『ラブ&ポップ』

原作:村上龍 監督:庵野秀明を見て思ったこと。


ストーリーは小説と映画、ほぼ同じでした。先に小説を読んでいたのでその

微妙な違いを探すのが楽しかったですね。

話の流れが同じ分だけ、「小説」と「映画」というメディアの利点・欠点が

よく見えたような気がしました。



「小説」はその描写で細かいところまでよく分かるぶん、その細かさが時々

余分でおせっかいになりうるさく思える時がある。

それに比べて「映画」は自由度が高く、見る人それぞれが自分の解釈で見る

ことが出来るけれど、その分(自分がそれをよく理解出来ないときなど)

その自由さがアダとなって分かりにくいと思える時がある。



と、そんなことです。(そういう意味では漫画っていうのは両者の利点を

「絵(カメラワーク)」と「せりふ(説明)」でうまく取り入れたジャン

ルのような気がしますね。)



私はどっちかというと映画の方が好きですが、それは自分にとって映画の方

がスマートに思えたからです。小説の方の「イヤなくどさ」(これは村上龍

の小説には不可欠なものだけど)が映画ではうまく消化されてましたね。

決して明るくない映画でしたが、最後にちょっとだけ希望をもたせる終わり

方で救われたような気がします。エンディングの歌、よかったです。ヘタな

ところ(失礼)が映画によく合ってました(^^



技術的なところは・・・カメラワークが非常に面白かったです。すごいヘン

なところから撮ってたりして(電子レンジの中から・鉄道模型の電車の上か

らなど)。一カ所に落ち着かないカメラは見てて目がグルグルしてきます。

デジタルカメラを使った荒れ気味の画面もこの映画にピッタリでしたね。

あと・・・「食べるシーン」がエッチだと思ったのはオレだけだろーか

(苦笑)



最後に。この映画、エヴァファンなら2倍楽しめますのでファンの

人は機会&興味があったら見てみてくださいな(笑)

19980118/Nanashino


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