今日は楽しい日曜日♪

お天気はもちろん晴れで、ポカポカ陽気!

今日外に出ない人は、間違いなく損したであろう。

それほどまでに気分のいい日曜日だった。

では、彼らはどうだろうか。

 

第23新東京市。

 

そこに彼らは住んでいた。

名を、

碇シンジ

惣琉・アスカ・ラングレー・碇

という。

名前を見ても分かるように、夫婦である。

しかも、新婚。

そんな平和でラブラブな、碇夫婦に、今、災いが降りかかろうとしているとは、誰も知る由もなかった。

 


「あの日から・・・」「あの日の夜、今日の夜」に続くシリーズ第三弾!

悪夢、再び

by ドラネコ


 

TRRRRR、TRRRRR

あたしが庭で、ひなたぼっこをしていると、電話がなった。

あたしは、シンジが電話に出ると思い、そのままひなたぼっこをしていた。

案の定、シンジが出た。

あたしが、眠くなって大欠伸をしていると、いきなりシンジが大声を出した。

「うわ〜! 懐かしいね! え! 今日、家来るの! 全然迷惑じゃないよ! うん! じゃ待ってるね!」

ふ〜ん、誰かうち来るんだ。

誰だろう?

あたしがそんな事を考えていると、シンジがこっちに来た。

「ねえ、アスカ!これから、霧島さんが、うち来るって!」

「へえ、霧島さん」

ん? 霧島? なんかどっかで聞いた事のあるような・・・。

それから、たっぷり五秒ほどたって、あたしは気付いた。

ええ〜!霧島って、あの霧島?」

いきなり、耳元で叫ばれてシンジはちょっと驚いたようだが、すぐに、答えてくれた。

「うん。あの霧島さん」

あたしはすぐに自分の部屋にいった。

すばやく、暗証番号を入れて、本棚を開ける。

『シンジに言い寄ってきた、命知らずな奴たち』

という棚から、一冊のノートを取り出す。

すぐ横に『渚カヲル 危険ランクSクラス』というノートがあるが、今は関係ない。

そして、手に取ったノートを読んでみる。

そこには、こう書かれてあった。

 

霧島マナと悪夢の日々 危険ランクSSクラス。

 

※危険ランク○クラスとはなにか※

危険ランクとは、その名の通りシンジとあたしの仲を脅かす危険性の事。

ランクには七つのクラスがあり、一番危険がないのがEクラス。

そこから順に上がっていき

E、D、C、B、A、S

そして、もっとも危険があるのが、究極のSSクラス!

 

そんな、究極のSSランクを持っている霧島マナが今からこのうちに来るというのだ。

あたしは、焦った。

普段なら、もっと冷静な判断が取れたはずだが、今のあたしは頭に血が上って無理だった。

そこで、前はどうやって追い払ったのかを研究する(?)ために、あたしはそのノートに書いてある文を読み始めた。

 

 

 

 

 

