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PC-8801FH / PC-8801MH

 


CPUクロックが2倍になった驚きのマシン

 FR、MRの登場後、なんとクロック周波数を2倍に上げたPC-8801FH(以下FH)とPC-8801MH(以下MH)が発売された。PC-8001以来、まったく変更されてなかったCPUであったが、ついに従来のμPD780C-1(Z80A相当)からμPD70008(Z80H相当)に変更され、かつクロック周波数も従来の4MHzから8MHzへと倍にアップされた(互換性の為4MHzに切り替え可)。但し8MHz動作時はメモリウェイトが挿入されるため2倍でなく、実質1.5倍程度の速度向上になっている。
 このクロック周波数変更に伴い、従来の拡張ボードは8MHz時に動作が保証されないといった制限事項が生じ、また単純に無駄命令でFM音源のアクセスウェイトを取っていたゲームソフトなどでは 8MHzに音楽がおかしくなる といった現象も見られた。

薄型の本体と新日本語対応キーボード

 FH/MHでは、本体の形状も大きく異なっている。まず、本体は薄型になり、mkIIとまではいかないものの、SR〜FR/MRまでの機種よりは小さくなった。また従来は本体上に目立たないようについていたスピーカが前面に移動し、5cmの大きさになった。深夜のゲーム用(?)にヘッドホン端子(ジャック形状はステレオだが内部ではモノラル)も付き、ボリュームも本体後部から前面に移され、使い易くなった。
 キーボードも従来のものとは大きく異なり、 等の改善を行った。ちなみにこのFH/MHよりキーボードコネクタが変更になり、キーボード本体も従来のマトリクス型から、キーボード内にサブCPUを搭載したインテリジェント型に変更され、データ転送もパラレル形式からシリアル形式に変更された(但し互換性を保つためソフトウェア上では従来と同じように見える)。

ディップスイッチが本体から消えた

 キーボードに追加されたPCキーだが、FH/MHではこのキーを押しながらリセットをすると「セットアップモード」になり、画面上で各種設定(起動方式、RS232Cの設定等)が行えるようになった。従来の機種ではこれらの設定はディップスイッチというスイッチで設定していたのだが、マニュアルがないと非常にわかりにくいものであった(従来機種では、キーボードの裏などに張るディップスイッチ設定一覧シールがついていた)。

その他の機能

 FH/MHとも、mkII〜FR/MRまで付属していたタートルグラフィックス拡張命令ソフトウェアが付属しなくなった。またFHにも第2水準漢字ROMが標準で搭載された。N88-日本語BASICも新キーボード対応になり、変換キー等が利用できるようになった。細かいところでは、カレンダ時計が年もサポートするようになった(従来はシステムディスクのシステム領域に年を保持しておく領域があって、年が変わるたびにユーティリティで書き換える必要があったが、PC-8800シリーズのファイルシステムにはファイルスタンプがないのであまり困ることはなかった)。
 FH/MHには拡張スロットとは別に、謎のスロットが内部に1つあった。これはマニュアルには一切の記述がなかったが、後に発売される(PC-8801FA/MAと同時発売された)サウンドボードII(PC-8801-24)の専用スロットだった。と、いうことは、FH/MH発売と同時にすでにサウンドボードIIの発売が予定されていたということか 真相は未だ不明である。


音楽がおかしくなる
 これはOPNが常にクロック4MHzで動作していることから発生する現象で、サウンドボードIIに搭載されているOPNAはクロック8MHzのため、CPUクロック8MHz時も音楽は正常であった。

余談
 私は88FAが登場したときに88FHを購入し、バイトしてサウンドボードIIを買った。結果的に、総支払額は88FAよりも高くなってしまった(;_;)

 
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PC-8801FH model30
(ブラックタイプ)

 


おしゃれなブラックマシン

 単にFHのmodel30をブラックメタリック塗装しただけのマシンで、性能的にはまったくFHと変わっていない。同時にディスプレイもブラックタイプが発売されたが、他の周辺機器がアイボリーのままなので、本体だけ黒というのもなんだかなぁっていう感じである。ちなみに黒といえばX1TurboIIIとかX68000を思い浮かべてしまうのは私だけであろうか?

