System Commanderの実験
3つ目のWindows95をインストールした。手順は以前と同じであるが、今回はもう少し細かく記録を付けた。なお、この3つ目のインストールは、予定のパーティション構成と異なるが、前回の実験的インストールの延長戦の位置付けである。
1.既存の基本パーティションを隠す。
1)パーティション0(基本)のWindows95を起動。
2)「MS-DOSプロンプト」を起動。
3)英語モードに切り替えるため「us」と入力。
4)System Commanderをインストールしたディレクトリで「scdisk」と入力。(フルスクリーンDOSモードになる)
5)起動したメニューから「Change boot status for OS install」を選択。
6)現在ブート可能なパーティションにyesが付いているが、「9」と入力し全てのパーティションをブート不可にする。
7)「Esc」を押す。(Enterでは次へ進まない)
8)次のメッセージが表示される。
System Commander
Bootable Status Changed
The partition is now set as selected, and non-selected partition will be hidden until System Commander is booted again.
To return to the SCDISK main menu, press OK.
To reboot, you can safely press Ctrl+Alt+Del now.
If rebooting, you should have your OS boot diskette in drive A before pressing Ctrl+Alt+Del.
OK
「Ctrl+Alt+Delを押す前に、OSのブートディスクをAドライブに入れろ」と言っているらしいが、確か、「新しいOSのインストールは、ディスク(ハードディスク?)からブートしてSystem CommanderのメニューからBoot from drive A:オプションを使用する」と書いてあったのはどうするんだろう。しかし、ここでマニュアルを再度見ると、「隠されたパーティションが元に戻るので、System CommanderのBoot from drive A:からは起動しない」とある。そっか。
9)「Ctrl+Alt+Del」を押す。
10)次のメッセージが表示される。(ブルーバック)
警告
システムがビジー状態か、または不安定になっています。
しばらく待って様子をみるか、またはコンピュータを再起動して下さい。
* どれかキーを押すとWindowsに戻ってこのまま復旧を待ちます。
* Ctrl+Alt+Delキーをもう一度押すと、コンピュータを再起動します。
この場合、アプリケーションで保存していないデータはすべて失われます。
どれかキーを押すと、続行します
ここでビビってWindowsに戻っても、8)に戻るだけ。
11)再度「Ctrl+Alt+Del」を押す。
12)コンピュータがリセットされ、何事も無かったかのようにFDでのブートが始まる。
2.OSをインストール
Windowsのインストールは、CD-ROMドライバ(DOS)の組み込みからバッチ処理になっているが、状況の要点は次のとおり。
1)fdiskを起動
「注意!アクティブな領域が設定されていません。アクティブな領域がないとディスク1は起動できません」と表示される。
この時のハードディスクの状態は次のようになっている。
・2つの基本パーティション0,1は、「Non-DOS」という種類になっており、ドライブレターの割り当ても無い。
・拡張パーティション内の論理ドライブにはC:から順にドライブレターが割り当てられている。
2)基本MS-DOS領域を作成
基本パーティションを確保すると、ハードディスクの状態は次のようになる。
パーティション0:Non-DOS
パーティション1:Non-DOS
パーティション2:EXT DOS
パーティション3:PRI DOS(C:)
パーティション3は「PRI DOS」になるのと同時にドライブレター「C:」が与えられた。拡張パーティション内の論理ドライブも「D:」からにずれた。
3)アクティブな領域を設定
試しにパーティション0(Non-DOS)をアクティブに指定すると、これが受け付けられてしまう。fdiskはPRI DOSでなくてもアクティブを許すようである。しかし、つまらないトラブルは避けたいので、パーティション3(PRI DOS)をアクティブにし直した。
4)再起動
Windows95インストールディスク(DOS)を入れたままで、言われるとおり再起動。
5)Windows95をインストール
インストーラは、間違いなくC:(パーティション3)をフォーマットしようとする。途中で再起動もするが、これも問題なし。
