パワーフィンの特集ページ

2008年、「パワーフィン」の情報を纏めようと思い立ちました。まだまだ解らないことが多い「パワーフィン」ですが、多くの実験者からのレポートをこれから少しずつ掲載していきます。


パワーフィンの原理は?

パワーフィンの先祖は日本の「櫓(ろ)」であると、GLラボでは考えています。 櫓を真っ直ぐに水面に立て、これを左右に振るとパワーフィンと同じになります。 文章での説明が難しいので、ヤマハ関係者が国際ボートショーに展示したモデルを ご覧ください。

手前のグリップ部を左右に振ると、後部のフィンがクルクルと回転しながら動きます。 しかし手元のロープにより回転角が制限されるので、フィン(ブレード)は適当な迎え角を作って、揚力 (ここでは推進力)を発生するのです。

グリーンのロープの引き具合で、速度に応じた迎え角に調節できます。 さらに、、赤のロープを引くと、ブレードの向きが入れ替わって、後進ができるようになります! 後進するためには、ブレードが自由に回転できる構造にしなければならないので、これ以上に大型化するのは 難しそうです。

 

高橋さんの実験・パワーフィン事始め?2008年春 江ノ島で、、

非常に堅牢な構造です、これを13フィート艇のラダー金具の部分に差し込んで使います。
実験者・高橋さんのレポートから(抜粋): ブレードは幅9cm、浸水長60cmでした。私が出せる力ではこのサイズが丁度良いようです。 ブレード幅を12cmに広げたものは抗力が大きくなるためか、かえって速度が出ませんでした。

実験者のレポートから(抜粋): 2人乗りで瞬間最高6.5km/h(GPSによる)が出ました。 艪と違って漕ぐ技術は不要です。実験に参加した3名が似たような速度をだしました ブレードの浸水長を無段階に簡単に変えられるようにし、浸水長30cmで漕いだときも速度はほとんど変わりませんでした。 その代わり、漕ぐピッチは1.4倍になりました。揚力はブレード速度の2乗に比例するという理論通りの結果でした。


天狗芝藤さんの実験 2008年夏 高知で

芝藤さんからのレポートから(抜粋):
操縦棒は手元が1で支点からフィンまでが2の割合で使用しました。1対3の方が良さそうです。 フィンの角度が重要です。操縦棒に直角を0度と定めます。25度では進み始めても加速しない。 船体の前進速度で発生する流れの角度が20度から30度になって揚力が出なくなる。 50度が順調に漕げる。軽い力で漕げるので物足りない。 500kgの和船ではスピードは出ない。フィンの速度は両端でゆっくり、舟の真後ろで速くなる ように漕ぐと良さそう。

芝藤さんのレポートから(抜粋):
フィンに働く力で操縦棒が捩じられて推進力が逃げるのを抑えようと太い棒を取り付け部の下、 水面近くに持ってきて捩じるレバーを小さくしました。 棒も長くして、軽いシーホッパに取り付けたのですが全然スピードが出なくて お蔵入りしています。  

 

小境さんのパワーフィン実験報告  こちらは2011年春から、実験開始です。

小境さんの動画をご覧ください

これが船尾のアップ:

高橋さんの装置と比べるとかなり華奢ですが、

艇が軽量なので、、

動画でご覧のように、良く走ります (^-^)v

 

 

 

 

装置の詳細:

艇の船尾が尖っている(ダブルエンダー)ので

水面上で装置を取り付けるのが困難です。

そこで、この様に跳ね上げ式(ティルト・アップ)にしました。 これにより、取り付けたまま岸辺から出入りできます!

初めての実験としては大成功だと思うのですが、 小境さんには疑問が湧いてきたそうです、つまり往復運動の両端部分は有効な 迎え角が得られていないので、推力を出していないのではないか?両端部分でも迎え角を有効にするには、、、、?

