アナウンサー「それでは見事な勝利で、ジュニアバンタム級新チャンピオンに輝いた、マグナム八郎選手の勝利者インタビューです!! マグナム選手、おめでとうございます」
マグナム「ハア、ハア、ゼーハー、あ…あり…ありがとうございます…ハア、ハア」
アナウンサー「14ラウンドで26回のダウンを喫しながら、最終ラウンドでの逆転勝利!! 見事でした」
マグナム「ハアハア…そう…ゼエゼエ…そうっすね」
アナウンサー「壮絶な試合でした。だいぶ、疲れてますね」
マグナム「ハア、ハア、ちょ、ちょっとね……2ラウンド目でアバラが折れて肺にささっちゃったんで……こ、こきゅ、呼吸が……ウッ! ハー、ハー、た、たいしたことないっス」
アナウンサー「3ラウンドでは、まるで矢吹丈ばりの両手ブラリ戦法に出ましたが、あれは意表をつく作戦だったんですか」
マグナム「ゼエ、ゼエ……いや、あ、あの……両手折れちゃったんで、上がんなかったっす。今も骨が肩から飛び出してんすけど……ハアハア…たい、たいしたことないっす」
アナウンサー「そして4ラウンドからラッシュが始まりました。まず4ラウンド目、タオルを投げ込もうとしたセコンドをノックアウト。5ラウンド終了後には、ラウンドガールをノックアウト。そして6ラウンドには、レフェリーをノックアウト。この連打はやはり闘志の現れだったんでしょうか」
マグナム「ハア、ハア、そ、それもあるっすけど、目がね、目が見えなかったっス。両目つぶれたもんすから…相手見えなかったっす。ハアハア…たいしたことないっす」
アナウンサー「7ラウンドが大ピンチでした。激しい出血により、ドクターの診断が入りましたが、この辺はいかがでした」
マグナム「ハアハア…な、なんか『脳が出てる』とか言われたんすけど、ハアハア…自分鼓膜破れて、なんか耳から汁が出てたっスから、よく…よく聞こえなかったっす。ハアハア…たいしたことない……ウブワッ! グエッ!」
アナウンサー「そのドクターを豪快にKOした後が、また苦戦でした」
マグナム「ぐう……うう……頭が…頭がいた…」
アナウンサー「折れた両手両足をコーナーポストに縛り付けて、かろうじて立っていたという戦法になりましたが」
マグナム「あ、あたまが……はらまが……は…はいりらころらりっス……」
アナウンサー「そして最終の15ラウンド、ついに根負けした相手側コーナーからタオルが入りました。まさかまさかの逆転劇!」
マグナム「へ、へんふうほふりひはっははへへふ」
アナウンサー「おめでとうございましたっ!! 会場のみなさん、マグナム選手に今一度盛大な拍手をおねがいします!!」
マグナム「ほうへんはひはほうほはひはひは」