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ペットが血圧を下げる 降圧薬服用者で検討

ニューヨーク州立大学バッファロー校内科のKaren M. Allen博士は「ペットは飼い主のストレスに対する反応を軽減する」という最近の研究を,先ごろ開催された米国心臓協会(AHA)の科学会議で発表した。この研究は,一種の病的状態にある人々に着目して,ペットがどのようにストレス反応を軽減するかを示した初めての知見として注目を集めた。
 Allen博士らは,全員が一人暮らしで降圧薬を服用している男女48人の株式仲買人を対象に調査を行った。同博士は「彼らの仕事は非常にストレスが掛かる。彼らは株式取引のフロアで大声を出し,いつも電話をしているし,他人のお金を扱っている」と説明した。
 今回の研究の結果,犬や猫などペットを飼っている人は,ストレス時の血圧上昇が飼っていない人の約半分であることが示された。
 同博士は「この結果は劇的かつ明白だ。この10年の間,私は精神的ストレスや身体的ストレスに対する心拍数や血圧の反応などを測定し,ストレス反応に対するペットの影響を調べてきて,ストレスを受けている人がペットを飼うことの利点を確認し繰り返し示してきた」と述べた。
 米国心理学会家族心理学部門の部門長を務めたこともあるバージニア州リッチモンドで開業している心理学者Alan Entin氏は「この知見には少し驚いた。ペットをなでるなどの行動によって血圧が下がることは既にわかっていた。そのため,ストレスを感じたときにペットをなでることで血圧が下がる。しかし,今回の研究はそれをさらに一歩進めたものだ。これはペットを実際になでるのみでなく,飼っているだけで生活に明らかな差が出てくるということだ」と述べた。
 同氏は今回の結果について,「これは身体的健康に対するペットを飼うことの効果をさらに確認したもので,優れた研究だ。ある人々にとっては助けとなるだろう」とコメントした。
 Entin氏は「犬や猫には血圧を下げる作用だけでなく,飼い主の健康に対してほかにも良い効果がある。ペットは大きな社会的支えとなる。特に犬は飼い主に対して無条件の好意と愛情を抱く。それは飼い主にとって心地よいことだし,自分が気持よいと感じていれば血圧も下がる」と説明した。
 同氏はこの研究の知見を前向きに捉えているが,犬や猫を飼うことで飼い主の血圧が実際にどの程度下がるかという点には疑問を持っており,「実際の問題として犬や猫にはどの程度ストレスを軽減する効果があるのか。血圧を抑える方法として犬や猫を用いることを提案する人はいないはずだ。さらに研究が必要だと思う」と述べた。
 ニューヨーク市立大学スターテン島校心理学のIrene Deitch教授は「この結果は何年も前に示された研究を確認したもので,それはペットに限ったものではない。歯科医院や病院に行ったときなど,水槽や魚を見るだけでも落ち着く。私は治療過程の一環としてペットを用いてきたが,患者は非常に良く反応することを見出している。そこには確実なつながりがある」と述べた。
 同教授はペットを飼うことのさまざまな利点を列挙した。心理学的には,犬や猫は特に高齢者に対して抗うつ作用がある。治療的にもペットを飼うことは大きな価値があるという。例えば,最近の研究では,イルカと泳いだり乗馬による治療の両方が,自閉症や精神遅滞患者に効果があることが示されている。同教授は「全般的に動物には鎮静作用がある」としている。
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