Die Welt, auf der sie hofft(彼女の望む世界)
Episode 1:【Die Person, die kampft. Die Person, die es beobachtet(戦う者、見守る者)】
written by ジン
『作戦を繰り返します。』
装着したインカムから物静かな声が流れる。
『一部開放された人質の情報によると目標は推定10名、現在3階音楽室に2名、屋上に2名、1階正面玄関に2名、残り4名は常時校内を徘徊中の模様。』
全身黒いタクティカルスーツに身を包んだ小柄な隊員は、コンバットブーツの紐を結びながら目標の情報を頭に叩き込む。
『学校の名簿にて確認した結果人質は残り5名、教師1名、生徒4名、フタマルヒトマル銃声が2発。発生源は3階音楽室と判断。被害については現在不明。尚人質は音楽室にいると思われます。』
ベレッタからマガジンを抜き出し残弾数の確認をすると、再びマガジンをグリップに滑り込ませスライドを引きチャンバーに弾丸を送り込む。
『目標の装備も詳しくは不明。少なくともハンドガンの所持は間違いなく、短機関銃所持の可能性も否定出来ません。』
小柄な隊員はゆっくりと立ち上がり、コンバットブーツの履き心地を確かめるように、爪先を地面に数回ノックさせた。
『突入後は人質の人命を最優先、目標の射殺も許可します。』
右腿に装着しているナイフを抜くと、二、三度柄を握り、手への馴染み具合を確認する。
『突入時刻はフタマルヨンマル、アルファは西より校内に潜入、巡回の目標を排除の後音楽室へ移動、チャーリーは二階非常口から潜入後屋上の制圧、ブラボーとデルタは東より潜入、デルタは正面玄関を制圧、ブラボーは巡回の目標を排除しつつ音楽室へ移動後アルファと合流、指示を待て。全隊員時刻合わせを。』
インカムの合図に合わせて時計の時刻を合わせる。
突入まで後五分、小柄な隊員はふーっと一息付き、ヘルメットをかぶり直した瞬間、ヘルメットが視界を塞ぎ目の前が真っ暗になった。
「我が隊きってのエースアタッカーが緊張してんのか?」
小柄な隊員はヘルメットを押さえつけている手を黙って払いのけると、一回り以上体格の良い隊員、大和シュン中尉を一瞥した。
「まっそんな柄じゃないよな。頼むから前回みたいな無茶はしないでくれよ?サポートするこっちの身にもなってくれ。」
両手を肩の位置まで挙げるジェスチャーをするシュンに構う事無く、小柄な隊員は腕時計を睨みながら刻一刻とせまるその時を静かに待っていた。
その事件は突然起こった。
普段なら授業も終わり、生徒たちは各々の家へと帰る時刻に突如武装した集団がある小学校へと乗り込むと、校内に残る一部の教師と生徒を人質に取りそのまま学校へ立て籠もった。
立て籠もりから一時間後、マスコミが集まり始めた頃合を見計らったかのように武装集団から始めての要求が出されたが、その対応に政府が戸惑っていると突如一部の人質が解放された。
しかし、これは単純に喜べる事ではなかった。
交渉が長引くと判断した武装集団は、必要以上の人質は自分達の手に余ると判断したと思われる、つまり長期戦へと計画を切り替えたと言っても過言ではない。
長期戦になればなる程、犯人達は神経質になり何をしでかすか判らなくなる。
武装集団と警官隊との睨み合いが続く中、対テロ鎮圧特殊部隊が現場に到着して程なく、校内から2発の銃声が聞こえた。
それを受け、政府は特殊部隊の突入を決断したのである。
静かにその時は訪れた。
それぞれの隊員が一斉に校内へと潜入を始める。
小柄な隊員は一階教室の窓をそっと割り音も無く教室へと滑り込むと、すぐに入り口のドアを少しだけ静かに開き、先に小さい鏡の着いた棒を廊下へと忍ばせる。
鏡には十メートルほど先にサブマシンガンを腰に構えた男が辺りを見回していた。
小柄な隊員は後から入ってきたシュンを手招きして鏡の付いた棒を手渡した。
「何が短機関銃の所持の可能性だよ。ばりばりウージーを持ってんじゃねえか。」
シュンはそっと呟き鏡を小柄な隊員に返した。
「で?どうするんだよ?」
シュンの問い掛けに、小柄な隊員は手短にサインを送った。
「だろうな。そうだろうと思ったぜ。」
サインを見たシュンは入り口のドアの傍に移動し、何時でも開けられる状態にスタンバイした。
小柄な隊員はベレッタを構え呼吸を整えると、シュンに合図を送る。
ドアが開かれ小柄な隊員が廊下に踊り出るのと、男がこちらに気付くのはほぼ同じだったが、ベレッタを構え目標を把握していた小柄な隊員の方が一手早かった。
飛び出したと同時にベレッタの引き金を引いたにも関わらず、発射された弾丸は男の右腕を正確に貫いた。
ウージーの引き金から指が離れるのを一瞬で確認して小柄な隊員は男に向かって走り出し、間髪を入れずに二度ベレッタの引き金を引く。
