タイムパラドックス
第2話


By:トム





ヴォイジャーが21世紀の地球に、やって来て半日が経過した頃、ジェインウェイ艦長は上級士官を集めてミーティングを開いた。

集まった士官は、ジェインウェイ以下、副長のチャコティ、保安主任のトゥボック、操舵士のトム・パリス、通信士のハリー・キムのブリッジ士官に加え、地球人とクリンゴン人のハーフである機関主任のベラナ・トレス、艦のムードメーカー?(自称)兼コックのタラクシア人のニーリックス、オカンパ人のケス、そして医療主任のホログラムドクターは、その性質上(ホログラムなので医療室から出られない)から、医療室からの映像での参加となった。

まず、トレスが現在の艦の復旧状況を報告する。

「時間の亀裂を潜った影響が、あちこちに残っています。武器は使えないし、EPSコンジットはショート、転送バッファもいかれてます」

「転送で地上に降下出来ないの?」

ジェインウェイは現在の地球の状況を、より良く知るために上陸メンバーを地球に送りたいと思っていたので、転送機が使えないのは痛い。

「大丈夫です。ただ転送で地上に行くのは問題ありませんが、ヴォイジャーに転送で戻るには非常用転送装置を使わないと無理です」

「でも非常用転送機は距離が短いんだろ?」

と、キムが非常用転送機の問題点を付く。

「距離10キロまで接近しないと転送回収は無理ね」

「それじゃ誰かにヴォイジャーを見られるぞ」

地上10キロまで接近したら、地上の人間には肉眼で、ヴォイジャーの姿が見えてしまう。キムの懸念は最もだろう。

「でも、ブラクストンが地上に居る可能性が高い以上、上陸班は送る必要があるわ。ベラナは転送機の修理を最優先に艦の復旧に努めてちょうだい」

次にジェインウェイは、みんなに歴史が史実と変わっている原因について訪ねたところパリスが答えた。

「パラレルワールドに迷い込んだんじゃないかな?」

即座にトゥボックが反論する。

「それは論理的ではない」

「じゃあ何だって言うんだよ」

全くヴァルカン人ってのは、どうして倫理に拘るのかねと、パリスは思ったが上官なので口には出さない。

「一番可能性が高い原因は、ブラクストンの時間パトロール艦が我々より前の時代に墜落して、それが原因で歴史が変わってしまったのではないかと思います」

チャコティが続けて発言する。

「この世界の地球のコンピュータに潜り込んで調べたところ、1990年代に起こった優性戦争が起こっていません」

優性戦争とは、遺伝子操作で有能になったカン・ノイエン・シンをリーダーとする優性人が人類と戦争を起こしたことである。

「次に2000年、南極に隕石が落下、この時代の地球人はセカンドインパクトと呼んでいますが、このセカンドインパクトによって、水位の上昇、天変地異、経済の崩壊、民族紛争、内戦などが起こり世界人口が約半数に激減した模様です」

実はチャコティは、この情報を、ヴォイジャーのコンピュータを使ってネルフが誇るマギにハッキングして掴んだのだが、流石24世紀のテクノロジー、ネルフにハッキングされた事実を気づかれることはなかった。

もっと詳しく調べていたら、セカンドインパクトの真相や人類補完計画なども知りえたのだが、チャコティはそこまで詳しく調べなかった。

「そして現在の2015年に使徒と呼ばれる巨大生物が出現、この使徒がサードインパクトを起こすと言われています。人類も使徒に対抗するためにエヴァンゲリオンと言う決戦人型兵器を作り上げて、日本の箱根、この世界では第三新東京市と呼ばれている都市を本拠地として、使徒を撃退しています」

皆、その話に唖然となる中、いち早く我に返ったパリスが笑う。

「そんな馬鹿な・・・まるで20世紀の終わりに日本で流行ったロボットアニメじゃないか」

パリスの顔は、幾分引きつっている。24世紀で生きる彼等にとっては、それほど現実離れした話なのだ。

「・・・やはり一度、上陸する必要がありそうね」

ジェインウェイは、そう言って上陸することに決めた。

「私とチャコティは箱根に行ってブラクストンを探します。後もう一組・・・ベラナ、貴方のところの機関部に確か日本人のクルーが居たわよね?」

「ノザワ少尉のことですか?」

「そうよ・・・ハリーはノザワと組んでエヴァンゲリオンと使徒について、調べてちょうだい」

「わかりました」

「トゥボックとトムはアメリカに降りて、あの爆発について詳しく調べて」

そこでモニターからドクターが口をはさむ。

『パリスくん、アメリカに行くなら地球のチェロと言う楽器を買ってきてくれないかね』

「ドクター、我々は地球に観光に行くのではない」

『良いじゃないかトゥボック大尉。私も最近、パリスくんみたいに20世紀の地球について学んでるんだよ。それも、パリスくんみたいな低俗なことではなく、地球のオペラやクラシックについてね』

