Broadway復活
MPEGエンコードのスタート時に「Hardware fifo overflow, compression data rate too high.」が出るのと、最近キャプチャしたAVI動画に長方形のノイズは多くなったので、販売店経由でメーカに修理を出してみた。しかし、戻ってきたカードに添付されたメーカの報告では、カードは正常とのこと。ただ最新のドライバとアプリケーションでないと問題が発生する場合があるので、バージョンアップをした方が良いとのコメントであった。
最初からおかしいなら頷けるが、徐々におかしくなったので、どうも腑に落ちない。カード自体は正常との報告が正しいとすれば、頻繁に交換をしているパーツのうちで合わないものがあるのかもしれない。
履歴を整理
もう一度Broarwayに関係する最近の状況を整理してみる。
1998/5/23 「自作機のパーツ入れ替え」をアップ --- 多分この時Broadwayを1号(PentiumMMX)から2号(K6)へ移動した
1998/6/24 メモリ SDRAM128MB を購入 --- 確かこの後Broadwayの不調が始まった
1998/7/8 この日キャプチャしたMovieにノイズは無い
1998/7/12 「Broadway不調をアップ」 --- この時点ではノイズは無かったか気が付かなかった
1998/8/17 この日キャプチャしたMovieにはわずかなノイズがある
1998/8/23 DVDデコードカード CineMaster を取り付け(購入は8/19)
1998/8/28 IDEバスマスタドライバをVIA製からMicrosoft製に変更
1998/8/31 ビデオカード XPERT98 を取り付け (購入は8/26)
1998/9/2 この日以後キャプチャしたMovieはどれもノイズが多い
1998/10/6 Broadwayを修理に出す
1998/10/21 Monster3DII(VooDoo2)を取り付け
1998/10/22 Broadwayが返送されてきたが正常とのこと
う〜む、これでは問題が複合的過ぎる!DirectXやMediaPlayer、その他、NET TOOB、DVMPEGなどのソフトウェアまで考えたらキリがない。
現状再確認
まずはそのまま特に何もせず、再びBroadwayを取り付けマシンを起動してみる。BIOS上カードは認識され、次にWindow95では、スロットの位置が前と変わったのか、カードを新しいデバイスとして認識したがドライバは自動的に読み込まれた。Broadwayを起動すると、初めての起動扱いとなり、何かは分からないが自動的に何かテストが行われた。
キャプチャをしてみる。
1回目
VHSビデオを映し出した時点ではスムーズに映像は動いているが、キャプチャをスタートすると少しガクガクしだした。キャプチャした映像を見てみると、コマ落ちがかなり発生し、かつ動きが早い映像にキャプチャされている。
2回目
Broadwayを起動し直して、もう一度キャプチャをしてみると、今度はコマ落ちは感じられず、速度も良いが、ブロックノイズは以前と同様に入っている。
3回目
今度はBroadwayを再起動せずもう一度キャプチャしてみると、最初と同じくキャプチャ中も映像はコマ落ちし、キャプチャした映像もコマ落ちがひどい。また、さらに今度は音声と映像のズレがかなり出ており、ブロックノイズも出ている。
やはりおかしい。
なお、現在のPCのスペックは以下の通り。
M/B : EPOX EP-58MVP3C-M (MVP3)
CPU : K6/300MHz
Memory : SDRAM 128MB (PC100)
AGP : ATI XPERT98 (8MB)
PCI #1 : Monster3DII (8MB)
PCI #2 : -
PCI #3 : Broadway Beginner
PCI #4 : Corega FastEther PCI-TX
ISA #1 : -
ISA #2 : SB AWE64
ISA #3 : -
OS : Windows95 OSR2.1
レジストリ
ふと思い出し、レジストリのHKEY_CURRENT_USER/Software/Data Translation/Broadwayを見てみる。
項目 | Defaults | Settings | コメント |
CompressionEstimate | 0x00048c10 (298000) | 0x00153d80 (1392000) | 圧縮見積もり ? VideoCD規格が1.3944MbpsなのでほぼOK? |
EncodeAudioEnable | 0x00000001 (1) | 0x00000001 (1) | |
EncodeAudioMode | 0x00000001 (1) | 0x00000004 (4) | Stereoに変更したためだろう |
EncodeAudioRate | 0x0000bb80 (48000) | 0x0002ee00 (192000) | 44kHzに変更したためだろう |
EncodePacketsPerPack | 0x00000001 (1) | 0x00000001 (1) | |
EncodePackSize | 0x00000800 (2048) | 0x00000800 (2048) | VideoCD規格は2324Byte |
EncodePlyabackTarget | "StandardQuality" | "StandardQuality" | |
EncodeSofteningLevel | 0x00000000 (0) | 0x00000000 (0) | |
EncodeSquarePixels | 0x00000001 (1) | 0x00000001 (1) | |
EncodeStreamDataRate | 0x00000000 (0) | 0x002ab980 (2800000) | ??? 2.8Mbps ? ストリームデータ ? |
EncodeType | "Standard Quality" | "Standard Quality" | |
EncodeUseOptimumRate | 0x00000001 (1) | 0x00000001 (1) | |
EncodeVideoEnable | 0x00000001 (1) | 0x00000001 (1) | |