いきなり現れた侵入者に撃たれた男は何が起こっているのか把握すら出来ぬまま、両膝に激痛を感じその場に崩れ落ちる。
次の瞬間、男の目に映ったものは小柄な隊員の右膝だった。
男が崩れ落ちてゆく最中、小柄な隊員は男との距離を一気に縮めそのままのスピードで男の顎に飛び膝蹴りを叩き込む。
右膝に顎の砕ける感触が伝わり、顎を砕かれた男はそのまま仰け反る様に倒れ意識を失った。
「射殺の許可も下りてるって言うのに相変わらずだな、お前さんは。」
シュンは両足を撃ち抜かれ顎を砕かれた男を見下ろしながらそう言った。
小柄な隊員はその問いに答える事なく手短にインカムで状況を報告する。
返事が返って来ない事に慣れっこなシュンは、気を失っている男を手早く拘束すると、誰もいない教室に押し込んだ。
シュンが一連の作業を終え、再び廊下に戻った時にはすでに小柄な隊員の姿はなかった。
「全く…毎度の事とは言えフォローするこっちの身にもなれよな……。」
やれやれと言った感じでシュンは自分のベレッタをホルスターから抜くと、小柄な隊員の後を追う為に行動を開始した。
その頃小柄な隊員は、目的地である音楽室を目指しながらインカムから報告される現状に耳を傾けていたが、それから聞こえる状況に思わず足を止めた。
『こちらデルタ!現在正面玄関で目標と交戦中!やつら人質を連れてやがる!!』
インカムから聞こえるのは、怒鳴り声と銃声、そして女の子の悲鳴。
一際大きく聞こえる女の子の叫び声が突然途絶えると、それと同時に銃声も止んだ。
代わりに聞こえてくるのは仲間の悲痛な叫び。
『目標は排除!女の子が撃たれた!!繰り返す!畜生!!女の子が撃たれた!!』
装着したインカムを耳に押し付け、小柄な隊員は歯が砕けるのではないかと思うほど奥歯を噛み締め自らの瞳に怒りの色を浮かべると、脱兎の如く駆け出し三階へと続く階段へと足を踏み入れたが、踊り場にたどり着くや否や、小柄な隊員は自分が我を忘れている事に気付かされた。
普段なら周囲の状況確認を怠らないのだが、この時は怒りのあまり状況確認をせずに階段を駆け登ってしまったのだ。
踊り場で銃を持つ男と鉢合わせてしまったその僅かな時間で、小柄な隊員は思考回路を瞬時に戦闘モードへと切り替えた。
自分に銃が向けられるより速く、その持ち手に神速の域に達するスピードで肘を振り下ろすと、男の手から落ちる銃が地面に着く直前に素早くそれを足で払い退ける。
だが、今回の男は先程打ちのめした男とくぐって来た修羅場の数が違っていた。
失った武器に目をくれる事なく、腰に携えた新たな武器に手を掛け、それを鞘から抜くと瞬時に小柄な隊員を横一文字に切り裂く。
小柄な隊員は寸での所でその攻撃をかわし、ベレッタの照準を男に合わせようと構えた瞬間、男はナイフの握りを一瞬で替えると、柄の底でベレッタのグリップの底を下から叩き上げた。
その衝撃に耐えられず、ベレッタは小柄な隊員の手から弾け飛ぶ。
男はその振り上げられたナイフを持つ手を、今度は小柄な隊員の右肩を目指して振り下ろす。
小柄な隊員は僅かに身を捻りその斬撃をかわすと、男との距離を即座に離した。
「小さいなりしてやるじゃねえか。」
男はナイフを持ち直すと切っ先を小柄な隊員に向けた。
その挑発的な行為に乗る事なく、小柄な隊員は何事も無かったかのように右腿のナイフを音も無く抜いた。
「ほう、お前の最後の武器もそれか?気が合うねぇ。少しは楽しませてくれよ!」
そう言い終わらない内に男は地面を蹴ると、その勢いのまま一直線に小柄な隊員の胸を目掛けて突進する。
小柄な隊員は構えたナイフで男から繰り出された突きを受け流すと、すぐさま反撃に打って出る。
「遅い!」
男は小柄な隊員の攻撃を難なくかわすと、今度は腹部に向けてナイフを走らせる。
小柄な隊員は勢い良く後ろに飛び何とか攻撃をかわしたが、着地の瞬間僅かにバランスを崩した。
その隙を見逃さなかった男は更に距離を詰めながら回転すると、全てのスピードとパワーをそのナイフに込め、小柄な隊員の首に狙いを付け薙ぎ払う。
咄嗟に小柄な隊員は自分の首元にナイフを引き戻した刹那、金属と金属が打ち合う音が響き渡る。
この打ち合いに勝利したのは男の方だった。
渾身の力を込めて放たれた一撃を受けきる事ができず、小柄な隊員は自分のナイフと引き換えに首への一撃をそらし、再び男との距離を取るのが精一杯だった。
「今ので首が飛ばなかっただけでもたいしたもんだ。」
ベレッタを失い、ナイフまでも折られてしまった小柄な隊員は、被っていたヘルメットを無言で脱ぎ捨てた。
その下から艶やかな長い亜麻色の髪が現れる。
「お前、女だったのか?」