 
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PC-8801FA / PC-8801MA

 

(1997/08/02 update)

サウンド機能を強化した88

 PC-8801FA/MAでは従来のサウンド機能(FM3音+SSG3音)を強化した、FH/MHの後継機である。この機種から2Dディスクドライブ搭載機種でも、model10やmodel20といったドライブなしモデル、1ドライブモデルは廃止され、ドライブ2台が標準搭載となった。
 従来モデルでは音源チップにOPNと呼ばれるFM音源チップを搭載しており、FM音源3音とSSG音源3音(それぞれモノラル)を同時に鳴らすことが出来た。しかし新機種では音源チップをOPNと互換性のあるOPNAに変更し、FM音源6音とSSG音源3音とリズム音源とADPCMを搭載し、さらにSSG音源以外は音を左右に振り分けることができるようになり、ステレオ効果を演出できるようにもなった(但し本体のスピーカは1つしかないため、ステレオ効果を楽しむにはヘッドホン端子かラインアウト端子を使用するしかなかった)。

PC-9800やX68000ユーザも羨む音源機能

 OPNAのリズム音源は、あらかじめサンプリングされてあるリズム音を鳴らすことができるもので、バスドラム、スネアドラム、ライドシンバル、クローズドハイハット、タム、リムショットの6種を同時に鳴らすことが出来た。特にシンバル系の音は非常にすばらしいものであった(反面、スネアの音はリリース(余韻)が足りず、あまり評価は高くなかった)。またADPCMは1音だが、最大16KHzでサンプリングが出来、しかもハードウェアで再生周波数を変更することができた(すなわち、音階の演奏ができる)。OPNを標準搭載(あるいはオプション)していたPC-9800シリーズのユーザや、ADPCMは搭載しているものの、ハードウェアでリニアに再生周波数を変化できなかったX68000のユーザからは音源に関しては羨ましがられた。
 なお、FA/MAにはADPCMを扱うためのサンプリングメモリ(256KB)がOPNA配下に配置され、音声を入力するための入力端子(モノラル)が装備されている。

音源を活かしきっていない拡張BASIC

 FA/MAにはこの新機能をN88-BASIC V2から利用できる拡張サウンド命令がソフトウェアで用意された。しかしお世辞にもサウンド機能を活かしきっているとはいえず、ADPCMのリニア音階再生機能はサポートされず、FM音源を6音同時に使用するとSSG音源が利用できなくなる等、不満は多かった。また拡張音色として64音を追加し、126音が利用できるが、その分フリーエリアが少なくなり、長い音楽の演奏時にはハングアップすることも多かった。ちなみにSRからのバグであった各チャネルのずれ(全音符1つと8分音符8つの長さが違う,といったもの)はまったく改善されていなかった(ちなみに、88VAのV3モードでは改善すみ)。

辞書ROMを搭載したMA

 従来機種と同じように、N88-日本語BASICも標準添付されている。が、MAでは辞書ROMを搭載し(512KB)、N88-日本語BASIC上から利用できるようになった。しかし、この辞書ROMの内容は非公開だったため、対応ソフトはこのN88-日本語BASICしかなかった。
 なお、FAではFHに装備されていたカセットインタフェースとデジタルRGBインタフェースが廃止された。

従来機種用にサウンドボードII発売

 このFA/MAの新機能を従来機種でも利用できるようにするため、サウンドボードIIが各機種用に同時に発売された。
 初代8801〜FR/MRまでは、拡張スロットに実装するタイプ(PC-8801-23)、FH/MHではあらかじめ用意されている専用スロットに実装するタイプ(PC-8801-24)、88VAでは内部コネクタに接続するタイプ(PC-88VA-12と、それぞれ用意されている。PC-8801-23以外のサウンドボードIIは内蔵のFM音源の代わりに動作するタイプなので、ハードウェア上はFA/MAとまったく同じになり、FA/MA対応のゲーム等はそのまま動作した。しかしPC-8801-23に関してはI/Oポートが別になり、従来の音源はそのまま残るため、サウンドボードIIを認識してくれないゲームもあった。

 
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PC-8801MA2 / PC-8801FE

 


MAの直系後継機、MA2

 PC-8801MA2はPC-8801MAの後継機で、MAの辞書ROMを増やし、デジタルRGB端子を廃止したモデルである。その他の機能はMAと変わっていない。

テレビにつなげる88、FE

 一方、PC-8801FEは「テレビにつなげる本格パソコン」というキャッチフレーズで登場し、徹底したコストダウンを行ったモデルである。性能はPC-8801FH相当となり、拡張スロットはなし、拡張サウンド機能(OPNA)はオプションとなった。また、本体にはN88-BASICシステムディスクが付属していない(ユーティリティディスクとして、ディスクフォーマット等のユーティリティを入れたディスクがかわりに付属)。またキャッチフレーズどおり、ビデオ出力端子を備え、家庭用テレビでゲームを楽しむことが出来る(さすがにプログラミング等は解像度の面からつらいものがある)。