パリスが低俗で悪かったなと顔をしかめる。

『なんせ、この時代の地球のオペラはクリンゴン人が酔って歌うクリンゴンオペラと違い素晴らしいですから』

「何ですって!!」

今度はトレスが激高する。

ジェインウェイは、ため息をつく。

ドクターには少し前から、他のクルー同様の特権を与えたが、どうやら調子に乗りすぎているようである。

「・・・コンピュータ、緊急用医療ホログラム停止」

『あっちょっと・・・』

ジェインウェイはモニターから、ドクターが消えたのを確認すると話を再開した。

「ニーリックスとケスは地球のテレビを受信できるようにしておくから変わったことが放送されてないか見ておいて・・・以上、解散」

ミーティング室はジェインウェイとトゥボックを残して他のクルーは出ていった。

「艦長」

「・・・貴方の言いたいことは、だいたいわかるわ」

ジェインウェイは立ち上がると、フードレプリケータのところに向かう。

「コンピュータ、コーヒーをブラックで頂戴」

レプリケートされたコーヒーを取ると一口飲んで、トゥボックに顔を向ける。

「この時代の地球に、どこまで干渉するのか?・・・でしょ」

「ええ・・・干渉しすぎたら艦隊の誓いを破ることに、なりますから」

そのことは、この時代に来てからジェインウェイは、ずっと考えていた。

「干渉しなければ戻れないなら、干渉もやむなしだと思ってるわ」

「艦長!!」

「ジェームズ・T・カーク、ジャン・リュック・ピカード・・・有能な先輩艦長は何度も艦隊の誓いを破ってるわよ」

ジェインウェイは、そう言って苦笑した。

それを聞いたトゥボックは苦虫を噛み潰した表情をしたが、それは彼の偉大な先輩であるスポック大使が、カークが艦隊の誓いを破る度にしていた表情にそっくりだった。





「松代での3号機の起動実験、パイロットは4人目を使うわよ」

ミサトはリツコの研究室に入るなり、いきなりそう言われた。

「4人目?フォースチルドレンが見つかったの?」

「昨日ね」

「マルドゥック機関からの報告は受けてないわよ」

「正式な書類は明日届くわ」

リツコはミサトの方を見ずに自分の机で何かの作業をしたまま話している。

「リツコ・・・私に隠し事してない?」

「・・・別に」

相変わらずミサトの方を見ないリツコ。

「・・・まぁ、いいわ。で?その選ばれた子って?」

リツコは机のパソコンにフォースチルドレンのデータを読み出してミサトに見せた。

「よりによって・・・この子なの?」

ミサトはモニターに映し出された鈴原トウジのデータを見て唖然となった。






短い・・・しかもエヴァキャラは最後にミサトとリツコが少し出ただけでした。
3話はエヴァキャラを中心に話しを進めますので御勘弁ください。

2話で登場したベラナ・トレスは驚くほどアスカとキャラが被っているので、この二人の絡みが今から楽しみにしています。

私は未熟ですが頑張りますので、これからも宜しくお願いします。


トムさんに投稿していただいた連載SS「タイムパラドックス」の第1話と第2話を一挙に掲載させていただきました!
初作品をGehenに投稿してくださって感謝感激です。
トムさん、どうもありがとうございます!

さてこちらの作品をお読みになった方はもうお分かりだと思いますが、スタートレック・ヴォイジャーをエヴァの世界を融合させた作品になっています。
S2機関の暴走によりアメリカ第2支部が消滅し、エヴァ参号機に新たなパイロットが選出させた時期へやってきたヴォイジャー。
このイレギュラーな出来事に、世界は、そして物語はどう進んでいくのでしょうか。
実はえびはスタートレックはあまり詳しくないのですが(すいません(汗)、大変楽しく拝見させていただきました。
続きが楽しみです!

作者のトムさんに作品のご感想をっ!
感想は作家の元気の源、是非お願い致します。

第3話の完成を楽しみにしております!
連載ものは大変ですが、頑張ってくださいね、トムさん!



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