おでこにかかる前髪をかき上げ現れた素顔は、まだ少女と言っても良いような顔立ちにも関わらず、その鮮やかな碧眼は臆する事無い眼差しを男に向けた。
「……で?何のつもりだ?命乞いでもする気か?」
「Weil ich behindernd war, nahm ich es ab. Es gibt die Zeit nicht lohnende Aufmerksamkeit gegenuber Ihnen.(邪魔だから脱いだだけよ。アンタに構っている暇は無いから。)」
「何言ってんだ?お前?」
少女の発した言葉を理解できず、男は怪訝な表情で少女を睨む。
「ヘルメット脱いだ所で素手のお前に勝機はねえよ!」
男は止めを刺す為に最後の攻撃に転じた。
だが、男の攻撃は相手が素手だからか、はたまた相手が少女だったからかは判らないが、心に芽生えた油断から今までのそれとは僅かにスピードが鈍る。
少女はナイフを握る相手の手の軌道を完璧に読み切り、その手を掴むと男の突進する勢いを殺す事無く一気に捻り上げ、その力を利用し華麗に相手を投げ飛ばすと後頭部から一気に床へ叩き付けた。
口から泡を吹き失神した男を見下して、少女は拳を作り静かに呟く。
「Ich werde enttauscht. Eine Waffe von meinem letzten ist dieses.(残念ね、私の最後の武器はコレよ。)」
『アスカ、状況を報告して。』
アスカと呼ばれた少女のインカムから、上官である作戦部長の声が聞こえる。
「Ist es Misato? Es ist jetzt vor dem Bestimmungsort. Als so eine Sache! Die Bedingung des Madchens!?(ミサト?今目的地の前にいるわ。そんな事より!撃たれた女の子の容態は!?)」
アスカの捲し立てる報告に、作戦部長であるミサトは溜息をついて忠告した。
『Asuka, es ist wieder deutsch.Beruhigen Sie sich. …Es wird bewahrt.(アスカ、またドイツ語になってるわよ。落ち着きなさい。…女の子は無事よ。)』
ミサトの言葉にアスカはホッとすると、またしても自分では気付かずドイツ語で話しているのを確信し、深呼吸を一つしてから答えた。
「もう大丈夫よ、ミサト。」
やや落ち着きを取り戻したアスカは、日本語でミサトに返答する。
『その癖は相変わらずね。それと、作戦中はミサトって呼ばないようにって言わなかったかしら?』
ミサトも同じく日本語で問い掛ける。
「申し訳ありませんでした。葛城中佐。」
アスカはやや口調を柔らかくして作戦部長の呼び方を改めた。
そのアスカの様子に、ミサトはアスカに冷静さが戻ったと思ったのだが、後々その判断が間違いだったと言う事に気付かされるのを今はまだ知る由もなかった。
『アスカ、現在の状況は?』
「音楽室の様子はここから目視での確認は不可能です。他のチームは?」
『チャーリーは屋上制圧に成功、現在屋上にて待機中。デルタは正面玄関制圧後、撃たれた少女救出の為一時離脱。ブラボーは現在徘徊している巡回者と交戦中の模様。シュンは?』
ミサトはアスカとペアを組んでいるもう一人の隊員の所在を尋ねた。
「さぁ?」
ベレッタのマガジンに手早く弾を補充しながらアスカは手短に答えた。
『さぁ?ってアスカ……アナタもうちょっとチームワークってものを…。』
「葛城中佐、今そんなお小言を聞いている暇はありません。」
中の様子を伺っていたアスカは、室内から聞こえる僅かな呻き声を確認すると、緊迫した声でミサトの言葉を遮った。
「恐らく最初の銃声で人質の誰かが負傷している模様。容態が確認出来ない現状で早期救出が必要と判断します。」
『待ちなさいアスカ!せめてシュンと合流してから…。』
ミサトの言葉をアスカは再度遮る。
「早期って言ったでしょ?大丈夫、アタシ一人でも行けるわ。ミサト、アタシを信じて。」
『ちょっアスカ!?待ちなさいって言って…!!』
先程“葛城中佐”と言ったアスカに再び“ミサト”と呼ばれた作戦部長は、アスカが完璧に冷静さを取り戻していない事にようやく気付いたが、時すでに遅し、ミサトには今のアスカを止める事は出来なかった。
すでに突入準備をすませているアスカは、インカムのスイッチを切ると即座に行動を開始した。
アスカは手に収まるほどの筒状の物を取り出すと、それに付随したピンを素早く引き抜き、音楽室のドアをそっと開け、その物体を室内に投げ入れた。
部屋に転がり込んだそれを室内にいた全員が気付いた瞬間、スタングレネードは凄まじい閃光と大音響を発した。
決着は一瞬でついた。
アスカは室内に飛び込み、目を覆い屈み込んでいる二人の標的を瞬時に判断すると、一人の男に地面すれすれから振り上げた拳を顎下に的確にヒットさせた。
