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  「ADf-scull」の理論のページ (初刊:2004/01/04、01/06 加筆)

このページでは2003年の年末に発表した「ADf-scull」の詳細を解説していきます。

少し回りくどいかも知れませんが、どうぞじっくりご覧ください。

 

2002年年末発表の「AD-scull」画期的ですが、しかし究極的とは言えないことが判りました。

これまでの「伝統櫓(乱流櫓)」の速度領域より一段高い領域に踏み込むことによって、今まで重要視して

いなかった問題に突き当たったのです。

 まずは下の図↓をご覧ください。

 櫓の部分部分で水の流れ

の角度が異なる。 さらに流れの速度も違うことが判ります。

 つまり先端ほど水流の角度(迎え角)が大きくて、速度が大きい

 この様に、櫓の部分によって相対的な水流の角度と大きさが異なるのです。

これは櫓の先端部分と中ほどの部分とでは流体力学的に違う状況にあると言うことです。

にもかかわらず、櫓は手元から先端にかけて直線的であるので、複雑な無駄が生じるのです。

 

 もう少し詳しく観察しましょう。

 面白い曲線でしょう!

これは外界から層流櫓の

先端部分と、中ほどの部分

との軌跡を観察した図です。

段々船のスピードが増すので

複雑な曲線になります。

 上の図のままでは解りに

くいので、2本の曲線を重

ねて並べてみます。

 低速の領域(左側)と、

高速の領域(右側)とでの

両曲線の傾斜の違いに注目

してください。

 ↑ この図で解るように、櫓の先端部と中ほど部のそれぞれの曲線の傾斜は‥‥

 低速域ではあまり違わない(無視できるほどの違いがある)が、高速域ではかなり(顕著に)違いがある!

 

この傾斜の違いがどういう問題を引き起こすかというと‥‥ブレードは適切な迎え角(水流に対するブレードの傾き)

で漕がなければならないのに、櫓は構造上直線状(ねじれがない)なので、どの部分も迎え角が違ってしまうので

す(@_@;

 図で解るように、低速域ではほとんど何の問題も生じませんが、高速域に入ると顕著になります。

つまり先端部では迎え角が過大になって抵抗値が増し、揚力(推進力)が低下してしまいます。つまり先端失速

(または翼端失速)という状態に陥ります。 先端部分は動きも速いので、失速するかしないかで効率が大きく異

なり、失速を防止できれば推進力は顕著に増加します。

この問題を解決しようと思うなら、どうしても櫓のブレードに捻れ(ねじれ)を与えると良いのです。 飛行機の

プロペラーを良く観ると、先端部ほど角度(ピッチ)が小さくなって、美しい曲線を描いていますね。 

 

 ← 飛行機のプロペラーの例

 ここではプロペラーを裏側から見ています。

 裏側から観察した方が櫓を考える時、理解しやすいのです。

 このプロペラーは先が右向きに回転します。

 先端速度が速いので、捻れが小さくなっているのが判ります。

 

 

 しかしプロペラーの回転方向は一定ですから、捻れを与えれば問題解決になりますが、櫓の場合は回転方向が

ストロークごとに入れ替わると言う重大な障害が立ちはだかります (^^;)

 そこで櫓のストロークごとに捻れを入れ替える、しかもそれを自動的に瞬時に実行させたいのです。

この↑夢のようなインテリジェントな?櫓が実現しました!↓「ADf-scull」です。

    

  このAD-scull の先端後部に取り付けられた小さなフィン(取り外し可能)が、過大な迎え角を検知して

 接続アームを介してテコの原理でAD-scull の先端を捻り下げる(迎え角を減らす)のです。 

 ← 上の図では過大な迎え角による乱流が生じているが、後方のフィンにより矢印方向の曲げモーメントが働くので、ブレード先端が捻られる。

 下の図は、捻りによって適切な迎え角に変わり、乱流が消えた(層流になった)状態。

 

 注:この場合、揚力係数だけを考えると、上図の方が係数が高い場合もある。 しかし抗力係数も急増しているので、重くて速く漕げない。 下図では軽く速く漕げるので、結果的に高い揚力(推進力)が得られる。

 

 

 捻りの値はわずか数度に過ぎませんが、失速という現象はほんの2〜3度のところで起きているのですから

 とても有効で、この結果漕ぎ手は櫓先が軽くなるのを実感できます(推力も増加するが、手には感じない)。

 この様にして、高速域で有効な「AD-scull」は更に有利な「ADf-scull」に進化しました。

  それでは「AD-scll」を「ADf-scull」に変身させるにはどんなサイズのフィン

 を取り付ければ良いのでしょう? まだ実験の最中なので定量的な事は申し上げられません m(_ _)m、

 しかし、定性的な目安としては‥‥

1)AD-scull 自体の捻れ(ねじれ)を利用するので、先端部は強度と供に柔軟性を持たせます。

2)フィンの面積はAD-scull からの距離との相関関係がある。離れていれば面積は小さくても良い。

3)しかし離れすぎると返しで破損しやすいので、程々の大きさがよい。

4)フィンの取りつけ角度は水面と直交する程度が効率がよい。

5)フィンの支持部(まだ名前がありません)は曲げモーメントに耐えられ、また横方向の抵抗が少ない

 形状であること(実例画像を参考にしてください)。

 ‥‥などが考えられます。

 

 ご注意上記の「ADf-scull」知的所有権は「AD-scull」と

同様に「GLラボ」が所有しています。 アマチュアまたは研究者による自作は

ご自由ですが,業者の方等による、営利目的の製作はできません。