美空ひばりの3大名曲 (令和元年-7-18改定)

りんご追分

ひばりの哀愁をおびた歌声と、日本のふるさと情景がマッチした名曲です。
いつかTVの「題名のない音楽会」で各音楽ジャンルでのベストワンを選ぶ企画があり、歌謡曲の部で選ばれたのがこの歌でした。ひばりの歌の世界を象徴する代表曲です。

ひばりの佐渡情話

この歌こそ、ひばりでなければ歌えない歌です(徳光和夫談)。他の歌手が歌っても、迫力が全然なく、ヒットもしなかったでしょう。船村徹とコンビの名曲です。昭和37年の紅白で歌われました。
最初のイントロは笛と三味線とオーケストラで、佐渡の荒海の情景が浮かんでくるような、壮大なアレンジで聞き応えがあります。美空のこぶしと節回し、地声と裏声が絶妙にからまって、この歌の味わいが出ています。

みだれ髪、川の流れのように

美空ひばりの遺作となった2曲です。二つの歌の感じは違いますが、曲として完成度の高い名曲です。

「みだれ髪」はひばりが闘病後の復帰第1作として発売されました。、作詞・星野哲郎、作曲・船村徹、歌・美空ひばりの3名人が全霊をかけて作り上げた名曲です。この歌は、自分を捨てた男を忘れようと思いながらも慕い続ける微妙な女の性(さが)を歌ったものですが、特に♪しーおやのみーさき♪ あたりで裏声の極みをつくして、見事に歌いあげております。レコーディングの際は星野と船村が背広姿で暖かく迎え、がっちり握手をしていました。美空は3番歌詞の”♪見えぬ心を照らしておくれ 一人ぼっちにしないでおくれ♪”というところが好きだと言っていました。

「川の流れのように」は、ゆるやかなテンポに乗せて、雄大な大河を、悲喜こもごもの人生が流れて行く様を歌っています。この歌は、まさに、「ひばりはあの世の天国へ召されて飛んでいきますが、皆さん、お元気で、お幸せに」という慈愛のメッセージの歌のように感じられます。作詞の秋元康、作曲の見岳章は美空とは初仕事ながら、いい歌ができました。


<番外編>(令和元年7月18日 追記)
閲覧者からの熱心なご要望により下記を追加しました。

人生一路 (石本美由紀作詞、かとう哲也作曲)

この歌の特徴
@ひばりの実弟・かとう哲也の作曲です
ATV番組や公演などで、最後を飾る歌としてよく歌われます
B哀愁歌謡が多いひばりには珍しく
前向きな人生の応援歌です。
Cこの曲を歌うときのひばりは実に生き生きと楽しそうに歌っています。
D東京ドームコンサートでもラストソングとして全身の力をふり絞り歌い上げました


<選考経過>
「ひばりの佐渡情話」はすぐ決まりました。2曲目は美空のデビューから昭和時代の数多いヒット曲の中で、最も”ひばり”を象徴する歌は何かということで「りんご追分」となりました。3曲目は遺作でどっちも名曲なので異例ですが「みだれ髪、川の流れのように」の2曲をセットでエントリーしました。

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