しかし、「ハードウエアの設定」で「Windows95 CD-ROM上のファイルmsjstick.drvが見つかりませんでした。Windows95 CD-ROMを選択したドライブに入れて、OKを押して下さい。」とのメッセージが表示される。おかしいなと思いながら、「参照」でCD-ROMを確認しようとしたら、これが無いのである。よく見ると、Non-DOSになっているパーティションも見えなくなっている。Non-DOSのドライブ分だけずらしたドライブレターを指定してもCD-ROMは見付からない。全ドライブレターを試したがやはり無い。仕方がないので、ここはスキップ。次のvjoyd.vxdも試しもせずスキップ。
6)再起動
もう一度再起動するとWindowsがちゃんと起動した。この時点で「マイコンピュータ」のハードディスクに認識されているのは、基本パーティション(実はパーティション3)と拡張パーティション(SCSI HDも含む)、それにCD-ROMだけで、Non-DOSは認識されない。
3.System Commanderを再インストール
Windows95によって破壊されたMBRを回復する方法を再度試してみる。
・SCINを実行
元の基本パーティション(パーティション0)が見えないので、そこにインストールしたSystem Commanderはやはり使えない。
・System CommanderのFDを入れSCINを実行
この時点ではWindows95がVGAモードのため、MS-DOSプロンプトの画面が化けてしまうが、「Alt+Enter」でフルスクリーンモードに切り替えることで正常な表示と操作が行える。メニューから「System Commanderの再インストール/更新」を選択。
ところがここで、前回までに無かった警告が表示された。
System Commander
パーティションテーブル解析警告-第1セクタサイズ不整合
BIOSパラメータ制限: Head=254 Sector=63 Cylinder=521
ドライブ&パーティション | ID | 開始 | 終了 | セクタ | |||||
ヘッド | セクタ | シリンダ | ヘッド | セクタ | シリンダ | 先頭 | 合計 | ||
0-0 | 16 | 1 | 1 | 0 | 254 | 63 | 76 | 63 | 1236942 |
0-1 | 16 | 0 | 1 | 77 | 254 | 63 | 153 | 1237005 | 1237005 |
0-2 | 5 | 0 | 1 | 154 | 254 | 63 | 445 | 2474010 | 4690980 |
>ext-1 | 6 | 1 | 1 | 154 | 254 | 63 | 291 | 63 | 2216907 |
>ext-2 | 5 | 0 | 1 | 292 | 254 | 63 | 368 | 2216970 | 1237005 |
>ext-3 | 6 | 1 | 1 | 292 | 254 | 63 | 368 | 63 | 1236942 |
>ext-4 | 5 | 0 | 1 | 369 | 254 | 63 | 445 | 3453975 | 1237005 |
>ext-5 | 6 | 1 | 1 | 369 | 254 | 63 | 445 | 63 | 1236942 |
0-3 | 6 | 0 | 1 | 446 | 254 | 63 | 521 | 7164990 | 1220940 |
ヘルプがあったので見てみると、結論としては「あまり気にしなく良い」みたいにとれるが、なにせ難しいこばかり書いてありサッパリ分からなかった。少なくとも、赤字レベルは重大な警告のようである。分かる範囲は、「ドライブ&パーティションの0-0は、第1ドライブの第1パーティションである」ぐらい。赤字になっているのは、「ext-3,5」であるが、extについては説明がない。SCSI HDの方だろうか。そう言えば、SCSI H/Aを変えたのに、低レベルフォーマットしてないからかなぁ。いや、でもよく考えると、拡張の中の論理の可能性の方が強いなぁ。
しかし、「次のドライブの表示はどれかキーを押せ」とあるのでEnterを押したら、次のステップへ進んでしまった。
で表示されたメッセージは次のとおり。
System Commander
最終インストール処理
ご使用中の特定のOS、BIOS、またはTSRによって、インストールの最終的段階のSystem Commander MBRの書き込みが妨害されました。
a)ディスクドライブにWindows95またはDOSのブートディケットを挿入します。
b)インストールを終了してプロンプトを表示させた後で、システムを再起動します(Ctrl+Alt+Delキー)。
c)ディスクからブートアップして、プロンプトが表示されたら、ハードディスク(デフォルトはC:\SC\SCIN)またはディスクからSCINを実行します。メニューオプション「再インストール」を選択して、インストールを完了します。
言われたとおり、Windows95起動ディスクを入れ、(System Commanderの)インストールを終了させようとするが、先にFDの入れ替えをしておくと、ディスク読み取りエラーが発生する。
