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DVRaptor使用記



 カノープスのDVキャプチャ&ビデオ編集ボード「DVRaptor」の2週間レンタルの感想です。
 到着からインストールまでのレポートです。
 実際のアプリの使用感は申し訳程度にしか記載していません(だって素人だし)。

はじめに

 私の趣味の1つである(といってもここ4,5年前からですが)ダートトライアル観戦で、 「この迫力のシーンを自分でビデオ撮影したいなぁ」とずっと思ってました。
 そして、今年ついにDVカメラを購入するに至り、長年の夢(大袈裟な…)がついに実現できました。
 しかし、やはりビデオ撮影はド素人の私。撮ってはみたものの要らないカットが多すぎて、 見るのが非常に退屈なビデオとなってしまいました。

「なんとか不要な部分をカットして、短く編集できれば…」

 これがDVRaptor導入を考えたきっかけです。
 もちろん、カット編集だけなら、DVカメラと普通のVHSデッキがあれば実現できます。が、パソコンでやろうとしたのは、 「いろいろと応用が利くかもしれない」と考えたからです。 将来、自分が結婚して子供の成長記録を撮るときに (多分撮らないと思ってても、実際子供が出来たら絶対親バカになるんだろうなぁ)、 いろいろと編集できれば退屈しないビデオが出来るかもしれません(あくまでも予定、予定ですよ)。


DVRaptorを選んだ理由

数あるDVキャプチャボードの中でDVRaptorを選んだのは、次の理由からです。
  1.  前評判が高い
  2.  カノープスの製品だから信頼できる
  3.  オーバレイでスムーズなプレビューが可能だから
  4.  Windows98 Second Editionを必要としない
  5.  2週間レンタル制度(2Weeks Rental)がある
1.はNiftyなどのベンダーフォーラムや、雑誌の評価が良かったことが理由です。
2.については、「完全な私見」です。現在使っているPWR128A GTSやDA-Port USBもカノープスの製品ですし、 ドライバも高速でよく出来ていると思います。
3.については、キャプチャ中のDVカメラからのアナログ出力をパソコンのディスプレイにオーバレイ表示できるからです。 他のDVキャプチャボードはソフトウェアでDVデータをデコードしながら表示しているので、 キャプチャでHDDのアクセスで負荷のかかっているCPUにさらに負荷を掛けてしまい (事実、VAIO C1のDVGate Stillのプレビュー画面は秒数コマくらいでした)、 正常にキャプチャできなくなるかもしれないという不安があります。 (後々考えてみたら、キャプチャ中はDVカメラの液晶に再生中の画像が表示されるのだから、 それをプレビューとして使えば良かったりして… でもPCのディスプレイから視線をかなり動かさないといけないので、やはりDVRaptorがベストなのかもしれません)
4.は、最近発売されている低価格DVキャプチャボードがほぼすべて Windows 98 Second Edition の DVカメラサポート機能を使用しているため、Second Edition が必要になります。 自分のパソコンにも Second Edition を入れてしまえば解決する…のですが、 DA-Port USB が Second Edition に対応していないため、インストールできないのです。
5.が今回の決め手です。ただでさえIRQが不足気味の我がマシンできちんと動作するか?  この制度があったからこそこのページがある訳で、他のメーカーもぜひ見習って欲しいです。


インストールした環境

 インストールした環境は次の通りです。

CPUPentium-II 400MHz
マザーボードGIGA-BYTE GA-686BX (i440BX)
RAM128MB
VGACanopus PWR128A GTS
HDDマスター:UltraDMA33 5400rpm 6.4GB (Samsang製)
スレーブ:UltraDMA66(33モード) 7200rpm 13.5GB (IBM DJNA-371350)
SOUNDCreative SoundBlaster AWE64 (ISA)
SCSITekram DC-390U
CD-ROMPioneer SCSI24倍速
CD-RTEAC CD-R55S SCSI
NICノーブランドPCI 10BASE-T (VIA製コントローラ)

 また、インストール前のIRQの割り当ては次のようになっています。
(但しIRQ00〜04、06〜08は他のマシンと特に変わりが無いので省略します)

IRQ05Sound Blaster AWE64
IRQ09PCI Ethernet Adapter
PCIステアリング用IRQホルダ
IRQ10空き
IRQ11Tekram DC-390U
Intel 8237AB/EB PCI to USB Universal Host Controller
PCIステアリング用IRQホルダ
IRQ12PS/2マウス
IRQ13数値データプロセッサ
IRQ14プライマリIDE
IRQ15PWR128A GTS
PCIステアリング用IRQホルダ

ちなみに、DVカメラは、「スタミナハンディカム」SONY DCR-TRV10です。


レンタル物品到着

 9月30日にレンタル申し込みをして、11月6日よりレンタル開始ということでしたが、 若干貸し出し開始日が早くなりそうと連絡があり、11月2日に物品が到着しました。 レンタル終了日はそのままなので、約二週間半レンタルできるということになります。 非常にありがたいです。

