは、楽しくないし危険だとは思うんですけどね。
フェリーが「着岸」する。いよいよ「上陸」。そして、「蔵寿司」である。
毎年欠かさず訪れ、一年周期ではあるが、もはや行きつけとも言える寿司屋「蔵寿司」。
今年も行きたいけど、フェリーの到着時刻が一段と遅くなったので、閉店前に飛び込めるのか?と不安だった。
思いが届いたのか、なんとフェリー到着時刻午後9時に対して、9時5分に下船する事ができた。
もはやほとんど地図を見なくても走れるようになった夜の小樽市街を走る。目指すは運河プラザ裏。
バイクをショーケースの前に停めて店に入ろうとしたとき、おなじみの板さんが、丁度外からワゴンに乗って帰ってきた。
僕は思わず「お久しぶりでーす!」と声をかけた。
すぐに気付いたのか「お帰りなさ〜い!」と快く迎えていただいた。
(この「いらしゃ〜い!」じゃなく「お帰りなさ〜い!」と言ってくれることに、その時何よりも感動した!)
一年以上も顔を見なかったのにねぇ〜!
お寿司は何にしようかな・・・「運河にぎり」を注文した。
この日はフェリーの中であまりにもゴロゴロとしていた所為で、ほとんどお腹がすいてなかったのだ。出てきた時には全部食べられるかなぁと不安になったのだけど、食べ始めると全部食べきっちゃうから不思議です。
出てきた時に写真を撮る事を忘れて、うっかりと食べ始めてしまうくらいですから・・・美味しいっすよ!
更にカニ汁もサービスしてもらって、大満足。
一年ぶりの味・・・ふふふ。これでお酒が飲めたらなぁ〜!
バイクの話、最近の北海道の話(知床世界遺産登録とか、近くで映画ロケをやっていたとか・・・)、今年のコースの話などなど、話は尽きない。でも時間は限られてるのが残念だった。
別れ際に帰りにも来る事を約束し、この日の宿「ペンション 天狗山」に向かう。
ここは以前、「小樽天狗山ユースホステル」だった建物だが、ユースホステル協会を抜けてペンションを始めたようだ。実際、「小樽ヴィラマウンテンYH」と同じ人が経営している。
急な天狗山の坂道を登り、消灯時間間際に駆け込む。
明日からが実質ツーリング開始日。何に出会えるだろう。誰に出会えるだろう・・・本日の走行距離:6.2km
本日の音楽:「So Nice」(MARCOS VALLE)