また、現在の作業はWindows95の「MS-DOSプロンプト」で行ってるので、プロンプトが表示されても「Ctrl+Alt+Del」をすれば画面が真っ黒になる。矢印キーを押せば「プログラムの強制終了」が起動しているのが分かるが、2回「Alt+Enter」を押せば正しく「プログラムの強制終了」が表示される。再起動のためには、ここでもう一度「Ctrl+Alt+Del」を押すか「シャットダウン」を選択する必要がある。
従って正しくは、次のとおりである。
1)System Commanderのディスクは入れたままで、「Esc」を押してインストールを終了する。
2)プロンプト表示の後、FDをSystem CommanderからWindows95起動ディスクに入れ替える。
3)MS-DOSプロンプトで作業していた場合は、MS-DOSプロンプトを終了する。
4).Ctrl+Alt+Delで再起動させる。MS-DOSプロンプトで作業していた場合は、「プログラムの強制終了」からCtrl+Alt+Delで再起動させる。
5)CUIのWindows95が起動するので、FDをSystem Commanderに入れ替え、scinと入力する。
6)メニューから「System Commanderの再インストール/更新」を選択する。
7)メニューから「System Commanderの終了」を選択する。
ちなみに、2)のプロンプト表示時点でfdiskを使ってHDの状態を見ると、次のようにWindows95インストール直前状態のままである。
パーティション0:Non-DOS
パーティション1:Non-DOS
パーティション2:EXT DOS
パーティション3:PRI DOS(C:) A
また、6)の時点で再び「パーティションテーブル解析警告-第1セクタサイズ不整合」は表示されたが無視した。
さらにその直後、また次のメッセージが表示された。
System Commander
ウイルス解析警告-ウイルスチェックプログラムを実行して下さい
MBRまたはブートウイルスの疑いあり 多分可能性あり
コンベンショナルメモリの合計(一般的には640KB):639KB
ハードディスク割り込みアドレス:C800:035E
EIDEソフトウエア(BIOS内ではない):検出なし
前と同じく、「可能なウイルスが存在するメモリの文字列参照」をすると「9FC0:02F6 QUANTUM FIREBALL_TM3200S300N」との表示があった。
だいぶ乱暴なインストールではあったが、結果的にWindows95を3つインストールすることは成功した。
4.拡張パーティション/論理パーティションの確認
マシンをリセットし、3つ目のWindows95で起動すると、ドライブレターは次のようになった。
1番目のWindows95で起動 | 2番目のWindows95で起動 | 3番目のWindows95で起動 |
C:基本パーティション0
D:拡張パーティション/論理ドライブ0 E:拡張パーティション/論理ドライブ1 F:拡張パーティション/論理ドライブ2 G:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ0 H:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ1 I:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ2 J:基本パーティション1 K:CD-ROM L:CD-R |
C:基本パーティション1
D:拡張パーティション/論理ドライブ0 E:拡張パーティション/論理ドライブ1 F:拡張パーティション/論理ドライブ2 G:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ0 H:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ1 I:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ2 J:基本パーティション0 K:CD-ROM CD-Rは認識せず (SCSI H/Aドライバ未インストールのため) |
C:基本パーティション3
D:拡張パーティション/論理ドライブ0 E:拡張パーティション/論理ドライブ1 F:拡張パーティション/論理ドライブ2 G:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ0 H:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ1 I:SCSI拡張パーティション/論理ドライブ2 J:基本パーティション0 K:基本パーティション1 L:CD-ROM CD-Rは認識せず (SCSI H/Aドライバ未インストールのため) |
やはり「System Commanderで操作している基本パーティション」は最後のドライブへ廻るようである。
さて、実験は終了したが、不明な点も残された。それにしてもずいぶん時間をかけたパーティション構成をまたやり直すのは、ふ〜む、ど〜しよ。