セットアップモードも変更

 MA2、FEではセットアップモードが改良された。デジタルRGBを廃止したため、アナログ中間色を使った、グリーンを基調とした美しい画面になり、今までスイッチで変更を行っていたV1S/V1H/V2モードの切り替えもセットアップモードで行うようになった。システム起動時にはテレビのチャンネル表示のように画面右上にモードが表示されるようになった。

ゲームソフトが付属

 PC-8801mkIIには付属され、SRから付属されていなかったゲームだが、MA2/FEではデモンストレーションのかわりに「パニックベアーズ」というアクションパズルゲームが付属されるようになった。これはこのMA2/FEから88シリーズのマスコットキャラクタとなったマックベアの絵をあわせていくパズルゲームで、昔からの88ユーザである私はちょっと恥ずかしくなったくらいである(^^;;;;;
 ちなみにこの頃から88の広告が低年齢層をターゲットとしていったみたいで、あまり好きにはなれなかった。

 
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PC-8801FE2

 


FEの後継機、FE2

 PC-8801FE2はPC-8801FEの後継機で、クロック周波数8MHz時のメモリウェイトをノーウェイトにしたマシンである。それ以外の仕様はすべてPC-8801FEに準ずる。付属ソフトとして「スペースボールベアーズ」というブロック崩しの変形版ゲームが付属している。

スイッチレスになったFE2

 FE2ではセットアップモードがさらに改良され、クロック周波数切り替えもセットアップモードで行うようになった。これでFE2に残されたスイッチは電源スイッチとリセットスイッチだけになった。

 
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PC-8801MC

 


CD-ROMドライブ搭載の縦置き専用マシン、MC

 PC-8801MCはPC-8801MA2の後継機で、クロック周波数8MHz時のメモリウェイトをノーウェイト化、CD-ROMドライブインタフェースの搭載(model2ではCD-ROMドライブも搭載)等を行ったマシンである。付属ソフトとして「スペースボールベアーズ」というブロック崩しの変形版ゲームが付属している。

CD-ROMドライブはPCエンジンのCD-ROMドライブ

 MCにはCD-ROMドライブのインタフェースが標準で搭載されている。model1ではCD-ROMドライブ(PC-8801-30)は別売だが、model2では標準装備されている。実はCD-ROMドライブは家庭用ゲームマシン「PCエンジン」のCD-ROMドライブ(CDR-30)と同等品で、PCエンジンのCD-ROMドライブを持っていれば、model1にそのまま接続できた。当然ながらPCエンジン用のソフトはMCでは使用することができない。

 しかし、すでに大部分のソフトハウスはゲームの開発をPC-9801やX68000にシフトしており、新作ソフトを楽しむといった面では88の魅力はほとんどなくなってしまっていた。こういった中でCD-ROMドライブを搭載しても、CD-ROM用に新規にゲームを開発するソフトハウスは少ない。結果、PC-8801用CD-ROMソフトは10にも満たなかった。また、CD-ROMという媒体の性格上、自分でCD-ROMを作成することが困難であり、さらにBASICからはドライブを制御できず、NECも内部資料も一般公開しなかったためにPC-8801用CD-ROMドライブの価値というものはほとんどなかったのではないだろうか?(消極的な使用方法として、光栄や日本ファルコムが、ゲームのBGM演奏用としてCD-ROMドライブを使用していた程度であった)

 ちなみに、従来の機種用(初代88、mkII、FE、FE2、VAシリーズ、PC-98DOシリーズ除く)にCD-ROMインタフェース(PC-8801-31)が発売されたが、売れ行きはあまり良くなかったようである(ちなみにFHを購入してから、我が家に初めてNECからDMが届いたのは、このCD-ROMドライブの案内だった)。

スイッチレスになったMC

 MCではFE2同様、セットアップモードがさらに改良され、クロック周波数切り替えもセットアップモードで行うようになった。これでMCに残されたスイッチは電源スイッチとリセットスイッチだけになった。


Copyright © 1997 by Hiroshi Ariki / <hariki@lares.dti.ne.jp>

Last modified August 2, 1997