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Maria Sama Ga Miteru
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まとめて感想大会

前書き

 ごきげんよう。
 SSも進まないし絵も描けないので、また感想を書きます。ですが、気に入らないときだけ声を上げ、そうでない時は何も言わず黙っている、というのはフェアでないので、極めて時期はずれですが「フレーム・オブ・マインド」と「薔薇の花かんむり」そして「キラキラまわる」の感想をまとめて書きます。
 本当は、感想ではなく作品で語るのがベストですが、ネタはあるけど時間がないのと、語りたい、という理由から、今回は雑文となりました。
 なお、「キラキラまわる」に関してはネタバレがありますのでご注意ください。

「フレーム・オブ・マインド」

 短編集で既出の内容をまとめたものですが、これが短編集か、というくらい面白かったですね。各編の内容もバラエティに富んでいて、単なる番外編集を超えた楽しさがありました。学園ものは登場人物が多くないと楽しくならないと思っているのですが、今まで「祐巳−瞳子」に流れが集まり過ぎていたところへこの広がりでしたから、学園ものの楽しさが一気に戻ってきた感じです。
 さて写真部ファンの私としては蔦子さんの表紙登場や笙子ちゃんが実は主役でスットコドッコイをやっていたりして大変満足できる内容でした。蔦子さんの名前を書いただけでハァハァして膝がガクガクしてしまう笙子ちゃんや、蔦子さんをちゃん付けで呼ぶ写真部のお姉さま方の登場は楽しかったですね。
 そのほかでは脚をさらしているのに目のやり場に困られない桂さんのお姉さん顔や、名探偵発言で周囲を脱力させる由乃さん、時々ついていけなくておろおろしてる志摩子さんも番外編ならではの気楽な感じで良かったですね。
 私の傾向として、マリみてはちょっと泣けて笑えるお嬢様ドタバタコメディー、という位置づけがあるようなので、あまり1対1もしくは1人の心情や内面を深く(ネチネチとも言われますが)描写するのではなく、ドタバタを通してそれらをうまく表現してもらって笑ったり泣いたりする、のが好みのようです。
 細かいことでは、ページ数が多いので挿絵が少なかったのが残念でした。特に「枯れ木に芽吹き」の克美さまのイラストは絶対入ると思っていただけにちょっと残念でした。内藤姉妹は短編出身とはいえうまく本編キャラに絡んでいますね。
 というわけで、大変満足のいくすばらしい一冊でした。

「薔薇の花かんむり」

 ついに新姉妹誕生!な訳ですが、今まで十分ページを割いていたせいか、祐巳-瞳子はあっさり決まった感がありますね。編集部から引っ張れ、という指示が出てはいたと思われますが、作者はきちんとイベントを用意していたようで、姉妹が成立するや否や余韻もなく次の展開に進んでいったように思います。そしてやや描写不足気味かな、という密度ですがすんなりと無理なく三年生を送る会、その後のかくし芸まで書かれている、と感じました。
 演劇部の典部長や美術部の人たちや聖さま、そして三奈子さまの再登場で、広がりが出てきてますね。ここ一連の流れではいつどのように瞳子が祐巳の妹になるのか、ということは重要なテーマでしたが、それ以外の部分もちゃんと進行しているので楽しく読めました。学園ものはこうでなくちゃね。
 さて写真部ファンの私としては笙子ちゃんの撮った蔦子さんの写真が展示されていたはずなので、そのあたりを読みたかったのですが、これはかないませんでした。短編でのフォローに期待したいところです。「フレーム・オブ・マインド」のようなことがもう一度あるとうれしいですね。
 ということで結論としては、私も三奈子さまにしなだれかかられたいです。