その子はいきなり転校してきた。

普通の転校生なら、クラスに一人必ずいるという、情報通の人に知られて、前日には、話題になっているはずな

のだが、この子は違った。

全く、なんの前触れもなく、いきなり転校してきた。

「はじめまして、霧島マナです」

みんなその子を見たとたんに、動きが止まった。動いているのは、目だけ。

つまり、みんな見とれてしまっていた。男子だけでなく、女子も。

まあ、認めたくはなかったけど・・・あたしも、ね。

「え〜と、じゃあ霧島さんの席は・・・」

あたしは、ふとシンジのほうを見た。

シンジは、マナの事を見て呆然としている。

なにか、見とれているのとは違う感じがした。

先生が、席を決めかねていると、いきなりマナが、

「あっ! やっぱりシンジだぁ!」

そう言っていきなりシンジに駆け寄って、抱き着き、頬にキスをした。

「おお〜〜〜〜〜!」

クラス全体がどよめいた。

「うらやましい!」

「シンジだけずるい!」

「うわ〜〜!霧島さん、大胆!」

「いいなぁ、碇君に抱き着いて。あたしもあんな大胆さがあったらなぁ」

という声が、あちこちから聞こえてきた。

「センセ〜!」

いきなり手を挙げて、マナが言う。

「私、この席がいいです!」

そう言うと、空いていたシンジの隣の席に座った。

そして、また、頬にキスをする。

またしても、クラス全体がどよめいた。

そんな中、シンジは必死に逃げようとするが、マナは、つかんで離さない。

「逃げる事ないでしょ、シンジ!」

シンジの顔が、まさか!という顔になる。

「将来をちかいあった仲なんだから♪」

瞬間、クラス全体が驚きを通り越して、声を出せないほどになっている。

はっきりいって、あたしもショックを受けた。

シンジはというと、やっぱり!という顔をしている。

 

その後、一日中、このクラスはなにかを殴る音、蹴る音、などが堪えなかったという。

もちろん、その男子たちの手荒い祝福を受けていたのは、シンジだというのは、言うまでもない。

 

 

 

それから、あたしとマナとの、壮絶なシンジ争奪戦が始まった。

マナは小さい頃、こっちに住んでいて、よくシンジと遊んでいたが、親の都合により引っ越しをしてしまった。

そして、十数年の時を経て、またここに戻ってきたというわけだ。

あたしは『将来をちかいあった仲』について、シンジに聞いてみた。

「ちいさかったから、結婚するって事がよく分からないまま、約束したみたいなんだ」

その説明に、あたしは一応納得はした。

しかし、小さい頃の約束を今でも覚えているということは、ずいぶんインパクトがあったということだ。

霧島マナ、おそるべし!

 

マナはシンジを、時間があれば、という感じで、いつもどこかに連れて行く。

しかし、いつも帰ってくる時なんだか淋しそうな顔をしてマナは帰ってくる。

シンジに問い詰めてみても、

「ふつうに、話をしていただけだよ」

としか言わない。

おかしい。

 

あたしは、シンジたちを尾行する事にした。

すると、はじめは笑っていたマナも、だんだん元気がなくなって、そして、いつもの淋しそうな顔をする。

なぜそうなるかをあたしは、三回目の尾行で知った・・・。

 

シンジとマナは、どこに行くでもなく、ぶらぶらと歩いている。

少し耳を傾けると、話している内容が聞こえる。

「──で、アスカがさあ──」

あれ?

今、マナが暗くなったみたいだけど、気のせいかなあ?

「──その時、アスカがね──」

あっ!

また暗くなった。

まさか・・・。

「──それで、アスカはね──」

また暗くなった!

間違いないわね。

あたしの話が出ると、マナは淋しそうな顔をする。

シンジが、あたしのことを話すのは、無意識だと思うけど、それがマナを淋しそうな顔にさせる。

無意識のうちに話してくれるなんて、あたしって、幸せ者!

※他に話すことがなかった、とシンジ君は語ってくれました※

 

──数日後。

あたしは、マナに体育館裏に呼び出され、ボコボコにされた挙げ句、金を巻き取られ──なんてことはされなかったが、一緒に帰ろう、と言われた。

どうやら、二人で話したかったらしく、シンジには先に帰ってもらっていた。

「ねえ、アスカちゃん」

マナは、そう言ってはじめた。

あたしは、アスカ、でも良いと言ったのだが、マナがどうしてもアスカちゃんがいい、と言い張った。

「この前、わたしを尾行してたでしょ」

いきなり言われて、驚いた。

怒っているかと思いきや、顔は笑っていた。

「う、うん」

「わたし、シンジのことあきらめる」

またも、以外の言葉に驚いた。

「尾行してたら、分かったよね、シンジが話してたこと」

「うん」

「ずーっと、アスカちゃんのことしか話さないんだもん」

そう言って、下を向く。

「わたし、淋しかったの」

そうして、淡々と話し始めた。

「今まで住んでた所、大人しかいなくて、誰も遊ぶ相手がいなくて、ずっと淋しかった。それで、親に言っても、聞いてくれない、何にもしてくれない。どんどん淋しくなっていって、気がつけば、大きい家に、わたしだけ、ポツンと一人ぼっちで立ってるような気分になって、淋しかったの」

