2.舟木一夫の遠藤実 三大アレンジ
舟木一夫の初期のヒット曲はほとんどが遠藤実の作曲ですが、「高校三年生」をはじめとして編曲は福田正という人が担当しています。
それでも、下記の曲は遠藤実自身が編曲まで手がけました。非常に繊細できらびやかで、聞いて楽しい編曲です。
君たちがいて僕がいた
最初、バイオリンの弦楽器で2小節が流れ、その後”清らかな青春 さわやかな青春・・・”とセリフが入り、”そして、僕がいたー” バーン(シンバル音)→ 女性コーラス ”ランラン ラーララン ランラン ラーララン”とリズミカルな手拍子を打ちたくなるような伴奏が続きます。
青春を謳歌する若者たちが、元気はつらつと突き進むエネルギーを感じさせます。
またこの曲で特徴的なのは、シンバル楽器を2ヶ所で効果的に使っていることです。歌謡曲でシンバルがこんなに表だって効果的に使われているのは他に思い当たりません。1ヶ所は上記で述べたセリフの終わりに、そしてもう一ヶ所は、同じく上記の女性コーラスの合間に「バーン」と鳴って、その後の”タリラン タリラン タリラン”と3つ共、同じメロディーで押して来る所をを盛り上げています。
全体を通して小太鼓がリズミカルに流れているのも小気味よいです。
花咲く乙女たち
マリンバ(木琴)の音色が小気味よく流れる非常に華やかなアレンジです。まさに花やぐ乙女たちを象徴しているように聞こえます。金管楽器とマリンバが掛け合うように流れます。女性コーラスで♪デュワー♪というのも面白いです。1番と2番の間に流れるバイオリンのメロディーがとてもきれいです。
この曲は西條八十の作詞ですが、♪月夜の銀の波の上♪などというきれいな言葉と相まって、とにかく明るくきれいな曲にまとめられています。
右衛門七討入り
赤穂浪士の戦いをイメージして尺八、琴、陣太鼓などを用いた日本調的なアレンジです。
遠藤実がこんなに日本楽器を駆使するのは珍しいと思います。男の戦いですから男性コーラスもバックに入れて盛り上げています。
余談ですが、舟木一夫はデビュー2年目(昭和39年)の紅白歌合戦では、この曲を赤穂浪士の衣装で歌っています。当時は「花咲く乙女たち」が大ヒットしていたので、てっきりこの曲かと思っていたのに、それほど大ヒットでもないこの曲が歌われたので、ほんとに意外な感じでした。しかし、客観的に考えれば、NHK大河ドラマ「赤穂浪士」で舟木一夫が右衛門七役で出演していたのだから、この曲に決まったのも納得できます。
<推薦曲>
「あありんどうの花咲けど」・・・・橋幸夫の「江梨子」に対応するような青春の悲恋の歌です。マンドリン楽器が効果的に使われています。舟木一夫が「言葉をていねいに歌っている曲」として、私の一番好感の持てる曲です。
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