『一個の人間』 武者小路実篤(「武者小路実篤詩集」より)



自分は一個の人間でありたい。
誰にも利用されない
誰にも頭を下げない
一個の人間でありたい。
他人を利用したり
他人をいびつにしたりしない
そのかわり自分もいびつにされない
一個の人間でありたい。

自分の最も深い泉から
最も新鮮な
生命の泉をくみとる
一個の人間でありたい。

誰もが見て
これでこそ人間だと思う
一個の人間でありたい。
一個の人間は
一個の人間でいいのではないか
一個の人間
   ○
独立人同志が
愛しあい、尊敬しあい、力をあわせる。
それは実に美しいことだ。
だが他人を利用して得をしようとするものは、いかに醜いか。
その醜さを本当に知るものが一個の人間。







↓つまりこういうこと


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