男がそのまま真後ろに倒れ込むのを横目で確認し、もう一人の男の鳩尾目掛けて渾身の肘打ちを繰り出す。
男は短い呻き声を発すると、膝から崩れ落ちる様に地面に倒れ込んだ。
動かなくなった男達を素早く拘束すると、スタングレネードの閃光から未だ回復していない人質の元へ駆け寄る。
「やっぱり。」
アスカは壁にもたれかかり息も絶え絶えになっている男性の赤く染まる腹部に目をやり言った。
男性はやや視力の回復した目で自分を介抱するアスカの姿に気付いた。
「ア…アナタは?」
「特務機関NERV対テロ鎮圧特殊部隊所属、惣流・アスカ・ラングレー大尉です。皆さんを助けに来ました。」
「生徒……他の生徒は…?」
教師と思われる男性は、一緒に人質になっている子供達の様子を聞いた。
「大丈夫です。今はアナタと同じように耳鳴りと目の眩みを感じていますが、じきに治まります。」
アスカは簡易医療キットで男性に応急処置をしながら、生徒の身を案じる教師の問い掛けに答えた。
「犯人…達は……?」
「全員制圧しました。ほら、あそこで気絶しています。」
アスカは男性に倒れている男達を指差して言った。
「一人…足りない……、ここには…三人……いたはず。」
男性の言葉に、アスカは表情を硬くさせ辺りを見回す。
「本当ですか?報告ではここには2人と聞いていたのですが。」
男性の応急処置を終わらせたアスカは、ベレッタを構えるとゆっくりと立ち上がった。
(しまった…情報を鵜呑みしすぎた……。)
アスカが自分の判断が甘かったと思ったその時、教室の奥から何者かが姿を見せた。
その気配を感じたアスカは、即座にその方向に向けベレッタを向ける。
「動くな。これが何だか判るか?」
男はベレッタを向けるアスカに鋭く言うと、銃を構える手とは別の手に握られている物をアスカに見せた。
(起爆装置…。)
アスカはそれが何なのか即座に理解した。
「そう、お前の思っている通りの物だ。ガキ共の首下を見てみろよ。」
男の言葉に、アスカは意識を男に集中させたまま人質の生徒達に目をやると、その首下には細いバンドのような物が巻かれていた。
「そう言う事だ。これを押すとドカン、ってわけさ。大した威力じゃないけどガキ共の首を吹っ飛ばすには十分だぜ?判ったらその物騒な物捨てな。」
男はスイッチを押す仕草をして不適に笑った。
アスカは激昂しかけている自分を必死で押さえ付け、努めて冷静に打開策を思案する。
アスカと男の距離は、アスカの歩幅で約10歩。
いくらアスカとは言え男にスイッチを押す間を与えず、素手での必殺の一撃を叩き込むのは不可能と言える。
男の起爆装置を持つ手を打ち抜いたとしても、もう片方に握る銃を同時に打ち落とすのは至難の業だし、万が一外した時、男はどこに発砲するか判らない。
(一発で仕留めるしかない…?でも……。)
アスカの自問自答に出た答えは、“NO”だった。
「さっさと捨てろって言ってんだろ!」
男は苛立ちを隠せず叫んだ。
アスカは現在考えられる最良の、そして最悪の道を選ぶしかなく、ベレッタの照準を男から外すと、アスカはベレッタを男の方へ投げ捨てた。
男は丸腰になったアスカに満足そうな笑みを浮かべると、唐突に言った。
「ところでお前、自分が身に着けている防弾ベストの耐久性って知ってるか?」
室内に一発の銃声が響き、アスカの右腹部に鈍い痛みが走った。
「一発なら運が良ければ痣が出来るくらいで済むが、これはどうかな?」
先程銃弾が当たった箇所に、今度は複数の銃弾が連続して突き刺さる。
いくら防弾ベストとは言え一発でも弾丸を受けた場所は繊維の劣化が激しく、近い場所に続けて弾丸が命中すると繊維が避けて貫通してしまう。
まるで焼けた鉄の棒を押し付けられた様な鋭い痛みがアスカを襲う。
腹部が見る見る赤く染まり、アスカは自分の下半身が突然無くなった様な感覚に囚われその場に静かに崩れ落ちるも、その碧眼は男から視線を外す事はなかった。
「何だ?その反抗的な目は!?」
男は睨み付けるアスカに向け、再度発砲した。
弾丸はアスカの左頬をかすめ、それによって作られた一筋の線から血が滲み出ても、アスカは一瞬たりとも男から目を離さなかった。
「そんなざまで何が出来るんだよ!?えぇ!?」
男はさらに引き金を引くと、アスカの左肩から鮮血が弾け飛ぶ。
(まだ……まだ我慢よ………アスカ………あと……1発………。)
アスカは体内から血液が失われて行くのを感じながら、意識を失いそうな自分に必死に言い聞かせる。
「そんな目で俺を見るんじゃねぇ!!」
男は怒りを抑えられず、アスカに近付き跪くアスカの太腿に向けて銃弾を発射する。
アスカの失いかけていた意識は、新たな激痛によって呼び起こされた。
(これで………!)
