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(てすり)(ふなぞこ)   
 
  野や山を描いた背景画は「遠見とおみ)」、対して客席の一番近くにある大道具が「手摺り(てすり」。
海や川が瞬時に土間、はたまた青畳となる変幻自在の前景だ。
 
 
 
「手摺り(てすり)」は人形遣いの足元を隠し、人形にとっての地面、床面や海面となる。
お谷<吉田簑助>  
藍色の布を被せて川、白布で雪、布を外せば地面に。
わずか48cm高の「手摺り(てすり」が、海と地面の境、つまり波打ちぎわを表現。
誇張された遠近感。錦絵の「浮絵」又は「くぼみ絵」と呼ばれる技法で青畳の一部にもなる。
 
情景に関係なく
青竹を使うこともある。

通常は「景事(けいごと 舞踊などの曲節を主体とした段や部分)」に使用する。
写真は「嬢景清八嶋日記」の日向嶋に流された景清。
この演目は能の「景清」を元にしている、ゆえ、原作への敬意であろうか。


景清<吉田玉男>


(ふなぞこ)
「手摺り(てすり)」と同様に人形を扱い易く、舞台空間を拡充するための機構である。

手摺りで高くなった分、観客の目線を下げるため、舞台の床を36cm掘り下げる。これが「舟底(ふなぞこ)」。 都合、人形の足元から下84cmの空間が、観客には見えない所で舞台空間を生み出した。
谷間になったり、川や海として舟を浮かべたり。人形や動物が変身する控えの空間でもある。
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