image 36KB
こんな感じの箱に入って届きました。
送り返す時に気がついたのですが、この箱って、宅急便のサイズに
ぴったり合っているのですね。

 内容物は「DVRaptor製品」「DVRaptorオペレーションガイトブック(別売品)」「レンタルアンケート」 「導入手順&チェックシート」「RaptorEdit体験版CD-ROM」「返送用宅急便着払い伝票」でした。
 導入手順としては「導入手順&チェックシート」(ちなみにこれも返却するようになっている)の通りにやっていけば インストール→動作確認までが一通りできるようになっています。 もちろんマニュアルも参照するように記載されていますのでマニュアルも読む必要がありますが、 読むのはインストールの箇所までで、あとは「オペレーションガイトブック」を参照するよう記載されています。
 この別売品の「オペレーションガイドブック」ですが、画像のキャプチャからカット編集、 DVテープへの書き戻しといった基本操作から、DVRaptor付属のUlead MediaStudio Proを使用した簡単なタイトル入れ、 トランジション効果のつけ方までを簡潔に説明してあり、余計なことが細々と書かれていない、 非常にわかりやすいマニュアルとなっています。個人的には、これを標準添付すればよいのではないかと思いました。
 ちなみに付属マニュアルの後編にある説明は、ただのリファレンスで初めて使う人にとってはちょっと難しいと思いました。


いざインストール

 インストールは主に次のステップで行います。
  •  パソコンにDVRaptorのボードを装着
  •  デバイスドライバのインストール
  •  各種アプリケーションのインストール
 ボード装着は他のPCIボードと何ら変わったところはありません。空いているPCIスロットに挿入するだけでOKです。

image 38KB
うちの空きスロットの状態。PWR128A GTSの下に差すと、これとIRQを共有してしまう。
と、なると、残るはNICの下に差すしか…意外と空きスロットてないもんですね。

 ボード装着後電源を入れると、プラグ&プレイでDVRaptorが認識されます。 その後ドライバのインストールを画面の指示にしたがって行うだけです。
 この時、DVRaptorは PCI Multimedia adapter として認識されます。 どうやら通常の IEEE1394 インタフェースとはデバイスクラスが違うようです。 DVRaptorのDV端子は完全にDV専用なのかもしれません。
 ドライバのインストールが終わったら、あとは各種アプリケーションのインストールです。 この時注意するのは、先にMedia Studio Proをインストールしてからアプリケーションをインストールしないと、 Media Studio ProのプレビューでDVRaptorのスムーズな再生機能が使用できなくなってしまうそうです。

 さて、ここまで出来たら、付属の動作確認用ソフトウェア、Raptor Testで動作確認を行います…が、 何故か認識してくれません。おかしいなと思いデバイスマネージャを見てみると… ネットワークカードとIRQが共有されてました。 DVRaptorはIRQ共有に対応しているので、原因はネットワークカードです。
 このノーブランドPCIネットワークカードですが、さすがに安かっただけあって、IRQの共有は出来ないようです。 過去にPWR128A GTS(このビデオカードもIRQを占有するらしく、共有ができない)とIRQが重なることもあり、 この時は結局いろいろと刺す位置を変え、割り当てられるIRQを変更してなんとか動くようになりました。
 もちろん、今回も正常に動くようになるまでいろんな位置に刺して、ようやくRaptor Testで正常に認識するようになりました。  一体どんなIRQで動いているんだろうと思ったら… な、なんと、マニュアルにも「割り込みを占有するので共有は出来ない」と書かれていたPWR128A GTSと同じIRQでした。 やはり自社製ボードとの共有はできるようになっているのだろうか…


ソフトの使用感

 さて、正常動作していることを確認し、簡単な編集を行ってみます。
 まずは、「DVテープの内容を全取り込み」して、30分程度の巨大AVIファイルを作成しました。 これはHDDの性能を調べるという意味もあります。ちなみにRaptor Testでは10MB/sを上回る読み書き速度が出てました。
 「参照ファイルにキャプチャする」という設定を行っていなかったため(初期値はOFF)、 9分を過ぎたあたりで突然キャプチャが止まってしまいましたが、設定を行ってからキャプチャすると、 きちんとキャプチャ出来ました。DVRaptorは、コマ落ちしそうな場合は途中でキャプチャを中断するそうですが、 そうならなかったということはコマ落ち0でキャプチャできたということになります。

 さて、取り込んだ中から一部を切り取り、順番を入れ替えたり、要らない部分を削除し、DVテープに書き戻す作業は、 取り込みのときにも使ったRaptor Videoを使用すれば簡単にできます。割と直感的に操作ができるので楽ですし、 テープに書き戻す際に、ずれのない書き継ぎができるようになっています。 この機能は恐らく他のDV編集ソフトにはないのではないかと思います(もしかしたらあるのかもしれませんが…)。

 残念なのは、このRaptor Videoは、編集した結果をAVIファイルとして出力することが出来ないことです。 付属のMedia Studio Proでやれば良いと思ったのですが、参照AVIファイルの場合、うまくいきませんでした。 これさえ解決できれば、すばらしいユーティリティになっていたと思います。

 DVテープの中を調べるには、Raptor Naviが便利です。これはテープをスキャンし、 シーンの変わり目やタイムコードの不連続を検知してリストにしてくれます。 出来たリストにはコメントを入れて保存したり、印刷することもできます。 また、Raptor Videoを使用してバッチキャプチャのリストにも利用できます。

 ただ、テープの最初から最後まで調べるため、実時間と同じ時間(30分録画してあれば30分)かかります。 精度を落とせば、20倍速でのスキャンも可能になっていますが…


 と、こんな感じです。
 なお、Raptor Video, Raptor Naviを使用する場合、 必ずDV機器を接続して、電源をいれておかなければいけません。


Copyright © 1999 Hiroshi Ariki / <hariki@lares.dti.ne.jp>

Last modified November 23, 1999