CineMasterその2
DVDの再生は失敗であった。Matrox MystiqueがCineMasterと合わないらしい。Matrox MystiqueにはRainbow Runnerというビデオキャプチャのアドオンボードが付いているので、できればビデオカードの変更はしたくないのだが。
Webを検索し、BBS等で情報を集めると、CineMasterとATI Xpert@playで、DVDの再生に成功している人がいるようである。また、CineMasterと非インテルチップセットであるVIA MVP3に、相性問題の可能性があるかもしれないというコメントもある。実際、PentiumII以外のプロセッサをサポート外とするベンダもある。ビデオカードを買い替えるか、思い切ってM/Bを捨ててPentiumIIで組み直すのも手だが、お金がかかり過ぎる。
いずれにしても、現状はDVDの再生が上手くいかないだけでなく、WIn95の終了時にフリーズしてしまう状態である。まずは現状のシステムをもう一度見直してみたい。
CineMasterをスロットから抜いて再起動
CineMasterを取り付けた際、確か記憶では、ハードディスク(Western Digital AC38400)とDVD-ROMドライブ(東芝SD-M1102)をまず増設し、一旦マシンを起動し、各デバイスの認識が上手くいったのを確認してから電源を切ったはずである。その時点では、WIn95の終了は正常だったと思う。やはりWIn95が正常終了しなくなったのは、その後CineMasterを取り付けてからと思われる。
そこで、一旦CineMasterをスロットから引っこ抜き、マシンの起動、終了を行ってみた。すると、元に戻った。ATなので、「コンピュータの電源を切る準備ができました」というメッセージが表示される。
やはり問題はCineMasterを取り付けた後に発生している。
リソースの確認
マシンが起動する様子を見ていると、BIOSを通過する際、IRQ9が複数のデバイスに使われているのに気付いた。新しいデバイスを追加したのに、IRQ等のリソースの状況をチェックするのを忘れていた。確かWin95OSR2からだったと思うが、IRQの共有が可能になり、衝突するデバイスがあっても問題として返ってこないので、すっかり見過ごしていた。
IRQ11は2つあるが、CineMasterと共有になっているのは「PCIステアリング用IRQホルダー」だけである。他に「PCIステアリング用IRQホルダー」を使っているのはIRQ9であるが、こちらはネットワークカードとビデオカードで共有になっているので頷ける。
CineMasterを外した状態では、IRQ9に「PCIステアリング用IRQホルダー」と「Pcind3 Ethernet Adapter」が、IRQ11に「「PCIステアリング用IRQホルダー」と「Matrox Mystique PowerDesk」が割り当てられている。
クリエイティブのデコーダは、他と共有するIRQに割り当てられるとトラブルが発生するというのをどこかで見たが、CineMasterも、もしかすると同じような特性を持つかもしれない。ただ、「PCIステアリング用IRQホルダー」と同じIRQというのも問題なのだろうか。
リソースの振り替え
上手くいくか分からないが、IRQ10の「Creative Labs IDE controller」は不要なので、こちらにCineMasterを振り替えられないかやってみる。クリエイティブのIDE I/FをDisableにする方法は、サウンドカードのマニュアルに出ていた。CineMasterはとりあえず外している。
1.デバイスマネージャから「Creative Labs IDE controller」のプロパティで「このハードウエア環境で使用不可にするをチェック。
2.「Creative Labs IDE controller」に×が付いたのを確認。
3.Win95を終了し、マシンを再起動。
4.再びデバイスマネージャから「Creative Labs IDE controller」のプロパティ/リソースで、自動設定のチェックを外す。
5.「設定の登録名」を「基本設定0003」にする(設定変更ボタンを押してもダメ)。
6.IRQ15が選択され「VIA Bus Master PCI IDE Controller」「Secondary Bus Master IDE controller(dual fifo)」と競合するが続行。
7.Win95がメッセージを出すがOKとする。
8.マシンを再起動。
以上で、IRQ10は空いた。
次にCineMasterを取り付け再びマシンを起動する。CineMasterはまたIRQ11に割り当てられている。「Creative Labs IDE controller」の時と同様に、プロパティ/リソースで、自動設定のチェックを外す。しかし、「設定の登録名」には「基本設定0000」しか候補が無く、設定変更ボタンを押しても「この設定のリソースは変更できません」と出る。ダメだ、こいつは頑固だ。
