【17】フロアー 等

                

    コクピットの床面はこのままでは集中荷重に充分耐えられる構造になっていな

いので、安心してセーリングを楽しむためにこの部分を補強しておく必要がある。

 補強には‥‥床部分を2重にする、とか、フレームの上にもう1枚の床板を曲げ付ける等、

いろいろな方法が考えられるが、ここではスノコ状の平らなフロアーボードを取付けることにす

る。

 スノコは荷重を分散してハルに伝えると共に、縦方向の強度メンバーともなる。もちろ

んコクピットの床面をドライに保つので居住性の点からも望ましい。

 まずL1〜L6の各フレーム位置にスノコを支えるフロアービームを取り付ける。取り

付けの方法はL1とL6の2個所だけはバルクヘッドの面に直接接着する。

 

 

 ←L1とL2にフロアーを取り付けたところ

  多数の穴は軽量化のためで、水抜きのための

  ものではない。

  水抜き(リンバー)は、一番低い位置(ホグに

  接した両サイド)にある。

また残りのL2からL5までは積層フレームの上にその形通りに切り出したフロアービー

ムを取り付ける。

 L1〜L4、L4〜L6はそれぞれ平面になるようにフロアービームの高さを調節する

こと。この作業を行なってみると、このように3次元曲面に平面を取り付けるのは予想外

に困難なことであることが解るが、各自工夫して取り組んでほしい。この場合フロアービ

ームの左右半分だけの型紙を取って決めるのが賢いやり方のように思われる。またL1〜

L6までを一平面となる様にすると、フロアー中央部が高くなり過ぎてコクピットの容量

が減少し全体の重量も増加するので好ましくない。

 

 

 

 

← スノコの実例

 センターボード脇は、セルフベイラーを取り

 付けるためにスペースが空けてある。

 スノコは木ネジにより固定するが、アカ汲みのことを考え開口部を用意すること。サイ

ズは現場合わせとするが、板と板との間に約10氓フ隙間を設けて水履けと通風を確保す

る。この隙間が大きすぎると、物を落としやすく、都合が悪い。  このの例はあくま

でも参考であり、各自で工夫していただきたい。この一連の作業の内、特にフロアービー

ムの取り付けはデッキを張る前にするのが効率的であるので、忘れずに済ませておくこと。

フロアビームの準備が出来ていれば、スノコの取り付けは容易であり、ハルの完成後に

残った材料を利用して間に合わせることも可能である。シーズンオフに伝統的なグレーティ

ング(格子状のスノコ板)に挑戦してスノコを取り替えるというのも一案と思われる。

 

 

 

 

← スォートとセンターボードの結合部

  スロット(隙間)の精度を保つためと、作業

  中の破損を避けるためにスロットを分割して

  おくのが望ましい。

 

 

 

← スロットの結合部分を切り取って仕上げる。

  スォートが【13】の写真より分厚く見える

  が、これは端の部分のみ補強して軽量化を

  計っている。

 フロアーの工作と特に関連はないが、ここでセンターボードケースのスロット部分とス

ォートとの結合部分まわりを補強し、整えることにする。 すなわち正確な

スロットをケースの上部開口部に取り付け、センターボードからの荷重をうまくスォート

に伝えることができるようにするのである。この部分はコクピットの中のデザイン上のポ

イントともなるので丁寧な仕上げが望ましい。もちろんこの作業は別の機会に行なっても

良い。

 

 

【18】デッキ

                 

デッキの材料にも使い慣れた6mmマリン合板を用い、まず前部の左右、次に後

部、最後にサイドの順序で張るのが一般的である。これは木取りと寸法合わせの作業上こ

の順序がもっとも理に叶っているからであろう。

 デッキビームの前後方向にバテンを当ててベベルを調べデッキが滑らかに張れることを

確認したら、各デッキの形を型紙に写しとり、これをもとに少し大き目に合板を切り出す。

 

 

 

 

 

← 前部デッキに少し大きめに切り出した合板を

  置いて最終切り出しの準備

 

 

 

 

 

 

← 前部デッキの接着が終わったところ

次にこれを所定の位置に当て、ハル内側に鉛筆を添わせてラインを引き(ペンシルスク

ライビングという技法)カンナで正確に仕上げる。カンナの刃をわずかに斜めに当てると、

境目の出来栄えが良くなる。デッキを接着する前に、所定の位置に仮り止めし裏側から

デッキビーム、ショートビームなどネジ止めすべき部材の位置を鉛筆でマークする。マー

クし終わったらデッキ材を取り外して裏側から木ネジ位置のガイド穴をあけておく。

 デッキを張ってしまうとハルの内側には手が届かなくなるので、その前に作業に抜けが

無いか良く確かめる必要がある。デッキ補助材は適切に配置されているか、内部塗装は完

全か、ドレンホールを設置したか、前部エアータンクの点検ハッチは取付けたか‥‥等々。

デッキ裏側の塗装も忘れないこと。

 

 

 

 

 

← デッキの裏側は、張り終わった後は塗装する

  ことは難しい、しっかりと塗装を施すこと。

 前部デッキはキングプランクの左右別々に分けて張り、小型の点検ハッチを左右どちら

かに用意する。このハッチは点検だけでなく、フォアデッキにバウプレート、ムアリング

クリートなど艤装品を取付けるとき役に立つので、右利きの自作者は右側のデッキに、左

利きの人は左側デッキに設置するのが良い。 締め付ける木ネジはデッキ下の部材を貫通

してはならないので、細いデッキ補助材などのところでは特に長さに注意すること。サイド

のネジ穴の間隔は50〜70mmとする。

 また前部エアータンクを形成するバルクヘッドとデッキとの接合部分は外から確認し難

いが重要である。この部分を確実に接着しておかないと、イザという時(「沈」した時)

エアータンクではなくウォータータンクとなってしまう。

 

 

 

 

 

 

← 後部デッキの接着

 後部デッキは合板の最大幅でちょうどうまく木取りできるはずであるが、もし不足する

場合は僅かであるので単純に継ぎ足せばよく、スカーフする必要はない。

 

 

← サイドデッキも接着。

  ハル(ビームシェルフ)側には木ねじを使う

  が、カーリン側には使わないこと。

  後でコクピットの縁の角を落とす必要が

  あるので、木ねじは邪魔になるからだ。

 サイドデッキにはサイドステイ、ジブシートリーダーなどが取付けられるので、これら

の取付け位置の裏側部分を前もって補強しておく。 サイドデッキは前部デッキと後部

デッキとの間にピタリと納めたい。 当然の事ながらデッキの合わせ目の出来栄えは外見の

重要なポイントとなるので、焦らずに作業を進めること。

 

コクピット4隅の部分は1枚のデッキ材料で型取りした方が工作は楽であるが、こうする

とサイドデッキの材料にかなり無駄が出る。これを避けるためにはこの部分を別に仕上げ

るのが良い。

 デッキを張り終わったら、トランサム内側のデッキより上の部分にマリン合板をもう1

枚積層してこの部分を補強する。これによりトランサムは合板3層で厚さ18mmとなり、

小型船外機も取り付け可能な強度となる。