マナはもう湧き出てくる感情を押さえられない様だった。

「そんな時、こっちにまた引っ越しするって聞いて、嬉しくて嬉しくて、引っ越しの前にこっちのこと調べたの。そうしたら小さい頃、唯一わたしと遊んでくれた、シンジの名前が名簿にあったの。だから、わたしこの学校が良いってねだったら、すんなりOKしてくれたの」

だから、転校してきた時、『やっぱりシンジだ!』って言ったのか。

「でも、そのシンジもアスカちゃんの事ばかり話すでしょ。だからあたし余計淋しくなって・・・」

そこまで言うと、マナは顔を上げて、続けた。

「でもね、わたし分かったの。今までは、誰かがそばに来るのを待ってた気がする。でも、それじゃダメなんだって、自分から行かないと、何にもならないんだって。だからね、今度からは自分から積極的に自分から行こうと思うの」

「何で、今度からなの、今からじゃダメなの?」

あたしは、気がついたことを言ってみた。

「わたし、また引っ越しするの」

「!」

「一週間後ぐらいにね」

「・・・そう」

「アスカちゃん、今までありがとね」

「・・・・・・」

「それじゃあ、アスカちゃん。わたし、もう帰らなきゃ。荷物とかまとめないといけないし」

そう言って、マナは走って帰っていった。

マナの目に涙が見えたのは気のせいだろうか・・・。

 

あたしはすぐにヒカリを呼び、マナの家に向かった。

そして、マナの両親にマナの気持ちを話した。

マナは、まだ帰ってきていない様だ。

そうすると、マナの両親は意外そうな顔をしていたが、ヒカリも一緒に説明すると、信じてくれた様子だった。

そして、引っ越す場所を同年代の子供が多い所に変更すると約束してくれた。

 

──そして、一週間後。

あたし達は、空港にいた。

クラスのみんなが、全員来ていて、マナは驚いていたようだが、すぐに笑顔になった。

「アスカちゃん」

あたしのほうを向いて、マナが言う。

「本当にありがとう。お父さんもお母さんもちゃんと気にしてくれるようになったし、もう、淋しくないよ」

そして、最後に小さい声であたしにこういった。

「やっぱり、シンジはあきらめないわ。いつかまた奪いに来るからね♪」

あたしが今まで見たことのないような、笑みを浮かべながら、出発していった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

ピ〜〜ンポ〜〜ン♪

はっ!いつのまにか、ぜんぶ読んでしまった!

しかも、マナが来た・・・。

「ほら、アスカ行こうよ」

シンジがドアの向こうで呼んでいる。

「う、うん、今行く」

結局、良い対処方法が見つからないまま、あたしはマナを出迎えることになった。

ガチャ!

シンジが玄関のドアを開ける。

さっそく飛んできたのは、マナの飛び蹴り──のはずがない。

本当に飛んできたのは、昔と変わらない、マナの黄色い声だった。

「シンジ!アスカちゃん!久しぶり!!」

相変わらず威勢が良い。

「元気にしてた?」

シンジが聞く。

「もっちろん!」

昔のままの笑顔で答える。

そんな中、あたしはずっと心配していた。

マナが、シンジを奪いに来たんじゃないかと。

まあ、このあたし達に限って、そんなことはないだろうが・・・。

しかし、シンジのにやけ顔を見ていると、なんとなく心配になる。

しかし、あたしの心配も、ほんのチョットだった。

「ねえ、もう一人は?」

シンジがマナに聞いた。

?もう一人?

