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図書室


乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?


 元気ですくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然、何の予兆もなく特別な既往歴もないのに死亡する。これが乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome−SIDS)という病気です。
 多くの疾病が医学の進歩や社会・生活環境の改善によって大幅に減少した代わりに、SIDSが死亡原因の上位を占めるようになり、重要性がクローズアップされてきました。
 日本では出生した赤ちゃん2000人の内 1人がSIDSで亡くなっており、乳児の死亡原因の第3位となっています。欧米では死亡原因の第1位です。
 1歳未満の、特に4〜6ケ月の赤ちゃんが、この病気の最大の犠牲者です。伝染する病気ではありません。重要視されるようになったのは最近ですが、非常に古くから存在したにもかかわらず、私たちが十分に認識していなかったのです。
 SIDSの原因をつきとめ、予防方法を確立するために、多くの研究者が努力していますが、はっきりした原因はまだつかめていません。今のところ、呼吸をつかさどる脳の機能異常と関係があるという説が有力です。
 ここで、はっきり認識して頂きたいことがあります。SIDSは事故でもなく、病気であることです。決して、育児上の不手際や手落ちが招いたものではないと言うことです。
 米国やニュージーランド、オーストラリア、英国などの研究で赤ちゃんのうつぶせ寝と乳幼児突然死症候群(SIDS)の関係が指摘され、仰向けや横向きに寝かせるというキャンペ−ンで、突然死を減らせることが分かってきました。
 しかしながら、このうつぶせ寝と乳幼児突然死症候群(SIDS)の関係をしっかり認識して頂きたいのは、うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクとして捉えるのではなく、窒息を含む突然死の可能性を減らすことが出来るということです。窒息を含めた突然死の予防として考えて頂きたいのです。
 一人でも赤ちゃんの命が救うこと、それは明るい未来を作っていくこれからの命を守り、そして子供を失った親が悲しみや罪悪感や怒りを受けずにすむことです。
 この理不尽な病気の発生時に関わるすべての関係者、医師・看護婦・救命救急士・警官・保母・葬儀関係者がこの乳幼児突然死症候群(SIDS)の正しい知識と理解の上で対処することが必要です。
 ぜひ、乳幼児突然死症候群(SIDS)のホ−ムペ−ジでこの病態を正しく認識して下さい。



乳幼児突然死症候群の危険因子について

 乳幼児突然死症候群のリスクを避けるために、様々な試みが行われてきました。乳幼児突然死症候群の危険因子についてもいろいろな紙面でお読みになった方も多いと思います。
 ここでは、その詳細については(乳幼児突然死症候群(SIDS)のホ−ムペ−ジをみて下さい)触れません。
 私が主張したいのは、危険因子をすべて避けても乳幼児突然死症候群の発生そのものを完全に防ぐことは出来ないということです。危険因子に対して乳幼児突然死症候群のリスクを避けるためのキャンペ−ンを「SIDS家族の会」が受け入れたのは、明るい未来を作っていくこれからの命を守りたいという一途な願いからだと推察します。
 乳幼児突然死症候群(SIDS)のために傷ついたのは、SIDSで亡くなった子供ばかりでなく、その子に対する自責の念、罪悪感を持つ親、悲嘆に暮れる若い親を見守る祖父母そしてその子の兄弟姉妹です。

 数多ある疾患の中でも乳幼児突然死症候群(SIDS)においては、特に残された家族に対する配慮なしの対処は考えられません。私たちは決して「意識なき加害者」にならないよう乳幼児突然死症候群(SIDS)に対する理解を深めなければなりません。
  長々と書きましたが、以上のようなことを考え合わせた上で、危険因子の事項を読んで頂ければ幸いです。



うつぶせ寝について

 美容上の効果、よく眠る、あまり泣かない、よくミルクを飲む、運動能力の発達が良いなどとしています。このようにうつぶせ寝にはいくつかの利点があります。しかしうつぶせ寝には以下のようなルールがあります。このようなルールを理解して赤ちゃんの寝かせ方を考える必要があります。

 ★うつぶせ寝には4つのポイントがあります。

  1. 固いマットレスを使用する。(アイロン台くらい)
  2. 枕は使わない。        
  3. シーツにしわが出来ないようにする。
  4. 手が出る服を着せる。
  5. 脱脂綿やガーゼなどを赤ちゃんの周りにおかない。

 以上のことをしっかりと守らなければなりません。

 また顔が見えないので、頻繁に顔をのぞくことを忘れてはいけません。 あくまでも寝かせ方は育児法のひとつであることを理解して下さい。

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Last update 2000/3/6