仕方が無いのでちょっとヤケで、IRQ11の「PCIステアリング用IRQホルダー」を使用不可にしてみる。再起動しようとするが、やはりCineMasterを取り付けているのでフリーズである。リセットボタンを押す。デバイスマネージャを見ると、IRQ11の「PCIステアリング用IRQホルダー」を使用不可にしたのは保存されている。
しかし、DVD再生は相変わらず巾320でないとできないし、Win95の終了もフリーズのままである。あ〜あ。
IDEバスマスタドライバ
Win95OSR2.1をインストールした際、確かIDEバスマスタのドライバを要求された(System Commanderで切り替えているOSR1では、このような要求は無かったが)。仕方が無いので、M/Bに付属していたVIAのバスマスタドライバを入れた記憶がある。しかしWebで調べると、VIAのバスマスタドライバはバージョンによって出来不出来があり、ひどい場合はFATを壊すおそれがあるらしい。DVDドライブもIDEで接続しているので、これも原因かもしれない。ただ、今のところハードディスクもCD-ROMドライブも何ら問題は出てないが。
マスターシードのWebページでは、次のようなパッチでMicrosoftのバスマスタドライバを使う方法を公開している。これとWin95終了時のフリーズは関係ないかもしれないが、もしかしたらDVDの映像がもう少し大きくなるのでは、と少し期待してしまう。
VIA U-DMA33 ドライバーの問題を解消する頼もしいパッチ
EPoXマザーのユーザーである塚本 明さん作成のバスマスタードライバーファイルです。 トラブルの多い VIA製のバスマスタードライバーに変わって マイクロソフト製のドライバーを自動的に組み込みます。 また、Windows 95 で、VIA Tech VP1 VPX VP2 VP3 MVP3 チップセットを 認識できるように、INFファイルにパッチします。 Ver.1.01からVer.1.02にバージョンアップしたそうです。 [OSR1 の場合] コントロールパネルのシステムでハードディスクコントローラーを見ると 「プライマリー IDE コントローラー (シングル FIFO)」 となっているともいます。これがきちんと 「プライマリー IDE コントローラー (デュアル FIFO)」 で、きちんと動作するようになります。 私自身INTEL チップセットでは標準でこのように動作していますので、 悔しい思いをしていました。スピードもあがるはずです。 [OSR2 の場合] バスマスター動作します。VIAのようなトラブルはないです。 OSR1 の時と同じく 「デュアル FIFO」 で動くようになるだけでなく コントロールパネル内のシステムの、ディスクドライブで、 DMA項目がありますので、チェックを入れてください。 無事バスマスターになります。 VIA Patch Ver1.00 for VIA Tech Apollo VP1 VPX VP2 VP3 MVP3 by Akira Tsukamoto akira-t@mb.kcom.ne.jp 【インストール方法】 【アンインストール方法】 【VIA Patch Ver.1.00】 【VIA Patch Ver.1.02】 |
早速ダウンロードしてインストール開始。batファイルを実行すると次のような書き換えを行う。
再起動のメッセージが出るのでそのとおりする。しかし、CineMasterを付けっぱなしだったのでまたフリーズ。ったく、もう。仕方ないのでリセット。再起動すると、いくつか新しいハードウエアを認識し、再び再起動を要求される。分かっているが、またまたフリーズ。こんなセットアップで大丈夫だろうか。
それでも、どうやらパッチは通ったようで、バスマスタドライバは変更されたようである。「デバイスマネージャ/ディスクドライブ」の各ハードディスクの「プロパティ/設定」に「DMA」というチェックボックスもあるので、これをONにして再起動。フリーズは無視してリセットすると、問題無くセットアップは完了したようである。オマケというかセットというか「不明なデバイス/PCIブリッジ」というのも無くなった。
ちなみに、CD-ROMドライブとDVD-ROMドライブもDMAをONにできるようになったが、調子に乗ってこれをONにするとDVD Playerが起動しなくなった。当たり前か。
で結果
さてお待ちかね。DVDの再生である。IDEバスマスタドライバを変更しただけだが、藁をも掴む思いである。
しかし、結果は全くダメ。全く効果無し。DVDの映像は相変わらず大きくならない。Win95終了時のフリーズも直らず。CineMasterをデバイスマネージャで使用不可にしてもフリーズは直らない。
やはり新しいビデオカードが必要か。