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『傾城恋飛脚』


◆原作は「近松門左衛門」◆


原作 「冥途の飛脚」
初演 正徳元年(1711年) 竹本座(今の浪花座の場所)
作者 近松門左衛門
構成 上・中・下巻に分かれており「新口村の段」は下巻に当たります。
 

 
改作 「傾城恋飛脚」
初演 安永2年(1773年)
作者 菅専助(すがせんすけ)と若竹笛躬(わかたけふえみ)の合作とされている
 



◆「梅川・忠兵衛もの」は時代を越えて◆


元祖の近松門左衛門の『冥途の飛脚』は「淡路町の段」と「封印切の段」と「道行相合かご」までが今日でも上演されています。
その続きつまり、梅川と忠兵衛が新口村に着いてからの場面は「傾城恋飛脚」の「新口村の段」が上演されています。しかしこれらを通してミックスして上演されることはありません。
 
「冥途の飛脚」を元にして「傾城三度笠」「傾城恋飛脚」と改作が続きます。歌舞伎には「恋飛脚大和往来」として上演され、それを逆輸入して文楽に、といった具合で、良いものは時代を越えて親しまれてゆきます。  



◆なぜ「新口村」は改作が上演されるのでしょうか・・・◆


近松門左衛門の原作では「雪景色」ではなく「雨」なのです。芝居をご覧になればわかりますが、「雪」の方が悲しい物語に似合いますし、美しいですね。
芝居の終わり方も原作とは違います。原作では忠兵衛は縄にかかってしまいます。それを父の孫右衛門が知って気を失いそうになるくらい悲しみます。改作では逃げて行く二人を父親が見送るところで終わります。
 
登場人物の気持ちは共通していますし、改作だということにこだわらずに観ることができると思います。  
     
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