「キラキラまわる」

 いつもの面々が遊園地で遊ぶ、という内容のまあ番外編のようなものですが、新年会を小笠原邸でやった話よりはるかに面白い!大傑作!な感じです。
 「どういう組み合わせで!」というのが本編で出てきますが、今回の面白さの原点はこれに尽きると思います。繰り返しになりますが、私の好みは、一人の人物の内面を私小説的に掘り下げるのではなく、仲間たちとの交流を通じて描写する、というものですから、まさに私好みの構造をこのお話は持っているわけです。
 写真部組は最後は紅薔薇組から連続ボケを食らいますし、問答無用でユキチにしがみつく由乃さん、由乃さんをなだめるのは祥子さま、いつもの様子からは想像できないツンデレで柏木さんに甘えて接する祐巳、ツンデレトランスレーター可南子、姉の友人たちにいいようにこき使われるユキチ少年など、いつもの学内での立場にとらわれない交流がとても楽しいです。
 個別に見ていきましょう。紅薔薇組では、祐巳と柏木さんのやり取りが面白いですね。祐巳も成長したもので、単純な嫌悪や混乱ではなく愛憎交じりで柏木さんと接するようになれました。柏木さんも祥子さま、そして瞳子を救ってくれた祐巳を高く評価しているようです。照れ隠しにキザやってますけどね。そしてユキチ少年の立場はおいしすぎます。私も姉の美人ぞろいの友人たちに振り回されてみたいものですよ。
 黄薔薇組は、令ちゃんと離れてやっていけるように成長したはずの由乃さんが、うっかり前の調子に戻ってしまい、ユキチや祥子さまを巻き込みながらも最後は元に戻る、という展開でしょうか。
 今までは阿吽の呼吸で許されたところもありますが、今後は独り立ちして、きちんと自分や菜々の事を言葉で令ちゃんに伝えられなければならないのです。ラストで由乃さんはそれをちゃんと思い出しますが、「シャー」としがみついたり、「酔った」「伝令」「回復が早すぎる」とかかわいらしいですね。いいなあユキチ少年。
 白薔薇組は志摩子さんの打ち明け話に乃梨子が驚き、空から地上の様子を見て受け入れることができた、という話ですが、志摩子さんの中では解決済みの話なのであまり盛り上がらなかったと思います。いったいどうしたのでしょうか?他と比べて明らかに変です。ここから妄想ですが、初期段階では聖さまが登場して、聖さまと乃梨子の対決が柏木さんと祐巳のやり取りのように描かれ、クライマックスで栞さんと志摩子さんの境遇が同じであること、志摩子を頼む、というような話が聖さまから出て、乃梨子は快諾して二人が和解する、というものだったのかもしれません。それが種々の理由で今回のように短縮されたか、あるいは聖さま登場編が先送りにされたのではないか、と考えています。実現するかどうかは全く不明ですが、聖さまと志摩子さんと乃梨子の同席編に期待することにします。
 次は瞳子と可南子です。微妙な距離感の二人ですが、それぞれの個人的な問題は解決しているので、そこから離れた新しい関係が垣間見られて面白かったです。おそらくこの二人は、聖さまと蓉子さまのような関係になるのではないか、という妄想を禁じ得ません。可南子のはじけっぷりやツンデレトランスレーターは見事でした。これでは瞳子の仮面はもはや全く役に立ちません。祥子さま卒業後は、祐巳、瞳子、可南子で面白いやり取りが見られそうで楽しみです。
 さて写真部ファンの私としては笙子ちゃんの妄想機関車ぶりと蔦子さんの意外な告白が非常に楽しかったです。カメラを持たずに純粋に遊園地を楽しむ蔦子さん。紅薔薇連続ボケを食らって爆笑してしまう笙子ちゃんとフォロー不可能な蔦子さん。とても楽しそうです。この展開なら、孤高の人蔦子さんにもついに転機が訪れるかもしれませんね。どうして笙子ちゃんを誘う気になったのか、撮らないことによって得たものは何か、その辺も非常に読んでみたい所です。
 というわけで、総合的に見ると私にとって「キラキラまわる」は大傑作!ということになるでしょうか。

しょうもないことをダラダラ書いてきましたが、ここまでお付き合いいただきましてありがとうございました。
これからも楽しめそうですね、マリみて。
それではごきげんよう!



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