アスカはそっと微笑む。
その微笑みを見た男の怒りは頂点に達した。
「そんなに死にたいなら、さっさとくたばれ。」
男はアスカの額に銃口を押し付けると、引き金にかける指に力を込める。
この時、男は怒りのあまり2つの大きな過ちを犯している事に気付く余地もなかった。
1つ目の過ちは、男の持つ銃は【トカレフTT-33】、使用弾薬は7.62mmトカレフ弾、装弾数は8発。
アスカに向けて発射された弾数は腹部に5発、左頬に1発、左肩に1発、太腿に1発、すなわちマガジンに残る弾数は0。
そしてもう1つは、徒手格闘技のエキスパートであるアスカに、不用意に近付き過ぎたと言う事。
その2つの過ちに男が気付いた時にはもう遅かった。
カチン、と空しく撃鉄が落ちたその時、アスカは最後の力を振り絞り唯一動く右手を硬く握り締め、起爆装置を持つ腕の肘目掛けて渾身の力を込めて突き上げる。
骨の砕ける音が聞こえ、一瞬で肘の関節が粉砕されると男の手から起爆装置が落ちるのと同時に、アスカはそれを叩き壊した。
「て…てめぇ!殺してやる!殺してやるーーーーー!!!」
男は後ずさりしながら握られたトカレフの引き金を何度も引くが、残弾数が残っていないトカレフでは、もはや何の役にも立たない。
「くそったれ!」
男はトカレフを叩きつけると、先程アスカが投げ捨てたベレッタを拾い上げ、アスカの脳天に照準を合わせる。
全ての力を使い切ったアスカはもう動く事も儘ならず、ただ虚ろな表情で銃口を見つめた。
(ヤダな………ココまでなの……?)
全てを諦めかけた時、アスカの脳裏に一人の少年の顔が浮かんだ。
それは全てを包み込むような優しい笑顔。
その瞬間、アスカの紺碧の瞳に輝きが戻る。
その強い眼差しに、思わず男は引き金を引く手を一瞬止めてしまった。
アスカの気迫がアスカと男の運命を決めた。
1発の銃声が響き渡ると、男の眉間に小さな穴が開き、男はそのまま絶命した。
アスカは僅かに首を捻り銃声の方へ視線を向けると、力なく微笑んで言った。
「遅かった…わね……。」
その視線の先にはベレッタを構えたアスカのパートナー、シュウの姿があった。
「バカヤロウ、お前が突っ走るからこれでも超特急で追っかけて来たんだよ!」
シュウは皮肉を込めて答えると、アスカの元へ駆け寄る。
血だらけのアスカを目の当たりにしたにシュウは、インカムに向けて緊迫した口調で言った。
「こちらシュウ、音楽室は制圧!アスカがやばい!!すぐに救急医療班を!!」
衛生小隊の救急医療班が音楽室に到着したのは、それから僅か数分後の事だった。
その隊員の中で一際小さな隊員は、アスカの姿を見つけると真っ先にアスカの元へ駆けつけた。
そんな隊員にアスカは、心配をかけまいと無理にいつもの口調で言った。
「アンタ…ばかぁ……?アタシより…先に診なきゃ……いけない人が…いるで…しょ……?」
アスカの視線の先には、先程アスカが応急処置をした教師の姿があった。
「大丈夫だよアスカ。彼はボクよりずっと頼りになる先輩が診てくれるよ。」
自分よりも教師の心配をするアスカに隊員は優しく言うと、アスカを静かに横たわらせた。
「なら…いいけど……。それじゃ…アタシは…頼りないシンジに…お願い……しようかしら…ね?」
シンジと呼ばれた少年は、アスカに優しく微笑む。
「アスカ、絶対助けるから安心して。」
そのシンジの微笑みを見た瞬間、アスカは自分の中で何かがプツンと音を立てて切れるのを感じた。
撃たれた瞬間の痛み、銃を突き付けられた恐怖、死と直面した時の絶望感、全てを諦めかけた時に思い浮かんだシンジの顔、生きたいと思う気持ち、シンジの笑顔に感じた安心感。
全ての感情が弾けて混ざり合い、アスカの脳裏を駆け巡る。
整理しきれない自分の感情に流され、アスカは徐々に思考回路が麻痺して行くのを感じた。
視界がぼやけ、全ての世界が遠くなる意識の中、アスカは険しい顔で何かを叫ぶシンジの姿を見たが、もうアスカの耳にはシンジの言葉は届いていない。
それでもアスカは、シンジのまるで怒ったような表情を見つめ続けた。
(シンジ…怒ってる?……もう、そんなに怒んなくてもいいじゃない…。アタシ眠いの…。今は眠らせて……。起きたら…きっと……)
そしてアスカは深い眠りへと落ちて行った。
アスカは夢を見た。
あの日からずっと見続ける悪夢。
忘れたくても決して忘れられる事の無い辛い思い出。
夢の中でのアスカはまだ幼さを残した少女で、その日初めて母親の故郷である日本の地を踏む筈だった。
賑わう空港、華やかなイルミネーション、右手に感じる力強い父親の手、左手に感じる優しい母親の手、そして自分に向けられた優しい笑顔。
その永遠に続くと信じて疑わなかった幸せは、脆くも一瞬にして砕け散った。
突如鳴り響く爆音。
飛び交う悲鳴。
子を呼ぶ母親の叫び声。
母を呼ぶ子供の泣き声。
地獄と化した空港でアスカの目に映る物、それはアスカの傍で動かなくなった両親の姿。
「Ein Vati?… Eine Mama?………(パパ?…ママ?……)」
その呼び掛けに答える者はだれもいない。
アスカの紺碧の瞳がギュッと凝縮する。
『イヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
アスカは自分の叫びで目を覚ました。
(ここは……?)
