2000/12/22 大川興業本公演『業業業』愛知県芸術劇場小ホール (2000/12/26記)

※メモ程度の感想なのでストーリーの前後やセリフなど細かいところは違ってると思います;1回しか見てないし…。 あくまでもこんな流れだったということで。ビデオが出たら書き直したい 遺伝子によって人間の価値が決められてしまうという近未来。 双子の兄が集団殺人をして逮捕された数年後、 東条(江頭2:50、双子の弟)は裏系ネット中継でホモ演技(ホモチャンネル<元ネタは2ch?)の仕事をしながら 兄の罪を償おうと「いのちの電話」でボランティアをしていた。 裏チャンネルをウォッチしていた反町(松本キック)とその仲間は 殺人者のDNAを持つ東条を追いつめてシリアルキラーにしようと理由のない悪意を抱く。 それまでは静かに暮らしていた東条は反町の情報操作によって近所の人間に差別&疎外されたり 兄の事件の被害者の身内(ハウス加賀谷)にたかられたりして徐々に追いつめられていく。 反町は東条を完全な殺人者に仕立て上げようと 正体を隠してホモの恋人(<相手が江頭なので;)として近づく。 辛い状況の東条をやさしい言葉でなぐさめるが、実は黒い心で悪意のカタマリ満載の反町。 慰めの言葉がこころを揺さぶるが(普通に聞けばとても良いことを言っている)、 反町の本心(悪意)を知っている観客(=私)にとっては背筋がゾクゾクするシーンでした。 その後、東条をもっと追いつめようと別れを持ち出す反町。 別れの時の叫び「寂しいから他人にすがるなんて、そんなのズルいじゃないか!」 反町は悪意を持って東条に近づき、心にもないセリフを吐いていたのだが この叫びだけは反町の本心だったのではないか?と思わせられた。 反町と別れるまでは辛い環境になんとか耐えていた東条だがとうとうキレて加賀谷(だったっけ?記憶あやしい)をボコボコに殴る。 それが原因でホモチャンネルをクビにされそうになる…。 反町は自分の情報操作がうまくいったと喜んでいたが、 少しずつ予定が狂っていき、追いつめられる立場になる。 しかも、反町が仲間だと思っていた人間は、実は反町を利用しているだけだった。 他人を利用しているつもりが実は逆に自分の方が利用されていたことを知って絶望する反町。 どこにも行き場がなくなった東条はついに殺人犯に変わる。 兄と同じ人数を殺した東条は更にヨシオ(後述)を殺そうとするが、 実はこの時の殺人は演技で、ホモチャンネルで実況中継を流すことで視聴率を取る計画だった。 世界中からたくさんの反響の電話がかかってくる…。 「東条が本当に切れた時はすぐに警察が来ますから安心です!」 東条は欠点を逆に利用することで世界中の人気者になった。 絶望してキレた反町は東条を殺そうと赴く。 ここで反町の前に姿を現した東条のセリフ「犯人は絶対ここに来ると思ってたよ」 お互いをナイフで攻撃するが、反町は負ける。 負けた反町はもうダメだとばかりに東条のナイフを奪い、自殺しようとするが 東条のナイフは模造刀なので切れなかった。 「どうして切れないんだよ!」絶望する反町。 「殺そうと思わなかったからニセモノのナイフだったんだ。 傷つくことでやさしさのスイッチが入るんだ。心は遺伝子に勝つんだよ。 おまえも本当は寂しかったんだろう?今度、いっしょに飲みに行こう」 うずくまった反町をやさしく許す東条。 今回の公演で個人的にイチバンきたのは「いのちの電話」で東条に慰められる下丸子ヨシオ(大川総裁)。 ヨシオは小心者で大きい声が出せない。(ストレスで胃を/半分に/カット) 対人恐怖症で引きこもり。しかも、トモちゃん(と言っても華原○美ではなくて桜○智・元レ○ンエン○ェル)好きでハッカー。 死のうとしたヨシオはいのちの電話で東条に出会い、 「ハッカーの特技を生かしてコンピュータ会社に就職して生きていけばいいんじゃないかな」 と勇気づけられる。最後に反町のデータを逆ハッキングして東条を救ったのはヨシオだった。 私が見た回は、名古屋での楽日ということで最後に長めのカーテンコールがありました。 大川興業メンバーの長いツレ仲間のあいだの雰囲気をバシバシに感じました。 困難を乗り越えてきていろいろあったけど今は幸せだ。というか。(カーネーションの歌でそんなのがあったな…) 「お笑い版・イエスの箱舟」という評判がピッタリですネ(笑) 大川の人間って大川以外ではうまくやっていけなそうだもん…(失礼) お笑いをすることで今回の江頭の役のように救われる印象が強いです。 今回の公演では、いのちの電話(昔の公演)/下丸子ヨシオ(総裁ソロライブ)/遺伝子殺人(江頭ソロライブ) など、過去に演じられたネタがさらに消化されていて良かったです。 ハウス加賀谷がちょい役だったのが残念ですが、予定より早く復活できた(※病気療養中だった)だけでも良かったね。 キックさんとの自転車二人乗り映像にちょっと萌えたー(笑)仲良しさん。 今回は大きな社会現象ネタを取り上げなかったせいか少々地味な印象もありましたが 困った人々を一見奇抜だけど、しかし、正しい方法で全員救った総裁の力技に拍手を送りたいです。 (前々回の『自由自』も同じ意味ではよかったけど、あれは最後付け足しっぽいところがあったような気が) ストーリーも分かりやすかったし。 困った人生を送っている自分も東条やヨシオやその他の人物のように 一見欠点に思われるところを逆に長所にして生きる動力にすることができるかもしれない。逆転の発想。 と希望を与えてくれる作品でした。 バッドエンドもいいけど(前回の公演はハッピーエンドとバッドエンドの2通りのオチがあった)、 フィクションには希望があったほうがいいと思うので。 ■思ったことメモ 大川ってジャンル的には「お笑い」だけど、「演劇」畑に移行した方が もっと評価を受けるんじゃないかなあ…特に本公演。 その辺の演劇にも負けないと思うのですが。 心になにも残さないものが多すぎる(<そーいうのもアリだが)お笑い畑ではもったいない。 あと、エガちゃんを一度映画で使って貰いたいですね。真面目な映画で、本公演と同じ様なポジションで。 勇気のある監督さんはいないかー。<ってこのページ見てません。 でも真面目な映画ではなくて大川はあくまでもお笑い路線を選ぶんだろうな。とも思う。 ※ってエガちゃんソロライブの時も同じことを書いているなあ。私。
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