「ああ、忘れてた」

そういって、マナはドアの影から、一人の男の人を連れてきた。

「ハ〜イ!紹介します!わたしのだんな様で〜す!」

へ?

「まったくもう、忘れてたなんてひどいなあ」

そう言ってその男の人はちょっと怒ったような顔をした。

マナの、だんな様?

「ちょっと!シンジどういう事なのよ!」

あたしは、シンジにつかみかかった。

「え?いってなかったけ?結婚して、こっちに引っ越してきたから、挨拶に来るって」

「そんなの聞いてない!」

「あ、そうか。アスカ、電話のこと話したら部屋に行ってそれっきりだったもんね」

「・・・・・・」

あたしは怒りで声が出なかった。

そして、今までで最高(当社比)のアッパーをくらわした。

シンジは、壁にぶつかって血を吐いて倒れているが、まあ大丈夫だろう。

あたしはそれから少し、マナとそのだんな様と、話した。

もちろんシンジは生と死の狭間をさまよったままである。

そして、別れ際。

マナが、今まで見たことのないような笑みを浮かべて、フフフと笑いながら、帰って行った。

いや、違う。

今までで、二回目だ。

そう、あの空港の時の笑いと、そっくりだったのだ。

まさか、また奪いに来るんじゃ・・・。

・・・・・・。

まあいいか!

それより、シンジよ、シンジ!

「シンジ!大丈夫?」

そう言って、あたしは元気に、生と死の狭間をさまよっているシンジのもとへ駆け寄った・・・。

 

 

 

 

その後、マナが、その日のうちに、さっそく離婚届に判を押し、シンジの所へ行ったが、

丁度シンジとアスカの甘〜いラヴシーンを目撃してしまい、ショックでシンジを誘惑する気を失い、

ただのバツイチとして、路頭に迷ったという噂があるが、詳細は不明・・・。

 

 

Fin

 


「あの日から・・・」「あの日の夜、今日の夜」に続く、あの日からシリーズ三部作、「悪夢、再び」でした。

今回は、シンジ君の出番が少ない、というよりもほとんどない!

これじゃあダメだ!ということで、次回作は、あの日からシリーズ番外編「シンジ君奮闘記(仮)」で、行きましょう!

これは、シンジ君の視点で語られる物語──の、はずです。

で、「悪夢、再び」なんですけど、なんだか、異様に長〜くなってしまいました。

本当は、もうちょっと縮めるつもりだったのに・・・。

え〜と、マナの扱いですけれども、「シンジによってくる奴は、あたしが許さないわよ!」(by アスカちゃん)の、

教え通り、マナ吉は幸せにしては行けないのです!

と言うことで、マナは不幸な運命です。

我が輩は、LAS作家だ!マナ吉は断じて許さない!文句ある奴出てこい!

嘘です。出てこないでください。

でも、マナ吉はだめです、と言うことで、こういう扱いになりました。

お許し下さい。

では、これ以上話すと、変なことをいいかねないので、退散致します。

「シンジ君奮闘記(仮)」を楽しみに待ってて下さい!



ドラネコさんによる投稿作品第3作目、「悪夢、再び」でした〜。
ドラネコさんありがとうございます(^o^

今回のお話は前回の予告通り、マナが登場ですね(笑)
壮絶なアスカとマナのシンジを巡る争奪戦……かと思いきや、ちょっぴりしんみりさせる内容でびっくりしました。
でもオチはギャグ(笑)
いくらなんでも今の相手と離婚しちゃ駄目でしょ、離婚しちゃ(^^;

新人作家のドラネコさんへ感想を!
是非是非お願いしますっ!!

えびはですね、マナの事嫌いじゃないですよ。本当に(^^;
ただ「LASの障害となるものが嫌い」なので、必然的にシンジに色目を使う鋼鉄のマナはちょっとアレなのです(^^;


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