その答えがこれです! リンク機構を加えて、いつでも進行方向に平行な 線を中心にしてフィン・ブレードが迎え角を取れるようになりました。

 この写真は全体が左舷の方向に振られていますが ブレードの付け根は、リンク機構により船体の 首尾線と平行のままです。これによりスピードが更に増すでしょう!?

ところが、実験してみると舵が効かないのだそうです!
どうやら、推力の方向がいつでも首尾線と平行なので、 舟を曲げることができない?落とし穴だった?のではないか...

実験は続きます。

その新たな難問の解決案がこれです!
リンク機構の可動中心を意図的に変更できるように ステアリング・ロッドを付け加えました。
このロッドを後方に押すと、左旋回前方に引くと、右旋回できる筈です
← これは中立(直進)状態です。

← ここでは ステアリング・ロッドを後方に押しています。 アームは右舷に振れていますが、ブレードの中立点が右方向に 変化しているので、艇を左旋回させようとします。

← そのままアームが左舷に振られても、ブレードは 中立点を右方向にしたままですから、引き続き左旋回を続けます。
この装置、一見複雑に見えますが、無駄がなくて 独特のメカ美がありますね。
蒸気機関車の動輪部分の逆転装置を彷彿させます~。成功を祈ります!

いよいよ実験開始です。
この複雑な機構に加えて、ティルトアップ機構まで付いています
リンク機構が付くと複雑になってきて、部品の名前に困ります。 共通の認識が(いずれ?)必要になるかも知れないので、 発案者の小境さんとご相談し、暫定的に部品名を決めました。

    ↓

 1)操作桿(ティラー? ハンドル?)

 2)ヒンジ・ブロック

 3)アーム

 4)フィックスド・スケグ

 5)リンクド・スケグ

 6)コントロールライン・リード

 7)ブレード

 8)ブレード・ヨーク

 9)ステアリング・ロッド

10)フォア・リンク

11)パンタロッド

12)アフト・リンク

13)コントロール・ライン(見にくいので 番号は省略)

小境さんのテーマであるリンク機構付きと、この長大アームの実験映像は

小境さんが同時並行で実験しているのが、、これ!長大アームのパワーフィンです。

長いアームだと、左右に振れる領域での円運動の曲率

が小さくなるので、全域で迎え角が有効に働く、、筈だ

 

とても興味あるテーマです (^-^)v

 

 

 2011年8月の小境さんの改良パワーフィン

今回のアームは長さ95センチとのことです。

以下ご本人からのレポートです。

再び日本ライン木曽川に出掛けました。

アーム長さ95センチと言うのは適当ではないかと思います。フィンのワンサイクルの動きで1.5~2メートルくらい前進してる様に思われます。従い、随分早い流れの中にも(周囲は渦を巻いています)安心して進入できました。

操作桿の長さは75センチ、ブレードは長さ50センチ、幅8センチ、迎え角の範囲は30~40度。

アームの長さ60センチのことを思うと随分楽に漕ぐ事が出来、推進力も期待以上でした。速度は6キロ毎時以上ではないかと思われます。但し、この大きさになると、各部の強度を大幅に強化が必要の様です。チルトアップ等現構造では不能になっています。

リンクは短いものにし、アームに木ねじで固定してありますから、オリジナルのパワーフィンです。

アームの断面は両側の板の上部内側に板材を接着し溝型を構成し下端には梯子状に木片を接着して捩れ対策しました。

これらの強化策で、ほぼ目的の性能が確保出来たように思います。(高橋さんのアーム長1メートルのものと同等の機能?)

アーム長さは50~60センチでは短く、2メートルでは長すぎて捩れが辛く、ハンドりンングにも難ありです。1メートルくらいが落としどころの様に感じました。

 

 2011 年 10月の 第11回 WBBM in 奥琵琶湖での 小境さんの 長大パワーフィン改良版です。

アームの材質をアルミ製(マスト材を流用)に替えてのテスト風景。 ゆっくり漕いでいるようでも速い!