アスカの目に映る天井は見馴れた部屋のそれではなく、白一色の無機質な天井だった。
(アタシ…どうして……?)
アスカはまだまどろむ意識の中、起き上がる事なく辺りを見回した。
天井だけでなく四方を白い壁で囲まれた部屋には静寂な空気が漂い、その部屋の部屋の中央に置かれたベッドに自分が寝かされている事に気付く。
(そっか……アタシ…病院にいるのか…。)
アスカはようやく自分の置かれた状況を理解し起き上がろうとした時、左肩に走る痛みに思わず顔をしかめた。
自分の左肩に目をやると、そこには包帯が巻かれており、撃たれた箇所からは断続的な痛みが感じられた。
(アタシ…生きてる……。)
その痛みにアスカは、自分が生きている事を実感した。
起き上がるのを断念したアスカは、少しだけ上げた頭を再び枕に戻した。
(あの時と同じ…だから病院って嫌いなのよ……。)
静寂な部屋の中で一人きりのアスカに、自分が9歳だった頃の思い出が蘇って来る。
あの時のアスカも、目覚めた時は一人きりだった。
動こうとしても全身を支配する痛みから身動き一つ出来ないアスカに、恐怖と不安が芽生え始めた時、アスカのいる病室のドアがノックされた。
突然の出来事にアスカは返事をする事が出来ず、じっと入口の方へ意識を集中させた。
ゆっくりとドアが開き、アスカは誰かが部屋に入って来たのを感じた。
足音が次第にベッドに近付いて来ると、アスカは急に恐くなり瞼を強く閉じた。
アスカが寝かされているベッドのすぐ傍で足音が途絶えると、誰かが不意にアスカの頬を優しく撫でた。
頬に伝わる感触に、アスカは一瞬ぴくっと身体を縮み込ませさらにきつく目を瞑った。
そんなアスカの様子に、その人物はアスカの頬に手を添えたまま優しく囁いた。
「Asuka, Haben Sie keine Angst.(アスカちゃん、怖がらなくていいのよ。)」
女性の優しい声に、アスカはきつく閉じていた瞼を恐る恐る開けた。
アスカの瞳に映る人物は、年の功だと24、5歳そこそこ、アスカの母親よりやや若い女性が微笑んでいた。
「Wer sind Sie?(お姉ちゃん、誰?)」
見知らぬ女性だったが、未だ自分の頬に添えられた手に不思議と心地良さを感じていたアスカは、その女性に至極当たり前の質問をした。
「Sie erinnern sich nicht an mich. Asuka, mein Name ist Misato Katsuragi.(覚えてる訳ないわよね。ワタシの名前は葛城ミサトよ、アスカちゃん。)」
ミサトと名乗った女性に、アスカは更なる疑問が生まれる。
「Kennen Sie mich?(お姉ちゃん、アタシを知ってるの?)」
アスカは必死でミサトの顔を思い出そうとしたが、結局思い出す事は出来なかった。
「Naturlich weis ich es, Es ist naturlich, das Asuka sich nicht daran erinnern. Sie waren immer noch jung.(勿論知ってるわよ。でもアスカちゃんが覚えてないのはしょうがないわ。アナタはまだ赤ちゃんだったもの。)」
ミサトはアスカの顔を見つめ、懐かしそうに言葉を続けた。
「In alten Tagen, Weil ich die Arbeit in Deutschland bekam, traf ich Sie, als ich Ihren Vater traf.(昔ね、仕事でドイツに行ってアナタのお父さんにお世話になった時、アナタに出会ったのよ。)」
「Ein Vati?(パパに?)」
その単語を口にした時、アスカの紺碧の瞳が大きく見開く。
「Ein Vati? Eine Mama? Wo sind zwei Leute!?(パパは?ママは?何処にいるの!?)」
ミサトはアスカの横たわっているベッドに腰を下ろすと、アスカの手を優しく包み込み、アスカを諭す様に語り始めた。
「Sie merken es irgendwann, auch wenn ich es nicht sage. Deshalb erzahle ich es Ihnen.(アタシが今言わなくてもいつか必ずアナタは知ってしまう。だから、全て話すわ。)」
12月24日、アスカ達親子が降り立った空港で、無差別テロが発生した事。
その仕掛けられた爆弾の爆発で、アスカは怪我を負いこの病院に運ばれて来た事。
その時アスカを病院に運んだのがミサトだという事。
アスカの両親を助ける事が出来なかった事。
全てを話し終えたミサトは、アスカに負担がかからない様にそっと上半身を起こした。
「Asuka, Mir tut es leid, eine unerfreuliche Rede zu haben. Aber Sie sind pessimistischer als die Zukunft, wenn ich jetzt nicht rede.(アスカちゃん、辛い話をしてごめんね。でも、それを知るのが後になればなるほど、アナタはもっと辛い想いをしてしまう。)」
故にミサトは全てを今アスカに伝える事を選択したのであった。
