研究所人事係資料室
Update:2004/03/29
●GK2-AAS101R あいん・あすとらいあ 詳細解説●

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総説
ベースモデルはSUONO社製市販モデル・「AS101・CLIO-II」タイプ。
軍用フレームにも用いられている強靭なフレーム構造を持つヘビーデューティ仕様である。
書類上は「改造機」となっているが、未教育状態の機体をもとに、ほぼすべてのパーツが何らかの手を加えられているため、完全な新造機と言ってもよい。
※機体登録(=戸籍)書類を流用するための「便宜上のベースモデル」といった方が正確かもしれない(笑)。

フレーム
軍用にも使われる、特殊軽合金とカーボンファイバーの複合フレーム「グラフィメタルフレーム・TypeR」を使用。
当初は市販ハイエンド機「CLIO-II」の物に特殊加工とファインチューンを施していた「TypeM」を使用していたが、現在は某ルートから入手したモノホンの軍用フレーム「TypeR」にさらにチューニングを施したもの(通称v-spec)に換装している。
また、CLIO-IIタイプの拡張ターミナル機能を生かし、さらに拡張が施されている。
両腕/両脚/背中/肩などに拡張ターミナルジョイントを持ち、さまざまな追加装備が装着可能。軍用機では「マクミランガンポッド規格(*1)」、民間機では「HQ-ARM仕様」に準拠したインターフェイスだが、あいんの場合はがけ研オリジナルの「GALシステム(*2)」を内蔵しており、両規格の完全エミュレーションのほか独自規格装備の搭載も可能である。
両腕は肘の上、両脚は太股の上から1/3のところから切り離して換装が可能。フレーム中心部に伸縮式のマイクロマニピュレータを装備しており、自力での換装が可能である。
加えて、両もみあげ部(おさげ部分)にはがけ研独自規格「PSY-Forceシステム」の端子となっており、これらの拡張機能によって高度な汎用性を得ている。
こうして、あいん本体と拡張装備を切り離すことで、高い汎用性を実現している。たとえば移動用の大出力推進機構やGジェネレーターなどを内蔵せず、すべて外部接続としたことで、機体本体に余計な負荷をかけることなく多機能化が実現されているのである。

頭脳
搭載されたAIチップは「E.Core(エモーション・コア)(*3)」。'遺跡'から発掘された超科学を基にしたがけ研オリジナルのAIである。
これにより、現在主流になっている擬似人格(感情エミュレーション)とは異なるアプローチから、人間同様の人格・感情を実現している。
身体制御系のCPUは通称「P-IV」と呼ばれる。(随時アップグレードされる(*4))
OSは「HuMAN68K-GR2」「もっとも自然なDOLL制御OS」と言われる「HuMAN68K」の移植改良版である。
世間では、ウインドウベースのGUIやプラグ&プレイ機能を備えたOS(*5)が一般的であり、HuMAN68Kも移植版の「EX68(for Will-Dolls)」が一部の機体に採用されている。しかし、がけ研の機体はあえてコマンドベースの独自OSを採用、これに「HuMAN68K」を移植・最適化したものを搭載している。
一見、時流に反した旧態依然のシステムのように見えるが、DOLLの活動自体には「無駄」でしかないこれらの機能(*6)を廃し、システムコードレベルでハードウェアに合わせた徹底的な最適化を施すことで、非常に高いポテンシャルを秘めたシステムとなっている(特に、反射運動時の反応速度は軍用機に匹敵する)。
また、メジャーなOSを採用しないことによって、コンピュータウイルスなどに対する耐性も高まっている


動力系
市販モデルに多い「燃料電池+進行波アクチュエーターアレイ」ではなく、「分子開放炉+動力ポンプ+応力チューブ」という構成になっており、段違いの高出力を誇る。
分子開放炉は、物質分子の原子への分解時に発生するマイナスエネルギーを純粋エネルギーに転換する動力炉で、コンパクトかつハイパワー・無公害かつ高効率を誇る。
動力ポンプは、純粋エネルギーを駆動液に乗せて機体各部へ送り出す。間欠電磁加速方式によって駆動するため、彼女の胸に耳を当てると「鼓動」が聞こえる。
応力チューブは、純粋エネルギーによって収縮する人工筋肉であり、動作アシストとしてリニアモーターを複合搭載している。

メンテナンス系
ナノマシンによるリペア(自己修復)システムを採用し、高いフリーメンテナンス性を実現している。ただし、AIチップに寿命があるため、「何百年も生きる」というわけではない(正確な「寿命」は不明)。

補機類
空間周波数センサ(目)、振動波センサ(耳)、化学反応スニッファー(鼻/舌)、触素膜(皮膚感覚)など、人間の持つ感覚を一通り搭載。
髪は光の入射角によって紫から青へと変化する偏光結晶キューティクル。大気流動センサを兼ね、高度な運動性をサポートする。
食物エネルギー転換機構によって、人間と同様の食物を消化し、エネルギーへ転換することが可能となっている。
また、非接触データ転送機能「インポート・アイ」を両目に内蔵。静の機能をコピーしたものである。
データの転送はできるものの、転送終了まで瞬きもせずじっと見つめ合っていなくてはならないので、大容量データの転送時は「涙をボロボロ流しながら必死で見つめ合う二人」というかなりシュールな光景となる(爆)。


拡張装備
●サイフォース・ビット・システム
もみあげ部に装備している二本の棒状のパーツ。切り離し、反重力によって独立飛行する。
ファンネルのように同時多方向攻撃が可能・・・なはずのだが、人並みの思考を持つあいんの場合、マルチタスクで制御することができない。つまり「ラジコンを2つ操作する」ようなもので、操作だけでてんてこまいになってしまう。
●エア・ショット・マニピュレーター
圧縮空気によって射出されるワイヤー付きロケットパンチ。いわばペットボトルロケットである(笑)。
射出前に空気を吸い込み圧縮する必要があるので速射性は低い。とはいえ、ギリギリまで圧縮された空気と、水の代わりに使われた特殊薬剤によって推進されるその威力はバカにしたものではなく、初速だけで見れば静の「ワイヤード・ナックル」をも凌ぐ。


*1)機動兵器用の拡張兵装規格。陣営を問わず採用されている。
*2)General Automaton Linkage SYSTEM(汎用人型機械対応接続規格)、略してGAL(ぎゃる)システム(笑)。
*3)エモーション・コアとは、「大切にされた物に宿る魂」をその物体に固定化した超AIチップである。
*4)人格はAIチップにあり、CPUとは独立しているため、人格を保ったままCPUやメモリのアップグレードが可能。
*5)「Will-Dolls」、「OX-S」という2種類のOSが一般的であり、特に前者は市場シェアの8割を占める。
*6)OSのGUIやプラグ&プレイは、作業者がDOLLのセットアップや改造時に使用するシステムであり、DOLL自身の活動には特に必要なものではない。