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グレープフルーツジュース飲用で降圧薬の血中濃度上昇
−Ca拮抗薬などに対して代謝阻害作用−
−コップ1杯程度の飲用で血中濃度上昇−


 降圧薬を服用している人がグレープフルーツジュースを飲んだために、急激な血圧低下が起こり、眩暈を起こしたり、ひどい場合には救急病院に運ばれることもあります。これは服用した降圧薬の代謝が阻害され、薬物の血中濃度が上昇したためです。薬剤の種類によっては、水で服用した場合に比べて2、3倍に上昇することが確かめられています。原因メカニズムについてはまだ不明な部分が多いが、相互作用の確認されている薬剤を服用している患者には、グレープフルーツジュースの飲用に対して十分な注意が必要といえます。
 降圧薬などで広く使用されているCa拮抗薬では、フェロジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニモジピン(日本では未発売)、ベラパミルでグレープフルーツジュース飲用による血中濃度の上昇が報告されています。
 グレープフルーツジュース飲用による血中濃度への影響を調べた報告では、グレープフルーツジュース200〜250mlの飲用によって、Cmax(最高血中濃度)やAUC(血中濃度時間曲線下面積)が水で服用した場合に比べ2〜3倍にも上昇していると言われています。また、血中濃度の上昇と同時に、拡張期血圧の低下や心拍数の増加、自覚症状として頭痛、顔面紅潮、めまいなどが認められています。
 現在のとこと血中濃度の上昇やそれに伴う副作用の発現は、経口投与の場合のみで認められています。
 相互作用が報告されている薬剤のほとんどは、代謝酵素であるチトクロームP450によって代謝される薬剤です。チクトロームP450はいくつかのサブタイプがありますが、グレープフルーツジュースが阻害するのはP4503A4であると考えられています。このチトクロームP4503A4は小腸粘膜や肝臓などに分布していることから、消化管や肝臓のP4503A4によって、全 同じ柑橘系の果物であるオレンジジュースでは相互作用が認められていません。このことから、両者に含まれている成分の種類や量に着目して種々の検討が行われてきました。その結果、現在、原因物質としてフラボノイドが考えられています。フラボノイドは、野菜や果物に含まれている黄色系の色素で、なかでもグレープフルーツジュース特有の苦みの成分としてナリンジンが多く含まれています。
 そして果肉よりも果肉を取り巻く薄皮に多く含まれ、実際にグレープフルーツを食べた時より、ジュースにした時の方が血圧下降度が強いことから、ナリンジンが有力な阻害物質と考えられてきましたが、ナリンジンの投与によってグレープフルーツジュースと同様の阻害作用は確認されてなく、その原因物質についてはいまだ十分には明らかにはなっていません。
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