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演目の詳しい解説 | ||
『桂川連理柵』 |
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初演 安永5年(1776年) 作者 菅専助 原作 上下2巻で構成されています 原作 上の巻 「道行恋の乗りかけ」 原作 上の巻 「石部宿屋の段」 原作 上の巻 「信濃屋の段」 原作 下の巻 「六角堂の段」 原作 下の巻 「帯屋の段」 原作は岩波文庫に収録されていますので興味のある方は読んでみてくださいね。 (岩波文庫・黄273−1・1995秋復刊) |
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今回の地方公演で上演されるのは 下の巻 「帯屋の段」と後から付け加えられた「道行朧の桂川」です。 |
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「桂川」はお半と長右衛門が心中した川の名前ですね。 「連理」というのは「比翼連理」(ひよくれんり)という言葉から来ているそうです。 唐の白楽天が作った長恨歌(ちょうごんか)という長い叙事詩の中の 「在天願作比翼鳥在地願為連理枝」から取ったものだそうです。 「在天願作^^^^^鳥在地願為^^^^ |
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読み方は・・・ 「天に在りては願わくは比翼の鳥と作(な)り、地に在りては願わくは連理の枝と為(な)らん」 |
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「比翼」というのは伝説上の鳥、雌雄で一体、一目、一翼だから 飛んでいるときも止まっているときも いつも一緒。 「連理の枝」は2本の枝が合わさって1本の枝になったもの、夫婦または男女の深く睦まじい契りのこと。 どこにいても一心同体!ってことでしょうか? |
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「柵」は川の中にある「柵」(さく)ですが、「義理の柵(しがらみ)」とか「親子の柵(しがらみ)」というように比喩的に使われることもあるそうです。 「桂川」の縁語としても使われています。 |
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● | 実説は明らかではありませんが、いくつかの話が伝えられています。 三田村鳶魚(みたむらえんぎょ)の『実説芝居ばなし』(昭和31年・青蛙書房)にも書かれているそうです。中央文庫からも出ています。 |
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大体のところは・・・ 長右衛門が商売上の交際から、お半の親と親しくなり、お半が大阪へ奉公に行くのに頼まれ、二人は桂川で渡舟を待っていた。悪者に金を盗られて殺され、褄と褄とを結び付けて心中者に見せかけて川に流された。長右衛門38歳、お半14歳。 |
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明福寺というお寺に過去帳があるのだそうです。あまりにも年が離れていたことから、事件は瞬く間に人から人へと語り継がれたのかもしれません。 |
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道行で長右衛門は頬被りをしています。結び目は左側。「心中天網島」の治兵衛も頬被りをしていました。結び目が左側、というのは関西の結び方なのだそうです。
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吉田玉男さんの芸談によると・・・ 『人形の場合、右に結び目があっては主遣いから見て、かしらの中心がどこに向いてるのかわかりにくくなるんです。歌舞伎でも関西の人は左に結びますが、これは初代の鴈治郎さんが文楽の人形に因んでそうしたのではないかと思います』 |
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もうひとつ、帯について 『文楽では帯も左結びにします。これは帯がほどけた時に、形良く主遣いの右手にかかるようにするためです』 |
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● | 上方落語「胴乱の幸助」では「帯屋の段」をパロディにしておもしろい噺に仕立てています。桂米朝さんや桂枝雀さんのテープが出ていますので聴いてみてください。 |
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