ミサトの言葉を静かに聞いていたアスカの瞳は、涙を流すでも悲しみに暮れるでもなく、ただ虚空を見つめていた。
そしてアスカは抑揚の無い声で呟く。
「Eine Mama sagte mir in alten Tagen.(ママが言ってたの。)」
それはアスカの祖母が天命を全うして天に召された時の事だった。
その時のアスカは今よりもっと幼く死と言う物を理解出来なかったが、ただ幼いながらに祖母にはもう会えないと言う事だけは感じ取っていた。
祖母に会えなくなってしまった悲しみに泣き続けるアスカに、母親はアスカの涙を拭うとアスカが理解していない人の死について話し始めた。
祖母死んだと言う事実は悲しいが、残念ながら死という物は誰の元にも平等に訪れる。
でも死と言う物は全てが無くなってしまうと言う事ではない。
アスカが祖母との思い出を、祖母が生きた証を忘れる事が無ければ、いつまでも祖母はアスカの心の中に生き続ける。
そして死は二度と祖母に会えなくなると言う事ではなく、アスカがいつか天に召される日が訪れた時、それは祖母と再会する時であると言う事。
再びアスカと会う時まで、祖母は静かに眠るだけ。
でもアスカが泣いていると、祖母はアスカの事が心配で静かに眠る事が出来ない。
“Deshalb, Asuka、Sie mussen nicht weinen. Es gibt jederzeit die Grosmutter in der Nahe von Asuka(だからね、アスカちゃん。泣いてばかりいてはダメよ。おばあちゃんはいつでもアスカちゃんの傍にいるから。)”
「Deshalb weine ich nicht. Weil es nah einen Vati und eine Mama gibt.(だからアタシは泣かないの。だってパパとママが傍にいてくれるから。)」
しかしその言葉とは裏腹に、さっきまで光を失っていたアスカの瞳から、今にも零れ落ちそうな涙を止める事で精一杯だった。
泣き出しそうなアスカを、ミサトは優しく、そして強く抱きしめた。
「Sie sind ein sehr stark zartes Kind. Aber weinen Sie bitte, ohne es jetzt zu ertragen.(アナタはとても強く、そして優しい子ね。でも、今だけは泣いて良いのよ。)」
ミサトはアスカの頭を自分の胸に埋めてそう言った。
ミサトの胸に抱かれたアスカの瞳に涙がみるみる溢れ、やがてそれは頬をつたって流れ出す。
静かな病室にアスカの嗚咽だけが響き渡った。
(泣かないって決めてたんだけどなぁ……。)
ミサトに抱きしめられた時、アスカの強がりとも言える決意は、あっさりと崩れ去ってしまったのである。
そんな昔の思い出に浸っていたアスカは、病室をノックする音にふと我に返った。
アスカの返事を待つ事無く扉が開くと、彼女の上官であるミサトが部屋に入って来た。
「ミサト…。」
左肩の痛みにやや慣れたアスカはゆっくりと身体を起こし、神妙な顔つきをしたミサトと視線を合わせる。
「惣流・アスカ・ラングレー大尉。アナタに話があります。」
自分の事を“アスカ”と呼ばないミサトの神妙な顔つきに、アスカは怪訝な表情を浮かべた。
そんなアスカを尻目に、ミサトは持っているファイルを読み始める。
「現場での命令違反、単独での無茶な行動、あの時アタシは大和中尉との合流を指示したはずよ?」
突然のミサトの言葉に、アスカはやや語尾を強めて言った。
「あの時アタシが取った行動は間違いだったって言うの!?」
アスカは納得のいかないミサトの言葉に反論する。
「目標の正確な人数も、人質の状況もわからず一人で飛び込むのが正しい選択かしら?現に目標は2人ではなく、3人いた訳でしょ?」
ミサトはそう冷静に言った、いや、冷静を装ってと言った方が正しい。
「でも!撃たれた人質は早期の応急処置が必要だったし、アタシが突入してから誰一人傷付く事無く制圧したでしょ!?」
「そうね…。確かに人質はアナタのお陰で皆無事だったわね。でもアナタが破壊した起爆装置だって、一歩間違えれば誤爆の可能性もあった訳よね?」
「そんなの机上論に過ぎないわ!現に爆発しなかったじゃない!」
感情が高ぶり始めるアスカとは逆に、ミサトは更に冷静に言った。
「それこそ唯の結果論じゃないかしら?アタシ達は全てにおいて最悪な事態を想定して行動しなければならない、そうじゃなかったかしら?だとしたらアナタの行動は軽率としか思えないわ。」
ミサトの覆す事の出来ない正論に、アスカの感情は一気にオーバーヒートした。
「Ich! Ich will nicht zuschauen, das eine Person vor meinen Augen verletzt wird!!(アタシは!アタシはもう誰かがアタシの目の前で傷付くのを見たくないの!!)」
アスカは自分の感情が激昂した時とある感情を口にする時、母国語であるドイツ語になる癖を持っていた。
そんなアスカに、ミサトは冷静を装っている自分が限界なのを感じた。
「アナタの言いたい事は判ったわ。」
そう言ってミサトはアスカに近付く。
「アナタの上官として言いたい事はもうないわ。」
そう言い終わると、ミサトは無言で手を振り上げた。
パンッ!