EncodeVideoRate | 0x0003d090 (250000) | 0x00124f80 (1200000) | 1.2Mbps=1.392-0.192で計算は合う ? |
Laptop Playback | "LaptopPlayback" | "LaptopPlayback" | |
LargeImage | 0x00000000 (0) | 0x00000001 (1) | ??? ラージ ? |
Small Image | "SmallImage" | "SmallImage" | |
Standard Quality | "StandardQuality" | "StandardQuality" | |
StreamMixType | 0x00000000 (0) | 0x00000000 (0) |
デフォルトから、EncodeStreamDataRateが2.8Mbpsに変わっているのと、LargeImageが1になっているのが意味不明である。
ちなみにBroadwayの設定で、AVI CaptureOption/Qualityはデフォルトのまま55MB/m(7.333Mbps)になっているが、生成されたAVIファイルのプロパティ/詳細を見ると1010KB/s(8.08Mbps)なのでだいたい話は合う。
またここで最初Broadwayは自作1号(ASUS)で使っていたのを思い出し、そちらのレジストリも見てみるが全く同じであった。どうやらレジストリのエントリでおかしい訳ではないようである。
ドライバとアプリケーションのバージョンアップ
問題の原因となる要素は多く、特にハードウェアに問題あるいは相性などがある気がするが、一つ一つ検証するのは結構面倒である。最初からおかしいわけではないので、Broadwayの故障でもないとすれば、ドライバ等をバージョンアップで対応したのでは問題点を突き止められなくなるが、いかんせん面倒くさい。という訳で、これで解決すれば良しとしてドライバ等のバージョンアップをやってみる。
まずは、念のため現在のバージョンを確認する。
Broadway application version : 2.5.1
Broadway MPEG Capture/Compression driver version : 2.53.0.38
ドライバは http://www.mitc.co.jp/mmedia/video/drivers.html から、アプリケーションは http://www.datx.com/broadway/support.htm からダウンロードし、インストールしてみる。
ところがこれ、起動したBroadwayでバージョンを確認すると前と全然変わっていない。つまり元々最新だった訳である。
自作1号(ASUS)に取り付け
自作2号(EPOX)のハードウェアや各種設定を一つ一つ点検する前に、以前問題なく使えていた自作1号に取り付けてみる。以前とパーツ構成は若干は変わっているかもしれないが、現状で試してみる。
M/B : ASUS P/I-P55T2P4 (430HX)
CPU : PentiumMMX/166MHz
Memory : EDO 128MB (32MBx4)
PCI #1 : Tekram DC390U (UltraSCSI)
PCI #2 : Elecom LD-PCITS
PCI #3 : Canopus Power Window T64V MP (2MB)
PCI #4 : Broadway Beginner
ISA #1 : -
ISA #2 : Opti Audio 16
ISA #3 : -
OS : Windows95 4.00.950
Broadwayを起動し、View/Source Video Optionsを見ると、やはりView source、View during captureともOverlayになっており、以前はこれでちゃんとキャプチャできていたことが分かる。しかし、今この設定でキャプチャをしてみると、「No frames captured. Verify your source video is playing. Press F1 for help.」とエラーメッセージが出てキャプチャはできていない。View during captureをPreviewに変更すればキャプチャは可能になるので、これでやってみる。
コマ落ちしてスピードも狂ったAVIが生成された時には、Broadwayを再起動したりすると上手くいくのは自作2号と変わらない。ただ、映像にブロックノイズはほとんど無い。これは明らかに違う。
次にMPEGエンコードを実行してみると、やはり「Hardware fifo overflow, compression data rate too high.」というエラーメッセージが出る。確か以前はこんなメッセージは出なかった。
やはりカード自体がおかしいのではないだろうか。
問題点の整理
1.「View during capture」を「Overlay」から「Preview」にしないとキャプチャができない。(ASUS,EPOX共)
2.コマ落ちしてしかもスピードが狂った状態でキャプチャされることがある。(ASUS,EPOX共)
3.キャプチャした映像(AVI)にブロック状のノイズが入る。(EPOXのみ)
4.MPEGエンコードを実行すると「Hardware fifo overflow, compression data rate too high.」というエラーメッセージが出る。(ASUS,EPOX共)
ブロック状のノイズが入ること以外は共通の問題となっている。
無償交換
やはりどう考えてもカード自体がおかしいとしか思えないので、今度はメーカへ直接電話をしサポートの依頼をした。以上の状況を紙に書いてカードに添えて送ると(着払い=せこい)、数日後連絡があり、再検証の結果カードに問題があるのが発見され、保証期間の1年以内なので無償交換しますとのこと。あ〜良かった。
もうだいぶ前になるが、Zipドライブもおかしくなって無償交換したし、CD-Rもおかしくなって無償交換、しかも製造中止の2倍速CW-7501だったので、4倍速のCW-7502になったし。どうもPC関連製品はよく壊れる。
到着した新しいBroadwayを、組み立てたばかりの自作3号に取り付けると、今までのことが嘘のように快調に動く。
やっぱり、いいゼ、Broadway!