アスカのガーゼが張られた逆の頬が僅かに赤くなる。
そしてさっきの態度とは打って変わって、ミサトは大声で怒鳴った。
「アスカ!アンタ自分の事何だと思ってんのよ!!」
ミサトの突然の変わりように、アスカは動揺を隠せなかった。
「誰一人傷付いてないですって?アンタは一体どうなのよ!?」
アスカはその言葉に自分の姿を見つめた。
左肩には包帯を巻かれ、左頬にはガーゼが張られており、薄い着衣の下に隠された腹部と腿にも包帯が巻かれている。
そんな自分の姿を再確認したアスカだったが、それでも納得いかなかった。
「Aber ich bin nicht wichtig. Es ist meine Arbeit!(アタシの事は関係ないじゃない。それがアタシの仕事なんだから!)」
アスカのその言葉が、ミサトの声をさらに大きくさせた。
「関係ないですって!?もう少し救急医療班の到着が遅かったら、シンジ君がいなかったら、アンタ死んでいたのよ!?」
確かにシンジの適切な応急処置がなければ、アスカの受けた傷は確実にアスカの命を奪っていたと言う事はアスカ自信も十分に判っていた。
「アスカ、あの時アタシに言った事覚えてないの?」
それは、アスカがミサトの意思を継いだ日の事。
その言葉に黙って俯くアスカに、ミサトはベッドに座るとアスカを強く抱きしめた。
「もうアタシの大切な人が死んで行くのを見るのは嫌なのよ。だから…お願いだから無茶な事はしないで……。姉として、大切な妹へのお願いよ。」
ミサトの微かに震える声に、アスカは自分の取った行動が、あの時自分が感じた思いと同じように、今のミサトを悲しませているのだと初めて気付いた。
そんなミサトの気持ちに応えるようにアスカは自分を抱きしめるミサトの肩を抱き、アスカは呟く。
「Vergeben… Sie mir……Altere Schwester……….(ごめん…なさい……お姉ちゃん………。)」
普段は恥ずかしくてミサトの事を“お姉ちゃん”と呼ばないアスカだったが、自分の事を“妹”と言ったミサトに、アスカも自然とミサトを“お姉ちゃん”と呼んでいた。
アスカの言葉をしっかりと受け止めたミサトは、優しくアスカの頭を撫でて言った。
「お帰りなさい…アスカ……。」
To be continued…
後書きと言う名の言い訳
九割の皆さん初めまして。一割の皆さんお久しぶりです。
新劇場版ヱヴァンゲリヲン“破”を見て刺激され、なんと今回5年ぶりにSSを書いてしまったジンです。
半分勢いで書いたのですが第一話を書き終えて、第一話ではアスカとミサトの話がメインになってしまい全くLASがない事に気付きました。
そもそもシンジ君殆ど出番無いし!?
でも、今回は連載SSなので、この後しっかりシンジ君には活躍してもらう予定ですので、どうかご安心を。
さて、今回のSSはあるゲームを元に構成されています。
本当は一話完結でその話を書こうとしていたのですが、色々考えているうちにどんどん膨らんでしまい、とても一話で収集がつかなくなってしまいました。
なので、もうしばらくこのSSに付き合って頂ければ幸いです。
最後に、ここまで読んで下さったアナタ、そう!アナタです!!
本当にありがとうございました。
以前Gehenに作品を投稿してくださっていたジンさんが、先日公開された「破」に刺激されたということで、5年ぶりに作品を投稿してくださいました!
いやーこれは嬉しいですね。こうして作家さんが戻ってきてくれるのは本当に嬉しい限りです!
ジンさんお帰りなさい&投稿ありがとうございました〜。
連載SS「Die Welt, auf der sie hofft(彼女の望む世界)」のEpisode 1を公開させていただいたのですが、非常に楽しく拝見させていただきました。
特務機関NERV対テロ鎮圧特殊部隊に所属するアスカの一連の活躍は、まさに手に汗握る展開。
アスカ(とミサト)のドイツ語の会話が非常にいいですね。演出的にお見事です。
あとはもちろん忘れちゃいけないシンジ君の存在。
このEpisode 1を見る限り彼は医療班に属しているようですが、アスカとどういった関係なのか、またお話にどう絡んでくるのか気になりますね。
幼い頃に空港のテロで両親を失ったアスカ。そのアスカを姉妹のように思っているミサト。最後の「お姉ちゃん」ってアスカのセリフはぐっと来ます。
続くEpisode 2も楽しみにしております!
作者のジンさんに作品のご感想をっ!
感想は作家の元気の源、是非お願い致します。
久しぶりにジンさんの作品を堪能できて幸せでした。まさに「破」よありがとう!w
ジンさん、また今後もよろしくお願いします〜!
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